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業務用棚

保管効率を上げる棚の選び方|デッドスペース活用と改善事例

倉庫や工場で「棚を導入したのにスペースが足りない」「保管効率が上がらない」とお悩みではありませんか。
保管効率を高めるには、棚の種類や配置を見直すだけで大きな改善が期待できます。

本記事では、保管効率を下げる3つのスペースロスの原因と、棚を活用した具体的な改善方法を解説します。デッドスペースを有効活用し、限られた倉庫スペースを最大限に活かすためのヒントをお伝えします。

保管効率とは?現場が把握すべき基本指標

保管効率とは、倉庫の床面積に対してどれだけの荷物を保管できているかを示す指標です。物流管理における重要な指標の一つで、この数値が高いほど倉庫スペースを有効活用できていることを意味します。
保管効率を把握するためには、まず理論上の保管可能スペースを算出することが必要です。倉庫の総面積や天井高、通路幅、棚の配置などを考慮し、どれだけの荷物を保管できるかを計算します。そのうえで、実際の使用状況と比較することで、改善の余地を明確にできます。

保管効率を下げる3つのスペースロス

保管効率が低下する原因は、主に「平面ロス」「高さロス」「山欠けロス」の3つに分類されます。自社の倉庫でどのロスが発生しているかを把握することが、改善の第一歩です。

平面ロス

平面ロスとは、倉庫の床面積に対して、商品が占めている面積の割合が低い状態を指します。

発生原因 主な対策
通路幅が広すぎる 適正な通路幅へ見直し
棚の配置が非効率 レイアウトの再設計
未使用スペースがある 棚の追加設置

一般的な倉庫では、床面積の約50〜55%が通路として使用されています。通路幅が必要以上に広い場合や、出荷頻度の異なる商品を同じ場所に保管している場合は、平面ロスが発生している可能性があります。

高さロス

高さロスとは、倉庫の天井高を有効活用できていない状態です。棚の上部に無駄な空間がある、天井と棚の間に大きな空間があるといった場合に発生します。
特に倉庫は階高が大きく設計されているケースが多く、上部空間を活用できていない現場は少なくありません。高さロスの理想的な目標値は10%以下とされています。

山欠けロス

山欠けロスとは、棚の中で商品同士の間に無駄な隙間が生じている状態です。棚のサイズと商品サイズが合っていない場合や、異なる形状の商品を並べて置いた場合に発生します。
山欠けロスは目視で確認しやすいため、日常的な整理整頓で改善しやすいスペースロスです。

保管効率を上げる棚の種類と特徴

スペースロスの種類に応じて、適切な棚を選定することが保管効率向上の鍵となります。

中量ラック・軽中量ラック

商品単位での保管に適したラックです。棚板の高さを自由に変更できるため、山欠けロスの削減に効果的です。

棚板の位置は25〜50mmピッチで段替えが可能な製品が多く、保管する商品のサイズに合わせて柔軟に調整できます。

パレットラック(重量ラック)

パレット単位での保管に最適なラックです。1段あたりの積載荷重が500kgを超え、重量物も安心して保管できます。
棚の高さを自由に調節できるため、天井が高い倉庫での高さロス削減に効果的です。フォークリフトの仕様や荷物の形態に応じて、一段目を1m、二段目を1.5mにするといった柔軟な運用が可能です。

高層ラック

縦の空間を最大限に活用できるラックです。小さい商品を大量に保管する場合や、少量多品種の保管が求められるEコマース倉庫に適しています。
人の手が届かない高さの荷物を取り出すために、「ハイピックランナー」と呼ばれる高所ピッキング用の装置と組み合わせて使用することが一般的です。

積層ラック(中二階式)

倉庫内に中二階のようなスペースを作り、保管場所を立体的に増やせるラックです。床面積を実質的に2倍にでき、天井空間の有効活用に大きく貢献します。
組み立て・解体が容易なため、倉庫の移転や繁閑に応じたレイアウト変更にも対応しやすい点が特徴です。ただし、構造によっては建築確認申請が必要になる場合があるため、導入時には確認が必要です。

移動ラック

床に設置したレールの上を移動できるラックです。手動式、電動式、ハンドル式などのタイプがあります。
通常の固定棚では棚と棚の間に通路が必要ですが、移動ラックであれば必要に応じて通路を作れるため、平面ロスを大幅に削減できます。ただし、頻繁に出し入れする商品の保管には向いていません。

デッドスペースを活用する3つの改善方法

天井空間の有効活用

倉庫の上部空間を活用するには、階高に合った高さの棚を導入することが基本です。天井高が5.5〜6mの倉庫では、固定ラックにパレットを4段積みする運用が効率的とされています。
既存の棚を入れ替えずに上部空間を活用したい場合は、既存棚の上に増設できるタイプのラックを検討する方法もあります。工事にかかるコストやダウンタイムを抑えながら、保管スペースを拡大できます。

通路幅の最適化

通路幅は、使用する搬送機器と出荷頻度によって最適な寸法が異なります。
出荷頻度の高い商品(Aランク品)を出荷口近くに配置し、出荷頻度の低い商品(Cランク品)は奥に配置することで、全体の通路幅を見直すきっかけになります。Cランク品エリアの通路幅を800mm程度に抑えることで、より多くのラックを設置できるようになります。

棚板の高さ調整

棚板の高さを商品サイズに合わせて調整することは、山欠けロス削減の基本対策です。
背の低い商品を保管するために棚板間隔が広いラックを使用していると、高さロスが発生します。一方で、サイズにぴったり合わせすぎると入れ替え作業がしにくくなるため、適度な余裕を持たせることも大切です。

保管効率を高めるロケーション管理のポイント

棚を導入するだけでなく、商品の保管場所(ロケーション)を適切に管理することで、保管効率と作業効率を同時に向上させることができます。

出荷頻度による配置最適化

出荷頻度の高い商品は出荷口に近い取り出しやすい場所に、頻度の低い商品は奥に保管するのが基本的な考え方です。これにより、ピッキング時の移動距離が短縮され、作業効率も向上します。
商品をABC分析(出荷頻度や重要度によるランク分け)で分類し、Aランク品を優先的に好位置へ配置することで、保管効率と作業効率の両立が図れます。

形状による配置の工夫

同じような形状の商品を近くに配置することで、山欠けロスを削減できます。棚のサイズと商品サイズのミスマッチを減らし、隙間を最小限に抑えることがポイントです。
また、縦に長い商品を横置きにすると、無駄なスペースが生まれやすくなります。商品の形状に合った向きで保管することも、山欠けロス対策として有効です。

固定ロケーションとフリーロケーション

ロケーション管理には、保管場所を固定する「固定ロケーション」と、空いている場所に自由に保管する「フリーロケーション」の2つの方式があります。

フリーロケーションは空きスペースを最小限に抑えられるメリットがありますが、商品の場所をシステムで管理する必要があり、バーコード管理などの仕組みが求められます。商品の特性や管理体制に応じて、適切な方式を選択することが重要です。

この記事のまとめ

  • 保管効率の低下は「平面ロス」「高さロス」「山欠けロス」の3つに分類でき、まずは自社の倉庫でどのロスが発生しているかを把握することが改善の第一歩
  • 棚板の高さを商品サイズに合わせて調整できる中量ラック・軽中量ラックは、山欠けロスの削減に効果的
  • 天井高を活かすには、高層ラックや積層ラック(中二階式)の導入を検討し、高さロスの目標値は10%以下を目指す
  • 移動ラックは通路スペースを削減でき平面ロス対策に有効だが、出荷頻度の高い商品には不向きなため、商品特性に応じて使い分ける
  • 棚の導入とあわせてロケーション管理を見直し、出荷頻度や商品形状に応じた配置を行うことで、保管効率と作業効率を同時に高められる

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