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PIMSとDCSの連携方法とOPCインタフェースの活用

PIMSとDCSの連携は、プラントのプロセスデータを長期的に蓄積・活用するための基盤となります。OPCインタフェースを活用することで、異なるベンダーのシステム間でも標準的な方法でデータ連携が可能です。

本記事では、PIMSとDCSの関係性やデータの流れ、OPC DAとOPC UAの違い、連携時に確認すべきネットワーク構成・タグ管理・時刻同期などのポイントを解説します。

この記事で分かること

  • PIMSとDCSが果たす役割の違いと、両システムの相互補完的な関係がわかる。
  • OPC DAとOPC UAの特徴や使い分けの考え方を理解できる。
  • DCSとPIMSを接続する際に確認すべきネットワーク構成やタグ数、時刻同期などの実務的なポイントを把握できる。

PIMSとDCSの関係性

DCS(Distributed Control System:分散制御システム)は、プラントのプロセス制御を担う中核システムです。温度、圧力、流量などのプロセス変数を監視し、設定値に基づいて制御弁やポンプなどの機器を操作します。DCSは制御に特化したシステムであり、リアルタイムの運転監視と制御が主な役割となります。

一方、PIMSはDCSなどから収集したデータを長期間にわたって蓄積し、可視化や分析に活用するためのシステムです。DCSが「今」のプロセス状態を制御することに注力するのに対し、PIMSは「過去から現在まで」のデータを管理し、傾向分析やトラブル原因の究明などに活用されます。

両システムは相互補完的な関係にあります。DCSが持つリアルタイムデータをPIMSに転送することで、制御に使用されるデータを長期保存用のデータベースに蓄積できます。この連携により、DCS単体では難しい長期間のトレンド分析や、複数プラントにまたがるデータの統合管理が実現可能となります。

データの流れ

DCSからPIMSへのデータの流れは、一般的に一方向です。DCSで計測・収集されたプロセスデータがPIMSに転送され、PIMSのデータベースに蓄積されます。PIMSはデータの受け手として機能し、DCSの制御動作に影響を与えることはありません。

転送されるデータには、アナログ値(温度、圧力、流量など)、デジタル値(バルブの開閉状態、機器の運転状態など)、および計算値(効率、収率など)が含まれます。データの転送間隔は、プロセスの特性や用途に応じて設定され、数秒から数分の範囲で選択されることが一般的です。

OPCインタフェースによる接続

DCSとPIMSを接続する方法として、現在最も広く使用されているのがOPC(OLE for Process Control)インタフェースです。OPCは産業用システム間のデータ交換を標準化するための規格であり、異なるベンダーの機器やソフトウェア間でのデータ連携を可能にします。

OPCの基本概念

OPCは、データを提供する側(OPCサーバー)とデータを受け取る側(OPCクライアント)という構成で通信を行います。DCSとPIMSの連携では、DCS側がOPCサーバーとして機能し、PIMS側がOPCクライアントとしてデータを取得する形が一般的です。

OPCを使用するメリットは、ベンダーに依存しない標準的な接続方式であることです。DCSのメーカーが異なっていても、OPCに対応していれば同じ方法でPIMSと接続できます。これにより、複数メーカーのDCSが混在する環境でも、統一的なデータ収集が可能となります。

OPC DAとOPC UA

OPCには複数の規格がありますが、代表的なものとしてOPC DA(Data Access)とOPC UA(Unified Architecture)があります。

OPC DAは従来から広く使用されてきた規格で、Windows環境でのリアルタイムデータ交換に対応しています。多くの既存DCSがOPC DAに対応しており、実績のある接続方式として現在も使用されています。ただし、OPC DAはWindowsのDCOM技術に依存しているため、ファイアウォールを越えた通信やセキュリティ設定に注意が必要です。

OPC UAは、OPC DAの後継として策定された規格です。プラットフォームに依存せず、LinuxやクラウドベースのシステムでもOPC UA対応により接続が可能です。また、セキュリティ機能が強化されており、暗号化通信や認証機能が標準で組み込まれています。新規導入の案件では、OPC UAの採用が増えてきています。

OPCサーバーの役割

DCS側のOPCサーバーは、DCS内部のデータをOPC規格に従った形式で外部に公開する役割を担います。OPCサーバーは、DCSベンダーが提供する場合と、サードパーティ製品を使用する場合があります。

OPCサーバーの設定では、どのタグ(データポイント)を外部に公開するかを定義します。DCS内のすべてのタグを公開する必要はなく、PIMSで収集したいタグのみを選択して公開することが可能です。

連携時に確認すべきポイント

PIMSとDCSの連携を計画する際には、いくつかの重要な確認事項があります。事前に検討しておくことで、導入後のトラブルを防ぎ、スムーズな運用開始につなげることができます。

対応インタフェースの確認

まず、既存のDCSがどのインタフェースに対応しているかを確認する必要があります。OPC DA、OPC UA、あるいはその両方に対応しているかによって、接続方式の選択肢が変わります。また、DCSのバージョンによって対応するOPC規格が異なる場合もあるため、現在稼働しているシステムの仕様を正確に把握することが重要です。

PIMS側についても、対応するOPC規格を確認します。多くのPIMS製品はOPC DAとOPC UAの両方に対応していますが、特定の規格のみに対応している場合もあります。

ネットワーク構成の検討

DCSとPIMSを接続するネットワーク構成も重要な検討事項です。制御系ネットワーク(DCSが接続されているネットワーク)と情報系ネットワーク(PIMSや業務システムが接続されているネットワーク)は、セキュリティ上の理由から分離されていることが一般的です。

両ネットワーク間でデータを受け渡すためには、ファイアウォールの設定やDMZ(非武装地帯)の構築が必要になる場合があります。OPC DAを使用する場合は、DCOM通信のためのポート開放が必要となり、セキュリティ設定が複雑になることがあります。OPC UAを使用する場合は、単一ポートでの通信が可能なため、ファイアウォール設定がシンプルになります。

タグ数と更新頻度の見積もり

PIMSで収集するタグ数と、各タグの更新頻度(スキャン間隔)を事前に見積もることが重要です。タグ数が多くなるほど、また更新頻度が高くなるほど、OPCサーバーやネットワークへの負荷が増大します。

必要以上に高い頻度でデータを収集すると、システムリソースを浪費するだけでなく、ストレージ容量の増大にもつながります。プロセスの変化速度に応じた適切な更新頻度を設定することが、効率的なシステム運用につながります。

時刻同期の確保

DCSとPIMSの間で時刻が同期されていることは、データの整合性を保つ上で重要です。時刻がずれていると、異なるシステムから収集したデータを比較・分析する際に問題が生じます。

NTP(Network Time Protocol)などを使用して、DCS、OPCサーバー、PIMSの各システムが同一の時刻ソースに同期するよう設定することが推奨されます。

冗長化構成の検討

プラントの運転にとって重要なデータを収集する場合は、システムの冗長化を検討する必要があります。OPCサーバーの冗長化、ネットワーク経路の二重化、PIMSサーバーの冗長化など、障害発生時にもデータ収集が継続できる構成を検討します。

冗長化の範囲は、データの重要度や許容されるダウンタイムに応じて決定します。すべてを冗長化するとコストが増大するため、リスクとコストのバランスを考慮した設計が求められます。

[PIMS DCS 連携]に関連するFAQ

PIMSとDCSはどのような関係にありますか?

DCSはプラントのリアルタイム制御を担い、PIMSはDCSから収集したデータを長期間蓄積して可視化や分析に活用するシステムです。DCSが「今」の制御に注力するのに対し、PIMSは「過去から現在まで」のデータ管理を担う相互補完的な関係にあります。

OPC DAとOPC UAの違いは何ですか?

OPC DAはWindows環境でのリアルタイムデータ交換に対応した従来型の規格で、DCOM技術に依存しています。OPC UAはその後継規格で、プラットフォーム非依存かつセキュリティ機能が強化されており、ファイアウォール設定もシンプルになります。

DCSとPIMSの連携でネットワーク構成はどのように考えればよいですか?

制御系ネットワークと情報系ネットワークはセキュリティ上分離されていることが一般的です。両者間でデータを受け渡すためには、ファイアウォール設定やDMZの構築を検討する必要があります。使用するOPC規格によって設定の複雑さが異なる点にも注意が求められます。

タグ数や更新頻度はどのように決めればよいですか?

PIMSで収集するタグ数と更新頻度は、プロセスの変化速度や分析目的に応じて設定します。必要以上に高い頻度で収集するとシステム負荷やストレージ容量の増大につながるため、用途に見合った適切な設定が重要です。

時刻同期はなぜ重要ですか?

DCSとPIMSの間で時刻がずれていると、異なるシステムから収集したデータを比較・分析する際に整合性が取れなくなります。NTPなどを使用して各システムを同一の時刻ソースに同期させることが推奨されます。

この記事のまとめ

  • DCSはリアルタイムの制御を担い、PIMSはそのデータを長期蓄積して分析に活用する相互補完的な関係にある。
  • OPCインタフェースを使うことで、異なるベンダーのDCSでも標準的な方法でPIMSと接続できる。
  • OPC DAは実績のある従来型規格であり、OPC UAはセキュリティやプラットフォーム非依存の面で優位性がある。
  • 連携時にはネットワーク構成、タグ数と更新頻度、時刻同期、冗長化構成を事前に検討することが重要である。

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