材料分析装置における高さ自動調整のための三角測量式レーザ変位センサの活用
表面状態に依存しない非接触距離測定によるLIBS分析装置の自動高さ調整
課題
光沢が異なる多様なサンプルでも、表面状態に左右されない安定した測定が求められます。
解決策
アクティブ表面補正により露光時間を自動最適化し、表面状態に依存しない距離測定を行います。
期待効果
LIBSセンサヘッドの高さ自動調整が安定し、サンプルごとの分析の再現性向上が期待できます。
材料分析装置のセンサヘッド高さ自動調整
材料の元素組成を分析するレーザー誘起ブレークダウン分光法(LIBS:Laser-Induced Breakdown Spectroscopy)の装置では、サンプルごとにLIBSセンサヘッドと測定対象表面との距離を最適に保つ必要があります。本ユースケースで紹介するのは、サンプルの設置状態に応じてLIBSセンサヘッドの高さを自動で再調整するための、非接触距離測定です。
材料分析の対象は鉱物や金属が中心で、サンプルの形状や設置状態は一様ではありません。三角測量式レーザ変位センサで測定対象までの距離をリアルタイムに把握することで、サンプルが切り替わるたびに装置内でセンサヘッドの高さが自動調整され、安定した分析の前提条件が整います。

材料分析装置の設計における課題
材料の元素組成を分析するレーザー誘起ブレークダウン分光法(LIBS)の装置では、測定対象は主に鉱物や金属の試料が中心となります。これらの試料は、表面の光沢が一様でなく、サンプルの設置時に極端に傾いている場合もあります。装置側に、表面状態の差に左右されない測定の仕組みを備える設計が求められます。
サンプル表面状態の不均一性
LIBS分析の対象となる鉱物や金属の試料は、表面の光沢レベルが大きく異なることがあります。特に金属試料では、酸化による変色など局所的に異なるテクスチャを含む場合があり、装置側で表面状態の差を吸収する仕組みが必要です。
サンプル設置時の傾きのばらつき
LIBS分析の試料は、装置への設置時に極端に傾いている場合があります。サンプルが傾いていると、センサヘッドから測定対象表面までの距離はサンプルごとに変動します。装置側に、設置状態のばらつきを吸収する距離調整の仕組みが必要となります。
三角測量式レーザ変位センサ optoNCDT 1320による解決

アクティブ表面補正による安定測定
optoNCDT 1320シリーズに搭載されたアクティブ表面補正(ASC:Active-Surface-Compensation)は、測定対象の色や輝度の変化に応じて露光時間や光量を自動で最適化します。光沢の異なるサンプルや酸化による変色がある金属試料など、表面テクスチャが多様な対象に対しても、安定した距離信号を維持し、表面状態に依存しない距離測定が可能です。
コントローラ内蔵のコンパクト設計
optoNCDT 1320シリーズはコントローラを本体に内蔵したコンパクトなセンサです。外部コントローラを必要としない構造で、配線も簡素化されています。
ILD1320-100は測定範囲100mmに対応する型番で、LIBSセンサヘッドの高さ調整に必要な可動範囲を一台でカバーします。質量は約30g(ケーブル除く)、保護等級はIP67、ハウジング材質はアルミです。
直感的なWebインターフェース
optoNCDT 1320シリーズは、IF2001/USBコンバータ経由でPCに接続し、ブラウザ上のWebインターフェースから直感的にパラメータ設定や信号確認が行えます。プリセット選択により用途別の設定を即座に呼び出すことが可能です。
レーザー落射角度±0.3°公差で容易に搭載可能
optoNCDT 1320シリーズは、レーザの落射角度を公差±0.3°で保証する仕様となっています。一般的な三角測量式センサの公差±1°と比較して、機械公差で測定位置を規定できます。これにより、取り付け後やセンサ交換時の再調整が不要となります。
optoNCDT 1320活用による期待効果
optoNCDT 1320を材料分析装置のセンサヘッド高さ自動調整に活用することで、以下の効果が期待できます。
装置設計の自由度向上
LIBS分析装置の内部スペースに対する組込みの制約が小さくなり、装置筐体のレイアウト自由度が高まります。検査機構や周辺部品との干渉を避けやすい設計が見込まれ、狭所への組込みや、複雑な機構を持つ装置への組み込みも検討しやすくなります。
分析品質の安定化
LIBSセンサヘッドの高さ調整精度が安定し、サンプルごとの個体差を装置側で吸収しやすくなります。光沢や表面テクスチャが異なる試料でも、繰り返し性10µm・直線性<±100µmの精度を活かした再現性の高い距離測定が見込まれ、LIBS分析の品質安定化が期待できます。
立ち上げ時間の短縮
装置メーカー側での評価試作・調整・量産設定の各段階で、Webインターフェースとプリセット機能を活用したパラメータ設定の作業時間短縮が期待できます。装置メーカーの開発リードタイムの短縮や、量産設計への適用検討が円滑に進むことが見込まれます。
組込み・保守工数の削減
機械公差で測定位置を規定できることにより、装置への組込み時や、運用中のセンサ交換時に再調整が不要となります。これにより、組込みおよび交換時の手間の削減が見込まれます。
関連製品・サービス
三角測量式レーザ変位センサ optoNCDTシリーズ
レーザ式三角測量センサのパイオニア、Micro-Epsilonの三角測量式レーザ変位センサ optoNCDTシリーズは、非接触で高精度な測定を可能にする革新的なセンサです。オートメーション、インライン品質検査、機械製造など、さまざまな分野で活用され、確かな信頼を得ています。