圧力センサ出荷検査用圧力コントローラ|検査のタクトタイム短縮と長期安定運用
ニードルバルブ方式の連続制御で実現する、量産圧力センサ検査のタクトタイム短縮
課題
電磁弁方式は構造的制約があり、昇圧・降圧両方向の検査工数とあわせて量産タクトの短縮を妨げます。加えて、電磁弁方式の耐久性が設備維持費の増加や安定生産への影響を招きます。
解決策
ニードルバルブ方式の連続流量制御により高速加圧と低オーバーシュートを両立。また、長寿命構造により、保守負荷を低減し安定生産に貢献します。
期待効果
検査タクトタイム短縮と昇圧・降圧検査の効率化、長期安定運用が見込まれます。
圧力センサ出荷検査用圧力コントローラ
圧力センサは自動車・産業機器・医療機器などさまざまな機器に搭載され、その測定原理や用途に応じて測定レンジ、精度、応答、ヒステリシスといった特性が異なります。このため、量産する圧力センサには、それぞれの特性に応じた性能評価と出荷検査が必要になります。
圧力コントローラMC300は、検査対象の圧力センサに所定の圧力を高速かつ安定に印加することで、量産ラインにおける出荷検査工程を支える機器です。内蔵センサーで出力圧をリアルタイムに確認でき、分割出力やオートステップ機能を組み合わせることで、昇圧・降圧両方向の検査ステップを自動化できます。
圧力センサの出荷検査における課題
圧力センサは、自動車の電動化や産業機器のIoT化、医療機器の高度化を背景に、幅広い機器への搭載が広がっています。量産ラインでは、一台あたりの検査時間を短縮しながら、規定の精度と再現性を確保するとともに、設備の安定稼働を維持することが求められます。検査工程に用いる圧力印加装置の性能や耐久性は、検査タクトタイム、データの信頼性、設備維持費を大きく左右する重要な要素です。
設定圧までの到達時間と安定性
量産ラインの検査では、設定圧までの到達速度だけでなく、設定圧に到達してから圧力が安定するまでの時間もタクトタイムを決定づけます。過大な圧力が残っていれば安定までの待ち時間が長引き、検査の効率を損ないます。
高速化と安定性の二律背反
一般的な電磁弁方式の圧力コントローラは、弁の高速開閉によって圧力を制御します。この構造では、速度を上げるとオーバーシュートが大きくなり、安定性を重視すると応答が遅くなるという二律背反が生じやすく、タクト短縮の妨げになります。
昇圧・降圧両方向の検査負荷
圧力センサの性能評価では、加圧時だけでなく減圧時のヒステリシスや応答特性も確認する必要があります。昇圧・降圧の各ステップを手作業や個別操作で繰り返す構成では、量産検査での工数負荷が大きくなります。
電磁弁方式の耐久性と保守負荷
電磁弁方式は弁の開閉動作を繰り返すため、長期運用では部品摩耗によるメンテナンス負荷が課題となります。量産ラインでは設備維持費の増加や安定生産への影響が懸念されます。
圧力コントローラ MC300による解決
設定圧までスムーズに加圧
MC300はニードルバルブ方式のサーボ弁を採用し、モーター駆動のニードル位置によって空気流量を連続的に調整します。弁の高速開閉動作を伴わないため、設定圧に近づくにつれて細かな流量制御を行い、オーバーシュートを抑えながら短時間で設定圧に到達します。代表的な条件下では応答時間5秒以内を実現しており、電磁弁方式で生じやすい高速化と安定性の二律背反を構造的に解消します。
±0.04%の出力相対確度
シリコンレゾナントセンサによるセンシングとニードルバルブ制御の組み合わせにより、MC300は出力相対確度±0.04%を実現しています。ヒステリシスを抑えた直線性と再現性で、量産ラインでの同一条件の繰り返し検査においても、センサごとの性能差を正しく評価できる安定した圧力基準を提供します。この確度は12か月の保証期間を通じて維持されます。
分割出力とオートステップ機能
検査対象のフルスケールに合わせて目標圧力を設定し、任意の分割数を指定することで、ボタン操作ひとつでステップアップ・ステップダウンを実行できます。オートステップ機能ではインターバル時間を指定して自動的にステップ出力を継続でき、昇圧・降圧両方向の検査工程を自動化できるため、手作業や個別操作による工数負荷の低減に貢献します。
長寿命のニードルバルブ構造
ニードルバルブ方式は、高速な開閉動作を伴わない連続位置制御であるため、構造的に部品の摩耗が少なく、長期にわたり安定した動作を維持します。量産ラインのように長時間稼働する環境でも、弁の消耗に起因する修理やメンテナンスの頻度を抑えやすく、ライフサイクルコストの低減につながります。
MC300活用による期待効果
MC300を活用することで、以下の効果が期待できます。
検査タクトタイムの短縮
ニードルバルブ方式による高速加圧と低オーバーシュートの両立により、設定圧への到達から安定までの時間が短縮され、一台あたりの検査時間の短縮が期待できます。量産ラインの生産性向上に直接寄与する効果として見込まれます。
昇圧・降圧検査の効率化
分割出力とオートステップ機能により、任意の圧力ポイントを自動で順番に出力できます。昇圧と降圧の両方向の検査を自動化することで、個別操作の工数と作業者の負担を軽減し、検査効率の向上が見込まれます。
安定判定の即時化
内蔵センサーによる出力圧のリアルタイム表示とコンパレータ出力により、設定圧への到達と安定を作業者や検査装置が即座に把握できます。安定を待つ時間のばらつきが抑えられ、検査結果の信頼性向上が見込まれます。
長期安定運用と保守負荷の低減
ニードルバルブ方式の長寿命構造と、12か月の確度保証期間を通じた安定した確度により、量産ラインで求められる長期間の安定稼働に応えられます。定期校正を前提に安定して使える運用設計により、ライフサイクルコストの低減が期待できます。
関連製品・サービス
MC300 圧力コントローラ
圧力コントローラ MC300は、横河計測独自のシリコンレゾナントセンサとニードルバルブ方式のサーボ弁を搭載した高精度圧力コントローラです。出力相対確度±0.04%と12か月の確度保証期間を備え、長期にわたり安定した圧力制御を提供します。
圧力センサーや空圧機器の生産ライン検査をはじめ、血圧計の規格試験、筐体の漏れ試験、差圧・圧力伝送器の校正など、精密な圧力制御が求められるプロセス管理や生産自動化の幅広い工程で活用されています。