物流業界で頻繁に使用される「パレタイズ」という用語は、パレットに荷物を効率的に積み込むプロセスを指します。単に荷物をパレットに積むだけでなく、効率を最大化し、かつ荷物の崩れを防ぐためにスキルが要求されます。
この記事では、パレタイズの定義、パターン、パレタイズロボットによる自動化の利点について解説します。自動化を推進するおすすめ製品も紹介していますので、パレタイズの効率化・省人化を検討している企業様はぜひご覧になってみてください。
このような方におすすめです
・パレタイズの概要や種類 / パターンについて詳しく知りたい方
・パレタイズを自動化するメリットに関心のある方
・おすすめのパレタイズロボット / システムを探している方
パレタイズとは、荷物をパレットに積み上げる作業のことを指し、箱・ケース・カートンなどの荷物をパレットに積み重ね、効率的な運搬と管理が可能になります。荷物を積む際、単なる積み重ねだけでなく、運搬から保管までの段階で荷姿を安全に保つことが肝要です。
荷物が崩れないように、荷物を安全にパレットに積むためには、ブロック積みやピンホール積みなど、さまざまなパレットパターンが利用されます。荷物の性質や要件に応じて、最適なパレットパターンを選択し、パレタイズ作業を行わなければいけません。
パレタイズでは、積み上げ方に応じてさまざまなパターンが利用されます。
荷物の形状やサイズによって、積み方を変更することができるため、選択したパターンが安定性や耐圧性に影響を与える可能性があります。 以下では、それぞれの積み上げパターンを紹介します。
「平積み」と呼ばれる「ブロック積み」は、荷物をブロックのように整然と積み上げる方法です。このアプローチは単純明快で、素早く積むことができ、また、パレットから商品を取り出す(デパレタイズ)ときにも縦方向に整列しており、効率が良いため、生産性が向上するという利点があります。また、ダンボールが整然と積まれることで、ダンボールの強度が向上し、重い物品にも耐えられるという利点もあります。
しかし、横方向の力には比較的弱いため、わずかな振動でも荷物が崩れる可能性があるというデメリットも存在します。
「インターロック積み(交差列積み)」は、段ごとに荷物の向きを90度変えながら積み上げる方法です。上下の段の荷物同士がお互いを支え合うため、運搬中の揺れに対して非常に安定した状態を維持できます。段を切り替えるときに向きを変える必要があることを考慮するだけで、ブロック積みとほぼ同じ作業効率を実現できます。
ただし、最上段の端だけは揺れにやや弱い点があり、また、ダンボールの縦横比が1に近い場合、この積み方は効果が薄いことに留意が必要です。
「ピンホール積み(風車形積み)」は、荷物を風車のような形状に配置していく方法です。1段階では荷物の向きを逆転させて積み上げることで、横向きの力に対する耐性を高めています。
この方法はパレットの中央に空洞ができるため、温度管理が厳しい荷物の輸送に向いています。ただし、この空洞のために積載率が低下するというデメリットも存在します。
「レンガ積み」とは、段ごとに向きを変えて荷物を積み上げる方法で、各段で180度ずつ向きを変えて配置します。上から見たときに荷物が長方形の形を形成することが一般的で、この形状はカゴ車で運搬する際によく見られるかもしれません(もちろん、パレットにもこの方法で積むことがあります)。
レンガ積みは、荷物の荷崩れが少なく、すべての荷物が外部から見えるため、検品が容易であるという利点があります。
「スプリット積み」は、レンガ積みと似た方法ですが、積み上げた際に横向きの部分に図に示すような隙間(スプリット)ができる積み方です。この隙間は故意に作るのではなく、荷物の形状やサイズによって自然に生じるものです。
外側に隙間ができると、積み上げた際に外側に支えがなくなり、荷物の崩れが起こりやすくなります。そのため、内側に隙間を作ることで、荷物の安定性を高め、崩れるリスクを低減させます。
以前は、パレタイズ作業は手作業で行われるのが一般的でした。しかし、近年ではアシスト機器やロボットの導入により、物流企業は労働負担の軽減や人手不足に対処する方法として積極的に採用しています。
ロボットを活用することで、大きな重量の荷物でもパレタイズやデパレタイズが容易に行え、パレットへの荷物の配置をプログラムすることで、ミスなく正確なパレタイズが実現します。ロボットの導入には初期コストがかかりますが、一度パレタイズラインを設置すると、ランニングコストを効果的に管理が可能です。
パレタイズに使用されるロボットには、柔軟な向きやワークの適応能力、つまり高い「自由度」が求められます。そのため、多くの場合、パレタイズロボットには「ロボットアーム(垂直多関節式ロボット)」が採用されています。ロボットアームは、産業用ロボットの中でも、人間の腕のような高い自由度を持ち、土台の向きも調整可能です。さらに、ロボットハンドを交換することで、さまざまな作業に適応できます。
しかし、近距離での協働作業が必要な場合、協働ロボットが使用されることもあります。協働ロボットは、出力に制約があるため、一定以上の重い荷物を扱うのには向いていません。使用目的に合わせて適切な産業用ロボットを選択する必要があります。
ロボットを導入してパレタイズを自動化することで、以下のようなメリット・効果を得ることができます。
箱詰めされたワークには、大きくて持ちにくいものや重いものが含まれていることがあります。たとえ作業者が体力に自信があっても、連続して重たい荷物を運び続けるのは非常に困難です。このような状況では、作業者が怪我をしたり、労災につながる危険性が存在します。
しかし、パレタイズをロボットに自動化させることで、作業者の負担を大幅に軽減できます。
パレタイズの自動化により、人為的なエラーを大幅に減少させることができます。手作業によるパレタイズでは、訓練を受けた作業員でも、誤りや不一致が生じやすいことがあります。
一方、ロボットによるパレタイズでは、製品をパレットに正確かつ一貫して積み上げることができます。機械は疲労や気を散らすことがないため、人間のようなミスを犯すことはありません。製品の誤った配置、損傷、作業の遅延など、人為的なエラーに起因する問題が大幅に削減されます。
多くの企業が労働力不足に直面しており、特に24時間体制の工場においては深夜の人材確保が喫緊の課題です。
しかし、ロボットによる自動化によって、パレタイズ業務における人手不足の問題を解決することができます。 さらに、昼間のみの稼働から24時間体制への拡張など、パレタイズ業務の効率化を図ることで、1日あたりの生産性を向上させることも可能です。
ロボットを活用したパレタイズでは、規定のパターンに基づいて製品をパレット上に配置するため、スペースの効率的利用が実珸され、保管や輸送のコストを削減することができます。
このような自動化は全体的な作業効率向上につながり、生産効率の向上に大いに寄与します。
製品名 | 特徴 |
---|---|
可搬人協働ロボットによる「パレタイズパッケージ」 | 20㎏段ボール箱・コンテナ・発泡スチロール箱・米袋・原料袋など幅広く使用可能なパレタイズロボットです。 |
パレタイザロボット「YZロボット Pシリーズ」 | 省スペースで設置できる汎用性の高い産業用ロボットを用いたパレタイザロボットです。 オールインワンパッケージで手軽に導入が可能で、パワフルな搬送を実現することで、パレタイズ工程の生産性向上を支援します。 |
ALFISロボットパレタイズシステム | ティーチングなしでパレタイズを代替・自動化する、ロボットパレタイズシステムです。 |
AIデパレビジョンシステム | 3DビジョンとAI学習をドッキングし、デパレタイズを自動化するAIデパレビジョンシステムです。 |
30kg可搬:20㎏段ボール箱・コンテナ・発泡スチロール箱・米袋・原料袋など幅広く使用可能です。
20kg可搬:ロボット導入によって段ボール積付け作業の繰り返しによる足腰への負担を削減することが可能です。
国内メーカが導入前の検討から導入後のメンテナンスまで手厚くサポートいたします。
『YZロボット Pシリーズ』は、省スペースで設置できる
汎用性の高い産業用ロボットを用いたパレタイザロボットです。
オールインワンパッケージで手軽に導入が可能で、パワフルな搬送を実現することで、パレタイズ工程の生産性向上を支援します。
人が教え込まなくても、目的のパレット積み付け作業ができるように、ロボットが自動で動きを考えてくれる。 必要な設備がすべて揃い、安全柵や大掛かりな機構も不要で、誰もが簡単に操作できる。
ALFIS のロボットパレタイズシステムは、お客様の現場にベストなソリューションをご提供します。
箱や様々な形状の物体を認識を行う、ロボットビジョンとして活用いただく目的で開発した3次元認識ソフトウェアです。処理時間や物体の形状などにより、形状を取得する方法や認識方法は様々です。ご要望の応じて最適なソリューションを提案させていただきます。
パレタイズは、積み方ひとつで企業の生産性や品質に直結する重要な要素です。サプライチェーンにおけるモノの移動や保管において欠かせないプロセスと言えます。
近年、多品種少量生産の市場需要が高まっており、異なるサイズの製品を扱ったり、頻繁に段取りを変更したりする必要性が増加しています。 生産規模が拡大するにつれて、人手に頼ったパレタイズ作業は効率の限界に達するでしょう。 産業用ロボットを導入してパレタイズを自動化することで、生産性向上だけでなく、将来の市場需要に柔軟に適応できる体制を整えることをおすすめします。
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