ハーフミラーとは?
ハーフミラーは、光の反射と透過の両方の特性を併せ持つ光学部品です。光の反射と透過の比率を調整することができ、例えば、50:50の比率で光を分割するミラー・フィルターが存在します。 光学機器、自動車、検査装置、ディスプレイ技術など、幅広い分野で重要な役割を果たしています。
ハーフミラーの種類
ハーフミラーには主に「誘電体ミラー」と「金属ミラー」の2種類があります。
誘電体ミラー
誘電体ミラーは、金属を使用せず、誘電性のある材料(絶縁体)を利用したミラーです。
屈折率の異なる酸化物誘電体の多層膜を使用し、広帯域や特定波長に対して高い反射率を持つミラーが作られます。
金属ミラー
金属ミラーは、基材表面に金属膜を蒸着させた光学部品です。
基材には熱伝導率の高い銅やアルミニウムが使用され、蒸着膜にはアルミニウム(Al)、金(Au)、銀(Ag)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)などが使用されます。
アルミミラー
アルミニウムは軽量で耐腐食性が高く、加工が容易です。反射率も比較的高く、コストパフォーマンスに優れています。フッ化マグネシウム(MgF2)、二酸化ケイ素(SiO2)、酸化ケイ素(SiO)などの保護膜を追加することで、機械的強度と耐久性が向上します。
銀ミラー
銀は非常に高い反射率を持ち、特に可視光線の反射に優れています。ただし、酸化しやすく、コーティングが必要です。
金ミラー
金は近赤外から赤外域において高い反射率を持ち、腐食に対して非常に強い特徴があります。しかし、コストが高いため、特定の用途に限られます。
ハーフミラーの用途
誘電体ミラーは通信機器や装飾用途に適している一方、金属ミラーは一般的な光学用途や防犯用途で広く使用されています。
光学機器 | レーザー機器や光学計測機器で、ビームスプリッターとして使用されます 顕微鏡や望遠鏡などの光学系で、光路を分割するために使用されます |
---|---|
ディスプレイ技術 | ヘッドアップディスプレイ(HUD)やプロンプターなどで、情報を重ね合わせて表示するために使用されます。 |
通信機器 | 特に誘電体ミラーは、スマートフォンや携帯電話などで電磁波を透過させつつ、装飾的な機能も果たします。 |
装飾用途 | 誘電体ミラーは、見る角度によって反射色が変化する特性を活かし、装飾ミラーとして使用されます。 |
自動車産業 | バックミラーやサイドミラーに使用され、夜間のグレア軽減に役立ちます。 |
河合光学のハーフミラー
河合光学株式会社は、任意の比率で反射光と透過光に分けることのできるハーフミラーの開発製造を行なっています。
誘電体ハーフミラーは、光の損失がほとんどありません。しかし、角度依存性があります。金属ハーフミラーは、光の損失が大きくなります。しかし、角度依存性がほとんどありません。