非線形解析　受託解析・コンサルティング・トレーニング

非線形解析とは？

非線形解析とは、荷重と変位量の関係が比例関係にない現象を解析する手法です。荷重と変位量が単純な比例関係にあると仮定できない場合に用いられます。線形解析と比較して、より現実的な解析が可能になります。

線形解析との違い

構造解析における基本的な手法の一つに「線形解析」があります。線形解析では、荷重と変位量が比例関係にあると仮定して解析を行います。この手法は比較的シンプルであり、一般的なシミュレーションに広く用いられています。

しかし、線形解析的な考え方では、例えばある荷重を入力した際に、変形量が際限なく増加し続けたり、現実には起こりうる材料の破壊や部品の破損といった現象を捉えることができません。また、解析的には部品が壊れないという結果になるため、材料の強度低下や塑性変形といった非線形な挙動を考慮することができないという課題があります。



線形解析は、部品にかかる応力が材料の降伏点よりも十分に低い場合や、変形が微小であるといった比較的安全な領域での設計や評価には十分な威力を発揮します。例えばカーボンファイバーのような材料で、安全率が非常に高く、破壊の可能性が極めて低いような部品の開発においては、線形解析が有効な手段となりえます。

一方、非線形解析は、このような線形解析の限界を超えるための手法です。現実の世界では、多くの材料は荷重と変位が比例しない非線形な挙動を示し、ある程度の荷重を超えると塑性変形を起こしたり、最終的には破壊に至ります。非線形解析では、材料の強度特性が変化する過程や、塑性変形、破壊といった現象をシミュレーションによって予測することができます。また、部材同士が接触するような複雑な境界条件を扱うことができる点も、非線形解析の大きな特徴の一つです。

非線形解析の種類

非線形解析の課題

近年では製品の軽量化や高性能化が求められる中で、限界に近い設計が行われることが増えています。材料のわずかな非線形性も製品の性能や安全性に大きな影響を与える可能性があるため、より高精度な非線形解析の需要が高まっています。一方で、その利用においては以下のようなお悩みが多く聞かれます。

これらの理由から、非線形解析ソフトを自社で導入して利用できるのは一部の大企業や研究機関に限られています。しかし、解析受託サービスを提供することで、これらの課題を抱える企業でも高度な非線形解析を利用できるようになります。

GRMの非線形解析サービス

GRM Consulting株式会社（以下、GRM）は、非線形解析の長年の経験と豊富な知識に基づき、受託解析、コンサルティング、トレーニングを行なっております。非線形解析に関することは、GRMにお任せください。

受託解析

お客様の課題やニーズに合わせて、最適な非線形解析を実施します。衝突、落下、FSIなど、多岐にわたる解析に対応し、現実世界に近い高精度な解析結果をご提供します。ソフトウェアの操作ノウハウや、解析における様々なパラメータ設定に関する専門知識を活かし、高度な解析結果を得ることが可能です。

コンサルティング

非線形解析ソフトの導入から活用、結果の評価まで、トータルなコンサルティングサービスを提供します。お客様の設計課題に対して、最適な解析手法の選定、パラメータ設定のアドバイス、解析結果の解釈、さらには最適化までを支援し、製品の性能向上やコスト削減に貢献します。特に、非線形解析と最適化を連携させた、独自のコンサルティングはGRMの強みの一つです。

トレーニング

LS-DYNAなどの非線形解析ソフトを導入されている企業様向けに、ソフトウェアの操作トレーニングを実施しています。3Dデータからの解析モデル作成やLS-DYNAの基本設定に関するトレーニングも可能です。また、カーボンなど特定の材料や、特殊な解析のニーズに特化した専門的なトレーニングまで、お客様のレベルや解析の目的に合わせた柔軟な支援が可能です。GRMが長年培ってきたノウハウをお伝えすることで、お客様ご自身での解析能力向上をサポートします。

GRMの非線形解析が選ばれる理由

GRMは、お客様が製品の品質向上、開発期間の短縮、コスト削減を実現できるよう、高度な非線形解析技術と経験豊富な専門家によるサポートを提供します。

非線形解析をリーズナブルに実現

GRMでは、長年の経験とノウハウに基づき、LS-DYNAをはじめとする非線形解析ソフトを活用した解析サービスを提供しています。お客様自身で高価なソフトウェアを導入することなく、非線形解析をより手軽にご利用可能です。

お客様のニーズに合わせたサービス

GRMは、単に解析を行うだけでなく、お客様の具体的な要望や課題に合わせて最適な解析手法や条件を設定し、きめ細やかなサービスを提供します。自動車部品の強度解析、衝突解析、FSI解析など、多岐にわたる分野での実績があります。

解析結果を基に製品の最適化もサポート

非線形解析で得られた結果を基に、製品の構造や材料、設計などの最適化を支援できる点もGRMの強みです。非線形解析ソフトとGRM独自の最適化ツールを連携させることで、軽量化と強度向上を両立させたり、製品の性能を最大限に引き出すための具体的な改善策を提案します。

最適化におけるGRMの強み

GRMでは、複数のシミュレーションソフトを連携することで、1ショットでの最適化を実現可能です。例えば車両の設計であれば、ねじり剛性や衝突解析など様々なシミュレーション結果を組み合わせ、総合的な観点から最良の設計を導き出すことができます。

非線形解析の事例

GRMは、様々な産業分野のお客様に対して、多岐にわたる非線形解析の受託、コンサルティング、トレーニングを提供してまいりました。以下に代表的な事例をご紹介します。

電気自動車バッテリーケースの衝突解析と最適化

電気自動車のバッテリーケースの衝突安全性を評価するため、非線形衝突解析を実施しました。解析結果に基づき改善することで、軽量化と強度向上を両立させた設計が可能になります。

F1 カーボンクラッシュボックスの挙動解析

フォーミュラ1カーのカーボン製クラッシュボックスの衝突時の挙動を解析しました。複合材であるカーボンの複雑な材料特性や、高速衝突時の破壊挙動を正確に予測することで、より安全なクラッシュボックスの開発を支援しました。

鉄道車両シートの最適化

鉄道車両の座席構造に対し、非線形解析を用いた強度評価と軽量化のための最適化を実施しました。列車座席の設計・デザイン・試作品製作までをGRMで手掛けました。設計段階で非線形解析を活用することで、前方衝突試験を1回のテストでクリア。開発にかかる時間を最小限に抑え、6ヶ月で開発を完了させました。

接着剤の材料同定

接着剤の非線形な材料特性を実験と解析によって同定しました。実験データと解析結果を比較することで、接着剤の挙動を正確に予測するための材料モデルを構築し、製品の耐久性評価に貢献しました。

レーシング用ヨットの開発

アメリカズカップに出場するレーシングヨットの船体を、FSI解析（流体構造連成解析）を用いて開発しました。水との相互作用を精密に解析し、船体のモデリングを行いました。その後、非線形材料の特性を理解したうえで、船体の設計をさらに改善していきました。その結果、波や風などの過酷な海洋環境においても高い性能を維持できる強靭な船体作りを実現しました。

GRM Consulting株式会社について

GRM Consultingは、イギリス発祥の解析コンサルティング企業です。高度なCAE（Computer Aided Engineering）技術を駆使し、自動車産業、レース産業をはじめ、医療産業、鉄道産業、航空宇宙産業など、幅広い産業分野のお客様に対し、製品開発、設計、最適化に関するコンサルティングサービスを提供してまいりました。日本でも多数の開発プロジェクトに参加しています。



非線形解析においては、20年以上の経験と実績を有しており、お客様の様々な課題解決を支援しています。受託解析、コンサルティング、ソフトウェアトレーニングを通じて、お客様の技術力向上、開発期間の短縮、コスト削減に貢献することを目指しています。

非線形解析に関するご相談やご依頼は、お気軽にお問い合わせください。お客様のニーズに最適なソリューションをご提案いたします。