半導体ウェハ洗浄工程における接触不良検知のための画像解析アルゴリズムの活用
目視では捉えきれない洗浄ブラシの接触不良を画像解析で検知する次世代の状態監視
課題
洗浄ブラシの微小な接触不良は目視で判別しにくく、数十ユニットの全数監視も困難です。
解決策
接触時に生じる洗浄液の乱れや明るさの変化を、事前学習が不要な画像解析で捉えます。
期待効果
数十ユニットの監視業務の省力化と、洗浄不良の流出リスク低減が期待できます。
半導体ウェハ洗浄の接触状態監視
半導体ウェハの洗浄工程は、回路を形成する前の円盤状ウェハを洗浄し、表面の異物を取り除く前工程です。1台の洗浄設備で複数のウェハを同時に処理し、工場全体では数十ユニットが並行して稼働します。洗浄方式はウェハや工程の種類に応じてブラシ洗浄やジェット洗浄など複数があり、洗浄レシピ(処理プログラム)によって動作が細かく切り替わります。
このアプリケーションでは、洗浄ブラシがウェハに正しく接触しているか、洗浄液が適切に出ているかといった洗浄状態を、カメラ映像から常時監視します。半導体製造はクリーンルーム内で行われ、設備内に追加のセンサーを設置することが難しいため、設備の外側に置いたカメラの映像をもとに洗浄状態を捉える方法が求められます。

ウェハ洗浄工程における課題
半導体製造において、洗浄工程はウェハ表面の異物を取り除き、後工程の品質を支える基盤的な工程です。洗浄が不十分なまま後工程へ流れると不良につながりますが、こうした不良は最終工程まで顕在化しにくく、損害が大きくなりやすいため、洗浄状態を工程内で確実に把握することが品質管理上の課題となります。
微小な接触不良の検出困難
洗浄ブラシの接触不良はわずか数mmの差にとどまり、外観上は正常に洗浄しているように見えるため、目視での判別が極めて困難です。
全数監視の難しさ
1つの工場で数十のユニットが並行して稼働するため、作業員による定期的な見回りでは全数を確認しきれません。クリーンルーム内では設備に追加のセンサーを設置することも難しく、人手と既存の設備だけで常時の全数監視を行うことには限界があります。
従来手法での学習の難しさ
洗浄レシピは対象や工程に応じて切り替わり、動作のパターンが多岐にわたります。正常時のパターンを事前にすべて学習させることは現実的でなく、教師データに依存する従来のAIでは多様な洗浄状態に対応しきれない面がありました。
画像解析アルゴリズム Human Sense AIによる解決
接触の変化を捉える解析
Human Sense AIは、人が目で見て脳で判断するプロセスをベースとした、独自開発の画像解析アルゴリズムです。ウェハ洗浄の監視では、ブラシの高さそのものではなく、接触時に生じる洗浄液の乱れやブラシ先端の明るさの変化を捉えます。直接は見えにくい微小な接触不良も、接触に伴って現れる変化を手がかりに検出します。
事前学習が不要な検出方式
大量の正常時画像を事前に学習させる必要はありません。時間軸上で一定間隔に撮影された複数の画像を比較し、その差分や変化のパターンから異常を検出します。これにより、ブラシ洗浄やジェット洗浄など洗浄方式が切り替わっても、レシピごとに学習をやり直すことなく柔軟に対応できます。
既存環境を活かした監視
高価なGPUや専用のハードウェアを追加する必要はなく、一般的なPCで高速に処理できます。設備の外側に設置したカメラの映像をもとに解析するため、クリーンルーム内の設備構成を変えずに洗浄状態を監視できます。輪郭を捉えるエッジ検出や、照明環境の変化に対応する明るさの解析など、開発済みの解析技術を監視対象に合わせて組み合わせます。
Human Sense AI活用による期待効果
Human Sense AIを活用することで、以下の効果が期待できます。
監視業務の省力化
数十ユニットを一括で自動監視できるようになるため、定期的な見回りや目視確認にかかる負担の軽減が期待できます。常時の自動監視によって、全数チェックに近い運用へ近づけられる点も見込まれます。
洗浄不良の流出防止
洗浄不良を工程内で早期に検出できるようになることで、不良が最終工程まで流出するリスクの低減が期待できます。後工程での手戻りや損害の抑制にもつながると見込まれます。
判定基準の安定化
洗浄状態を画像解析により一定の基準で判定するため、監視員ごとの判断のばらつきを抑え、品質管理基準の安定化が期待できます。多様な洗浄方式にも同じ仕組みで対応できる点も見込まれます。
関連製品・サービス
Human Sense AI 独自開発の画像解析アルゴリズム
近年、画像解析技術は急速に進化していますが、従来のAIは膨大な教師データを必要とし、未知の異常に対応が難しいという課題がありました。
フォージビジョン株式会社が開発した Human Sense AI は、この課題を克服する革新的な技術です。
従来のAIとの違いや、具体的な応用事例についてご紹介します。