高効率な熱交換器・冷却部品の設計のための3Dプリンター向けモデリングソフトウェア
限られたスペースで熱を効率よく逃がす、高効率な熱交換器・冷却部品の設計
課題
従来工法では複雑な冷却構造を作り込むのが難しく、熱が機器の性能やサイズの制約になります。
解決策
表面積の大きなラティス構造や形状に沿った冷却流路を、解析と連動させて効率よく設計できます。
期待効果
熱伝達性能の向上と小型軽量化を両立し、機器の動作温度の低減が期待できます。
高性能な熱交換器・冷却部品の設計
熱交換器や冷却部品の設計は、電子機器や電気自動車のパワーエレクトロニクス、航空宇宙分野の発電機など、発熱をともなう機器の性能を支える重要な工程です。これらの部品には、発生した熱を効率よく移動させ、機器を適切な温度に保つ役割があります。
熱交換器や冷却流路の設計では、熱伝達性能の向上、流体が通る際の圧力損失の低減、部品の小型軽量化という複数の目標を同時に追求します。内部の流路や放熱構造の形状をどう設計するかが、機器全体の熱性能を決める要素となります。

熱設計における課題
熱が性能とサイズを制約する
発熱をともなう機器では、熱をどれだけ効率よく逃がせるかが、出力やサイズの上限を左右します。特に電気機械では、熱管理がサイズを制約する主要な要因のひとつとされ、冷却性能を高められれば、その分だけ出力を引き上げる余地が生まれます。
複雑な冷却構造の製造の難しさ
熱伝達性能を高めるには、部品形状に沿った3次元的な冷却流路や、表面積の大きな内部構造が効果的です。しかし機械加工や鋳造など従来の製造方法では、このような複雑な形状を作り込むことが難しく、熱設計で描いた理想的な構造を実際の部品に落とし込みにくいという制約があります。
3Dプリンター向けモデリングソフトウェア nTopによる解決
ラティス構造による熱交換器の設計
熱交換器や冷却部品では、限られた体積のなかで熱をやり取りする表面積をいかに大きく確保するかが性能を左右します。なかでも、TPMS(三重周期極小曲面)の一種であるジャイロイド構造は、体積あたりの表面積が大きく、熱交換に適した三次元構造として知られています。nTopは陰関数モデリング(インプリシットモデリング)を採用しており、従来のCADでは扱いにくかった複雑なラティス構造も素早く生成し、太さや密度を変化させながら自由に編集できます。
形状に沿う冷却流路の設計
冷却の効率を高めるには、発熱する部分に沿って冷却流体を通す、部品形状に沿った流路(コンフォーマル冷却流路)が有効です。従来の機械加工では作りにくかった曲面に沿う複雑な流路も、nTopでは部品内部に直接作り込めるため、熱が集中する箇所を狙って効率よく冷却できます。
解析と連動した形状の制御
熱交換器の性能は、内部の流れや温度分布に大きく左右されます。nTopのフィールドドリブン設計では、解析で得られた温度分布や流れ場のデータに応じて、ラティスの厚さや密度、流れを導くガイドの位置や向きを直接制御できます。また、nTop内の熱解析に加えて市販のCFDツールの結果も組み合わせて検証できるため、既存の設計・解析ツールと連携させながら冷却構造を作り込めます。

nTop活用による期待効果
熱伝達性能の向上と小型軽量化
熱交換に適したラティス構造や最適化した流路により、限られたスペースでも高い熱伝達性能と小型軽量化を両立できます。電気レースカー用の液冷コールドプレートの事例では、約25%軽量化しつつ熱伝達表面積を約3倍に高めた例があります。空冷エンジン部品の事例では、放熱フィンをラティス構造に置き換え、同等の性能を保ちながら約50%の小型化につなげた例もあります。

動作温度の低減
冷却構造を作り込むことで、機器の動作温度を効果的に下げられます。産業用カメラ筐体の事例では動作温度を約24%下げ、24時間を超える連続稼働につなげた例があります。小型ターボ発電機ハウジングの事例では、コンフォーマル冷却流路により最高温度を約33%、外面温度を約86%低減し、外面に触れられる水準まで下げた例もあります。

設計プロセスの効率化
解析結果と連動して冷却構造のパラメータを制御できるため、設計と検証を繰り返す負担を減らせます。また、一度構築した設計ワークフローは他のモデルにも再利用でき、繰り返し作業の削減と設計期間の短縮が見込めます。
関連製品・サービス
nTop
nTop(旧nTopology)は、3Dプリンター向けの先進的なモデリングソフトウェアです。
従来のCADソフトでは困難だった複雑なラティス形状、表面テクスチャやトポロジー最適化した形状を容易に作成できる点に大きな特徴があります。
航空宇宙、自動車、工業デザイン、医療、消費者製品など幅広い産業分野で活用されており、製品開発/設計の迅速化、品質向上、コスト削減などのメリットをもたらします。
3Dプリンターの特性を最大限に活かした設計を可能にし、自由度の高い形状を作成することができます。