レーザー光を利用して様々な素材を加工する「レーザー加工機」。レーザー光を照射することで素材を切断・穴あけ・溶接・彫刻することが可能です。
そこで今回は、レーザー加工機についての基本知識、代表的な種類、そしてレーザー加工ならではのメリット・効果についてご紹介いたします。おすすめの製品も併せてご紹介しますので、レーザー加工機の導入を検討されている企業様はぜひ参考にしてみてください。
レーザー加工機は、レーザーの熱を利用して様々な素材を彫刻や裁断できる機械です。木材・アクリル板・皮革・生地など、多岐にわたる素材を加工することができます。一般的には企業が製品や部品を加工するために活用することが多いですが、個人がDIYで使う場合もあります。レーザー加工機は広範囲にわたる分野で活躍しており、多様な用途に適しています。
「レーザーカッター」という呼び名は、一般的に「レーザー加工機」と同じくらい頻繁に使用されます。この名称には「カッター」という言葉が含まれているため、カット専用の機械と思われることがありますが、実際には彫刻も可能な機種が多数存在しており、「レーザー加工機」とほぼ同じと考えて良いでしょう。
ただし、レーザーカッターの中には、カット専用として販売されているものも存在するため、機種を導入する前に、加工可能な素材や範囲について十分に確認することが重要です。
「レーザーカッター」と同様に、レーザーの名の付く機器が多数存在します。例えば、その他には「レーザー切断機」「レーザー彫刻機」「レーザー刻印機」「レーザーマーカー」などが含まれますが、レーザー加工機はこれらの総称として位置付けることができるでしょう。
その種類によって加工できる内容や用途に違いはありますが、レーザー光線を使用して材料を加工するという点において、レーザー加工機の様々なタイプには共通する特徴があると言えます。
レーザー加工機の代表的な種類として、CO2レーザー加工機・YAGレーザー加工機・ファイバーレーザー加工機についてご紹介いたします。
CO2レーザーは数W~数百Wの出力を持ち、溶接、切断、彫刻などに使用されます。自動車のフレームから電子部品まで、幅広い分野で利用され、厚いアクリル板や木材などの切断、石材や皮革への彫刻、紙や布地の裁断などにも使われます。また、出力波長の10.6μmはガラスを含む多くの素材に吸収されるため、ガラス加工も可能です。価格も手頃で、他のレーザーに比べても利用できる素材が多いため、最も一般的なレーザー加工機の一つとなっています。
YAGレーザーは、イットリウム(Yttrium)・アルミニウム(Aluminium)・ガーネット(Garnet)の頭文字から名づけられており、これらの元素を使用してレーザー光を生成します。
YAGレーザーはマーキングや彫刻に最適であり、また、溶接にも使用されます。特筆すべきは、熱による歪みや変形が少ないという点です。
しかし、CO2レーザーと比較すると、導入コストやランニングコストが高くなるため、市場シェアはやや低くなっています。
ファイバーレーザーは、光ファイバーを媒質に使用した固体レーザーです。この技術により、銅やアルミニウムなど、溶接が難しい素材でも熱をピンポイントで加えて溶かすことができます。3種類のレーザー加工機の中で最も新しく開発されたもので、CO2レーザー加工機の弱点を補うのが特徴です。
ファイバーレーザー加工機には、連続発振とパルス発振の2種類があります。前者は高出力で、切断や溶接に使用されることが多く、後者は低出力で、微細加工やマーキングに使用されます。加工機自体の価格は高めですが、レーザーガスが不要であり、エネルギー効率も良いため、運用コストを抑えることができます。
レーザー加工機を導入するメリット・効果についてご紹介します。
レーザー加工は、レーザーを用いて素材を加工する方法で、刃物を使用する場合に発生するような粉塵の発生やバリ・カエリの発生が抑えられるため、切断面が美しく仕上がります。また、素材に直接刃が触れる場合に起こり得る歪みやひび割れといった問題も、レーザー加工では最小限に抑えられるため、高品質な加工が可能です。
レーザー加工機は、レーザーの発振器系、加工工学系(集光系)、加工物質系(駆動系)の3つの要素で構成されています。これらの要素において、波長や出力、発振方式などのパラメータを自由に選択できるため、多様な加工が可能です。また、専用ソフトなどで図形データを取り込めば、形状に合わせた加工も容易に行えます。
材料を切断する方法には、レーザ加工以外にもプレス加工やタレパン加工がありますが、これらは打ち抜く形状の金型を準備する必要があります。一方、レーザー加工は金型を必要とせず、プログラムを作成すればすぐに加工が可能です。
レーザー加工機の選定においては、加工したい素材・W数・加工したいものの大きさに対応しているかという点が重要です。幅広い素材を加工したい場合は、CO2レーザーが適しています。金属を加工する場合はファイバーレーザーがおすすめで、細かい仕上げや薄い素材に対してはYAGレーザーを選ぶと良いでしょう。
W数は消費電力のことで、レーザー加工機のパワーに関わる要素です。厚みがある素材を切断する場合や深く彫刻をしたい場合は、大きなW数が必要になります。
また、加工したいものの大きさに対応しているかも重要なポイントです。レーザー加工機は対応サイズより大きいものを加工できないため、大きめの機種を導入したほうが安心ですが、大型の機種は設置場所を取るため、設置場所の広さや加工したいものの大きさに合わせて選ぶ必要があります。
レーザー業界のリーディングカンパニーであるトロテックは、レーザー加工機の最先端テクノロジーを研究し、加工技術の優れたレーザー加工機を製造開発しています。
直感的に操作できるユーザーインターフェースを持つRuby®というレーザーソフトウェアを使用しており、シームレスなワークフローを実現しています。また、集塵脱臭装置、保守プランパッケージ、テクニカルサービス、トレーニング、消耗品やスペアパーツなど、総合的なサービスも提供。トロテックのレーザー加工機は印刷業、製造業など幅広い産業で利用されており、高品質な加工と効率的な作業を可能にしています。