光コネクタは、光機器同士を接続するために必要な部品です。光通信によるシステム構築や、通信による計測などに重要な役割を持っています。光コネクタの種類によって、役割はそれぞれ異なります。
今回の記事では、光コネクタの特徴や種類、お手入れの方法について解説します。
光コネクタとは、光ファイバ同士を接続するための部品で、光通信のシステム構築や機器同士の通信においては欠かせません。
光通信をすることによって、計測やデータのやりとりを実現します。計測の多い測量の現場でも、実際に使用される場合があります。
光コネクタ同士の接続方法は、使用方法によって異なるのが特徴です。接続部分の強度を心配せずに、スムーズに使用ができます。
主な光コネクタには、SCコネクタ・光アクティブコネクタ・FCコネクタ・MA905コネクタの5種類があります。
それぞれのコネクタの特徴や用途について解説します。
SCコネクタは、数ある光コネクタの中でも一般的なタイプです。汎用性が高く、さまざまなシチュエーションで使用されています。パソコンやスマートフォン、タブレット端末などの接続にも対応しています。
SCコネクタは有線LANや公衆通信回線、ケーブルテレビのケーブルとして使用されることが多いコネクタです。接続部分は、プラスチックで保護されています。
光アクティブコネクタは、小型ながらもスペックの高いコネクタです。光ファイバのプラグ部分に、電気・光変換機能を搭載しています。
使用時の電力消費量も少なめで、高速伝送にも対応しているタイプもあります。
また、光アクティブコネクタは、内視鏡検査にも対応している高性能のコネクタでもあります。今後も、大量のデータ転送が必要とされる場面で使用が増えるでしょう。
FCコネクタは、接続部分のネジを締めて取り付けるタイプのコネクタです。ネジで固定できるため、あまり外れる心配せずに機器を使用できます。計測機器や光通信の機器などで、よく見られるタイプです。
接続部分が金属でできているため、多少の衝撃にも耐えられます。
MUコネクタは、NTTが開発した光コネクタです。接続部分はプッシュプル型になっていて、小型の高密度配列に対応。差込口が狭い機材でも、差し込みが簡単かつ安全にできる便利な部品です。
ただし、着脱をするには専用の器具を使う必要があります。一般的には、交換機同士の接続や構内配線に使用されています。
SMA905コネクタは、FCコネクタと同様にネジ締め式になっているコネクタです。大口径光ファイバによく採用されており、金属製で丈夫な作りになっています。
産業用レーザーや、軍用の光学分光計などの特殊な機材に使用されています。
光コネクタの品質に関する用語で、「接続損失」と「反射減衰量」は必ず使用します。光コネクタを比較するためには、この2つの言葉の意味を理解するのが大切です。
この章では、それぞれの用語の意味について解説します。
接続損失とは、相互接続した際に軸がずれて、入射した光が外部へ漏れてしまう損失です。値が小さければ小さいほど良いとされています。
なお、理想的な接続損失の量は、一般的には0db(デジベル)です。
反射減衰量とは、コアや隙間のズレによって生じる入射光の屈折率の変化です。コネクタ同士で入射光が反射すると、光源側に戻ってくる場合があります。
戻って来る光と入射する光のパワー比率から、反射減衰量が計算されます。戻り光は最小限にする必要があり、数値が大きいほど良いと言われています。
光コネクタのお手入れには、専用のクリーナーを使用します。光コネクタは露出が多く、汚れやすいため定期的なお手入れが非常に大切です。
光コネクタ専用のクリーナーを使用すれば、コアを傷つけたり汚れを付着させたりすることなく清掃ができます。
コネクタの種類によって、対応するクリーナーの性質は異なります。使用しているコネクタに対応した製品を選びましょう。
光コネクタは、MUコネクタやFCコネクタなどさまざまな種類が存在します。接続損失と反射減衰量によって、コネクタそのものの品質をチェックします。
使用用途や機材に合わせて、コネクタを選ぶことが大切です。定期的にクリーナーで清掃をしながら、光コネクタを長持ちさせましょう。