新型コロナウイルスの感染拡大を受け、不特定多数の人が出入りするオフィスや商業/公共施設、イベント会場などで体温測定を行う機会が増加しており、その需要に応えるためサーマルカメラが注目されています。サーマルカメラは、赤外線センサーによって人体の表面温度を非接触で計測し、発熱者を早期に判別することができます。また、導入が容易であり、小規模な事務所や店舗でも利用されています。
そこで今回は、サーマルカメラの仕組みや特徴、おすすめの関連製品について紹介します。
ポイント
・新型コロナウイルスの感染拡大影響により需要増加のサーマルカメラ
・サーマルカメラの代表的な種類は「固定型・ハンディ型」「オンプレミス型・クラウド型」に分類される
・サーマルカメラのおすすめ関連製品をご紹介
サーマルカメラとは、物体が放つ赤外線をセンサーで感知して温度を測定するカメラです。そのため、直接物に触れることなく温度を計測することが可能で、非接触かつカメラに捉えた範囲の体表面温度を感知できるため、空港や港湾などの広い場所でも採用され、発熱者を検出しパンデミックに対する水際対策に貢献しています。また、監視カメラや電力設備の点検など、様々な用途・場所で活用されています。
サーマルカメラは、物体が発する遠赤外線を検出して、その物体の温度を可視化するカメラです。地球上の物質はすべて遠赤外線を発しており、温度が高いほど強く、低いほど弱くなります。サーマルカメラには、この遠赤外線を検出するセンサーが搭載されています。センサーで物質から放射される遠赤外線を検出・分析し、強ければ(=温度が高ければ)映像・画像を赤く表示し、弱ければ青く表示する仕組みになっています。
一般的なカメラと異なり、光源が不要であるため暗闇でも撮影可能です。また、非接触かつリアルタイムに温度分布を把握できるため、建築や電気設備の点検や医療現場での発熱者のスクリーニングなどに活用されています。
サーマルカメラの特徴として、以下の3点をご紹介します。
サーマルカメラは、非接触で体表面温度を感知できるため、空港や駅などの広い場所でも採用され、発熱者を検出しパンデミックに対する水際対策に貢献しています。例えば、施設等の出入口に設置することで、入室前の対表面温度測定ができ、非接触一次検査が可能です。また、自動で30人/秒の測定ができるため、混雑する状況でも効率的に検出できます。これらの特徴から、サーマルカメラは感染症防止対策として注目されています。
物体が放つ遠赤外線を検知するため、光源が必要ないため暗闇での撮影が可能です。普通のカメラで撮影する場合、物体の撮影には「光源」が必要ですが、サーマルカメラは物体自らが持つ光を検知して撮影するため、条件に左右されずに安定した撮影をすることができます。また、サーマルカメラには特別なレンズが搭載されており、デバイスがビュー内のすべての異なるソースからの熱放射を検出できるようになっています。
非接触式であるため、人体や物体の温度が視覚化され、広範囲の温度を一気に測定できます。ただし、サーマルカメラを使用する際には、物体の放射率による誤差が無視できない場合もあります。そのため、利用する前に対象物の特徴を理解しておく必要があります。
サーマルカメラは、以下のように分類されます。
固定型とはカメラが設置された場所から動かないことを意味します。このタイプのサーマルカメラには多くの種類があり、用途に応じて選択可能です。その他、ハンディタイプのものや広角レンズを備えたものがあります。また、AI技術を搭載したものもあり、マスク越しでも認証をすることができます。
測定データの保管場所によって、サーマルカメラはオンプレミス型とクラウド型に分かれます。オンプレミス型は、企業が自社のサーバーを使用するシステムで、既存の設備を活用し、自社システムとの連携が自由にできるというメリットがありますが、運用・保守コストが高いというデメリットもあります。
一方、クラウド型は、クラウドサーバーを使用するシステムで、複数の拠点でのデータ共有が容易であり、運用・保守コストが低いというメリットがあります。ただし、セキュリティ面で問題が生じる可能性があるため、環境によっては注意が必要です。しかし、一部のサービスでは、サーマルカメラからアプリケーション、安全な接続環境までを提供することで、セキュリティを確保しています。
市場には、多種多様なタイプのサーマルカメラが販売されています。どのサーマルカメラを選べば良いのか、その選び方のポイントをご紹介します。
サーマルカメラによって、検温できる距離・範囲や人数に差があります。多くの人が通行する場所では、広範囲のものや、複数人を一度に検温できるタイプが適しています。
検温スピードも重要です。検温スピードが遅いと、待機列ができてしまい、入場者のストレスや時間のロスにつながります。多数の人が通過する入口では、検温スピードの速いものを選ぶことが望ましいでしょう。
名前、温度、検温時間などを記録し、データ管理できるサーマルカメラも存在します。企業や工場などで、従業員の体温管理を行う場合は、この機能があるものを選ぶと良いでしょう。
温度が高い人を検知した場合に、アラート音が鳴る機能を「アラート機能」と言います。この機能があるサーマルカメラは、高温かどうかを音で確認できるため、利用者にとってメリットがあります。お客様向けの場合は、不快な気分を与えないようなアラート音が設定できるものを選びましょう。
現在、新型コロナウイルスの感染拡大を防止するため、マスク着用が重要視されています。サーマルカメラには、マスク着用を検出できるカメラもあり、この機能がある場合、体温とマスク着用の両方を同時にチェックできます。コロナ対策を強化したい場合は、この機能があるものを選ぶと良いでしょう。
製品名 | 特徴 |
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水素火炎可視化装置(携帯型) | 眼に見えない水素火炎の形状や領域を近赤外光により可視化する携帯型の装置です |
遠赤外線レンズ(LWIR) | 遠赤外線カメラ用に開発された拡大レンズです。 |
非接触型検温器_コロナ感染予防/健康管理機器 | 機能重視・コスト重視の2種類からお選びいただける非接触検温器 |
水素火炎は人間の目に見える可視領域の発光が殆ど無く,眼に見えません。しかし,可視域外の近赤外領域に発光があるため,この光を選択して捉え,熱画像や可視画像と組合わせることで水素火炎を可視化を可能にしたシステムです。
一般的なカメラとの違いは、ヒト・モノが発している熱を検知して、温度差を映像化できることです。
その特性を活かし、遠赤外線レンズは警備・防衛、品質管理、観察研究、リモートセンシング、非破壊検査・測定など幅広い分野で応用されています。
非接触型検温器は、瞬時に検温を行うことができ、非接触・無人での検温が可能となっております。感染リスク軽減や人材コスト削減に是非お役立て下さい。機能重視orコスト重視、2種類の検温器からお選びいただけます。
【機能重視】非接触タブレット型検温器『Quick Hygiene Terminal(クイックハイジーンターミナル)』
【コスト重視】非接触キューブ型検温器『dotCube(ドットキューブ)』
今回はサーマルカメラについてご紹介しました。サーマルカメラの仕組みや特徴について、サーマルカメラの代表的な種類として「固定型・ハンディ型」「オンプレス型・クラウド型」について、そして、最適なサーマルカメラを選ぶためのポイントについて、それぞれご紹介しています。
evortでは、サーマルカメラに関連するおすすめ製品を掲載していますので、ぜひ一度ご覧になってみてください。