船舶部品向けエアリークテスター|油圧機器から航法機器までの量産・整備検査
海上での故障予防と規制適合を支える船舶部品の高精度なリーク・フロー試験
課題
船舶部品は海上故障時の修理が困難で、出荷前の高精度な気密性確保が要求されます。
解決策
差圧式・トレーサーガス等の複数手法を組み合わせ、機械系から電子系まで一貫して検査します。
期待効果
海上故障の予防と規制適合を、製造工程での全数試験で支えることが期待できます。
船舶部品の量産・整備のリーク試験
ATEQのエアリークテスターは、商用船・オフショアプラットフォームを構成する船舶部品について、製造段階と整備・改修工程の双方で気密性とフローを保証する用途で活用されます。対象は機械・油圧部品から電子・航法機器まで多岐にわたり、燃料系、油圧アクチュエータ、冷却回路、バルブ、ポンプ、コネクタ、圧力ハウジング、防水筐体に加え、Class A/BのAISトランスポンダー、レーダー、GPS受信機、船舶カメラ、アンテナ、通信ユニットなどが含まれます。
試験には差圧減衰方式、フロー測定、トレーサーガス検出といった精密な手法が用いられ、目視点検では確認できない微小欠陥の検出と、塩水・振動・腐食といった海事環境下での性能維持を支えます。機械・油圧系の部品から電子・航法機器まで、部品の特性と工程に応じて手法を選択することで、船舶部品全体の品質を担保します。

船舶部品の品質保証における課題
海事業界では、商用船・オフショアプラットフォーム向け部品に対し、機械・油圧・電子の全領域で気密性と動作安定性、規格適合性が求められます。船舶は支援インフラから離れた環境で長時間運用されるため、製造段階での試験品質が海上での信頼性に直結します。加えて、海事業界では電動化・自律航行・デジタル化・環境規制の強化といった変化が進んでおり、非破壊・高精度な試験への要求が高まっています。
海上での故障の影響と修理困難性
燃料ラインや冷却ループ、バルブ、ポンプ、電子筐体などで漏れが生じると、機器の停止や推進力の喪失、安全に関わる事故につながる可能性があります。船舶は支援インフラから遠い環境で運用されるため、故障後の修理よりも、製造段階での予防のほうが現実的な対応となります。
過酷な海事環境下での部品の信頼性確保
船舶部品は、塩水噴霧、湿気、温度変化、振動、圧力変動といった過酷な環境にさらされ続けます。これらの条件は腐食やシール劣化を通じて気密性を低下させる要因となるため、出荷時点で実環境を想定した試験品質が確保されている必要があります。
規制環境の強化と業界の変化
排出ガス、燃料系統、流体管理、環境保護に関する規制が世界的に強化される中、各部品の気密性とシステム健全性が船舶認証や運用許可の前提となっています。同時に、電動化や水素燃料電池の活用といったゼロエミッション化の動きが進み、新たな試験対象への対応が業界課題となっています。
ATEQのエアリークテスターによる解決
船舶部品向け製品ラインナップ
ATEQは、船舶部品の試験向けに差圧式エアリークテスターのF620、大容量ワーク対応の差圧式モデルF670LV、ヘリウム/水素スニファーのHx-490S、ポータブル型ヘリウム/水素リーク検出器のMS-40GTを揃えています。検査対象や工程に応じて、複数の試験方式を組み合わせて活用できます。
船舶部品における主な検査対象と試験のポイント
| 船舶用エンジン・ギアボックス | わずかなオイル漏れ・冷却水漏れでも、性能低下や摩耗の加速、燃料・保守コストの増加を招きます |
|---|---|
| バルブ | 冷却・バラスト・ビルジ・燃料・消火の各系統で、圧力・振動・腐食にさらされながら気密シールを維持する必要があります |
| 熱交換器・オイルクーラー | 漏れ箇所を早期に特定することで、海水の混入を防ぎ機関室の効率を守ります |
| ソナー・航法システム | レドーム、トランスデューサー筐体、センサー筐体の防水性を差圧減衰方式で確認します |
| 水中探査機器 | ROV、潜水艇、観測機器について、深海の高圧下で水密シールが保たれることを確認します |
| ダイビング器材 | 筐体や呼吸装置のシール健全性を、深度変化を想定して検証します |
| 電気推進システム | ポッドドライブ、スラスター、モーターコントローラーで、浸水による短絡・腐食を防ぐIP等級のシールが求められます |
| VHF・AISトランスデューサー | 浸水は信号劣化・腐食・通信障害を招くため、海上安全と船舶識別を支える高いIP等級が要求されます |
F620の差圧式による高精度な気密検査
主力モデルである差圧式エアリークテスターF620は、マスターワークを用いた差圧測定方式により、周囲圧や温度の変動をテストワークとマスターワークの双方で相殺します。テストワークで生じたリークだけが圧力変化として検出されるため、テスト圧の高さに測定精度が左右されません。
測定精度は±(測定値×1%+1Pa)、フルスケールは±500Paを標準としており、燃料系、バルブ、油圧アクチュエータ、防水筐体といった多様な部品の量産検査・整備検査に対応します。
電気推進・大容量ワークへの対応
船舶業界では、電気推進システム用のバッテリーパックや大型の防水筐体など、容量が大きく変形しやすい部品の検査も求められます。ATEQの大容量ワーク対応差圧式モデルF670LVは、こうしたワークに対し、ATEQ独自のDNC(差圧ノイズキャンセリング)機能と組み合わせることで、0.1Pa/sec以下の圧力降下(1秒間に1/100mm水柱に相当する変動)を検出できます。電気推進船のバッテリーハウジングや充電ポート、HV部品の試験に活用できます。
トレーサーガスによる微小リーク検出
Hx-490Sはヘリウムまたは水素を検出するスニファー型のリーク検出器で、製造ラインや整備現場でのリーク箇所特定に活用できます。差圧式で合否を判定したうえで、不合格品の漏れ発生位置を特定する用途に対応します。
MS-40GTはヘリウム/水素対応のポータブル型検出器で、設置後の試験や保守・整備時の点検といった可搬性が必要な場面で運用できます。船舶向けの水素システム検査においても、水素そのものをトレーサーガスとして用いる検出方式が活用でき、燃料電池スタックや水素貯蔵モジュールの試験に対応します。
ATEQの実績と海事業界向けサポート
ATEQはエアリークテスター分野で長年にわたる開発・供給の実績を持ち、世界40カ国、5,000社以上で活用されています。世界15拠点にISO 17025の校正ラボを展開しており、商用船・オフショアプラットフォームの製造メーカーに対し、海外拠点を含む校正・保守サポートと、規制対応の文書化を提供します。
ATEQのエアリークテスター活用による期待効果
ATEQのエアリークテスターを船舶部品の量産・整備工程に活用することで、以下の効果が期待できます。
船舶部品全体への高精度試験の標準化
差圧式のF620、大容量対応のF670LV、トレーサーガス検出のHx-490S、ポータブル機のMS-40GTを部品特性と工程に応じて使い分けることで、機械系から電子系まで広い範囲の船舶部品に対し、検査品質の標準化と工程対応の柔軟性向上が見込まれます。
電気推進船・水素船への対応
F670LVのDNC機能による大容量バッテリーパック検査と、トレーサーガス検出器による水素システム検査を組み合わせることで、ゼロエミッション化に向けたグリーン船舶分野での試験対応が見込まれます。電気推進・水素燃料電池のいずれの試験要求にも、同一サプライヤーの製品系列で対応できます。
規制適合と海上故障予防の両立
高精度な差圧式検査による出荷前の全数試験と、トレーサーガスによる微小リーク箇所の特定を組み合わせることで、IMO・SOLAS・MARPOLをはじめとする規制が求める気密性とシステム健全性を、製造工程で実証できる見込みです。これにより、海上での故障予防と認証取得・運用許可の双方が支えられます。
関連製品・サービス
ATEQ エアリークテスター | 世界トップシェアメーカー
ATEQのエアリークテスターは、多機能で卓越した測定精度を備え、世界中のさまざまな課題に対応できる製品です。自動車、医療、電子機器、航空機など、多岐にわたる分野で高精度なエアリーク(空気漏れ)検出を実現しています。
ATEQは世界トップシェアを持つエアリークテスターのメーカーとして、グローバルな市場で高い評価を受けています。その技術力と信頼性により、世界各国の多くの企業に選ばれ、品質管理の向上に貢献しています。