医療機器製造における患者安全と規制適合のためのエアリークテスターの活用
機器特性に応じた非破壊検査による医療機器の品質保証と規制適合の両立
課題
医療機器の気密不良は患者安全と規制適合に直結し、量産での非破壊検査体制が求められます。
解決策
差圧式・真空減衰式・マスフロー・トレーサーガスを機器特性に応じて使い分けます。
期待効果
機器特性に応じた非破壊検査による患者安全と規制適合の両立が見込まれます。
医療機器製造の非破壊リーク試験
ATEQのエアリークテスターは、医療機器の機器本体および滅菌バリア包装の完全性を、出荷前の品質管理工程で非破壊的に検証する用途で活用されます。
検査対象は、カテーテル・マルチルーメンチューブ、血液バッグ・流体バッグ、バルーン・リザーバ、バルブ・コネクタ・ストップコック、インプラント・単回使用機器、人工呼吸器・呼吸器具、密閉ハウジング・組立品、滅菌包装(ブリスター、パウチ、トレイ、サシェ)に及びます。
医療機器は流体・気体・密閉容積を内包する構造であり、また滅菌包装の形で供給される場合も多いため、機器の気密性と滅菌バリアの完全性の保証が品質管理上の前提条件となります。非破壊検査によって機器を損傷せずに試験を行えるため、全数検査・完全なトレーサビリティ・スクラップ削減が可能になります。

医療機器の品質保証における課題
医療機器分野では、機器の気密性と滅菌バリア包装の完全性が患者安全に直結します。性能・滅菌性・規制適合のいずれも、検証可能な検査プロセスを通じて担保することが品質保証の前提となります。
機器内容物と滅菌性の保証
医療機器は流体・気体・密閉容積を内包する構造をもち、機器本体の気密低下は内容物の漏れや性能低下に直結します。また、滅菌バリア包装の完全性が損なわれた場合は機器の滅菌性が失われ、患者安全リスクの原因となります。
医療規格・規制への適合
医療機器製造には、ISO 13485、ISO 11607、ISO 14971、EU MDRといった規格・規制への適合が求められます。リーク試験は、再現性と試験結果のトレーサビリティを伴う検証プロセスとして実施される必要があります。
出荷前検査とトレーサビリティの確保
医療機器の品質管理では、出荷前の検査と検査結果のトレーサビリティ確保が品質保証上の前提となります。破壊試験では試験対象が損傷するため全数の出荷前検査と両立できず、機器を損傷せずに試験できる非破壊検査が必要となります。
ATEQのエアリークテスターによる解決
機器特性に応じた製品ラインナップ
ATEQは、医療機器向けの非破壊試験ソリューションとして、差圧式エアリークテスターのF620/F28+、フローテスターのD620、トレーサーガス検出器のHe-490S、電気テスターのIONIQ20を提供しています。これらは機器設計・素材・内部容積・目標リーク率・生産制約に応じて選択・組み合わせることが可能です。
差圧式による機器気密試験
差圧式リーク試験(Pressure Decay)は、非多孔性医療機器に広く用いられる試験方式で、カテーテル・チューブ、バルブ、流体リザーバなどに適用できます。機器を圧縮空気で加圧し、所定時間後の圧力減衰を測定することで漏れの有無を判定します。
差圧式の主力モデルであるF620は、マスターワークを用いた差圧測定方式により、周囲圧や温度変動の影響をテストワークとマスターワークの双方で相殺し、テストワーク側のリークのみを圧力センサーの応答として捉えます。測定精度は±(測定値×1%+1Pa)、フルスケールは±500 Paを標準とします。
真空減衰式による滅菌バリア完全性検証
真空減衰式リーク試験(Vacuum Decay)は、滅菌バリア包装の完全性検証における基準試験法(Reference Method)として位置づけられる試験方式です。包装された製品を真空チャンバー内に置き、内部圧の上昇を計測することで滅菌バリアのリークを検出します。
非破壊・小リーク高感度・量産インライン適合といった特性をもち、ASTM F2338およびISO 11607に対応する試験方式です。ブリスター、パウチ、トレイ、サシェなどの滅菌包装の検査に活用できます。
マスフロー方式とトレーサーガス検出
マスフロー式リーク試験(Mass Flow)は、設定圧を維持するために必要なエア流量を計測することで漏れを判定する方式です。フローテスターのD620は高速サイクル・高い再現性が特長で、量産医療機器の工程モニタリングや高スループット生産での検査に適しています。
トレーサーガスリーク検出(Tracer Gas)は、ヘリウムまたは水素・窒素混合ガスを用いた高感度な検出方式です。He-490Sは、従来のエア式では検出困難な極小リーク領域までカバーし、複雑な組立品、内部容積の極端に小さい機器、植込み機器のクリティカルな微小リーク検出に適用できます。
規格適合のためのバリデーション
医療機器製造ではISO 13485が要求する管理された検証プロセスへの整合が求められます。ATEQのリークテスターは、IQ(据付時適格性確認)/OQ(運転時適格性確認)/PQ(性能適格性確認)に対応し、試験結果の完全なトレーサビリティを確保できます。
ATEQのエアリークテスター活用による期待効果
ATEQのエアリークテスターを医療機器の品質保証工程に活用することで、以下の効果が期待できます。
患者安全と規制適合の両立
機器本体の気密試験と滅菌バリア包装の完全性検証を非破壊で実施することで、機器の内容物と滅菌性の維持、およびISO 13485、ISO 11607、ISO 14971、EU MDRなど医療規格・規制への適合の両立が見込まれます。
全数検査とトレーサビリティの確保
非破壊試験技術により、機器を損傷せずに全数検査と完全なトレーサビリティを確保しやすくなります。IQ/OQ/PQによる検証手順への対応により、規格が求める管理された検査プロセスとの整合性も担保されます。
リコールリスクの低減
精度と再現性の高い検査により、市場流通後の機器不具合に起因するリコール・回収リスクの低減が期待できます。出荷前段階での早期不良検出は、廃棄ロスの低減や生産コスト削減にもつながります。
関連製品・サービス
ATEQ エアリークテスター | 世界トップシェアメーカー
ATEQのエアリークテスターは、多機能で卓越した測定精度を備え、世界中のさまざまな課題に対応できる製品です。自動車、医療、電子機器、航空機など、多岐にわたる分野で高精度なエアリーク(空気漏れ)検出を実現しています。
ATEQは世界トップシェアを持つエアリークテスターのメーカーとして、グローバルな市場で高い評価を受けています。その技術力と信頼性により、世界各国の多くの企業に選ばれ、品質管理の向上に貢献しています。