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業務用棚

工場棚の選び方|作業効率と安全性を両立する棚の種類と導入ポイント

工場棚とは、製造現場や作業場で使用される業務用の収納棚です。工具や部品、材料、完成品などを効率的に保管・整理するために欠かせない設備ですが、「どの棚を選べばよいかわからない」「スペースを有効活用できていない」という課題を抱える現場は少なくありません。この記事では、工場棚の種類から選び方のポイント、安全対策、スペースを最大限に活用するレイアウトの考え方まで、現場担当者が押さえておくべき情報を解説します。

工場棚の主な種類と特徴

工場で使用される棚には複数の種類があり、保管物や用途に応じて使い分けることが重要です。

スチールラック(中量ラック・軽中量ラック)

工場で最も広く使用されている棚です。スチール素材で作られており、頑丈で耐久性に優れています。棚板の高さを自由に調整できるため、保管物のサイズに合わせた柔軟なレイアウトが可能です。

中量ラックは、工具や機械部品などの金属製重量物が多い工場・作業場で特に活用されています。組み立てが比較的簡単で、レイアウト変更や増設にも柔軟に対応できる点が特徴です。

パーツキャビネット・整理棚

ネジ、ボルト、小型部品などの小物を分類・保管するための棚です。引き出し式や透明ボックス付きのタイプがあり、中身を一目で確認できるため、部品の取り間違いを防止できます。
工場内での組立作業や、使用頻度の高い部品の集中管理に適しています。仕切り板を活用すれば、さらに細かく分類することも可能です。

ツールワゴン(移動式棚)

キャスター付きで移動が可能な棚です。工具や部品を載せて作業場所まで運搬でき、生産ラインの近くに必要な物を配置する際に便利です。棚板のサイズや段数、耐荷重によって多様なバリエーションがあります。

コンテナラック

コンテナ(収納ボックス)を棚に収納するタイプのラックです。コンテナを取り出して持ち運べるため、部品のピッキング作業や、色分けによる分類管理に適しています。

工場棚を選ぶ際の3つのポイント

1. 保管物のサイズと棚のサイズ

保管する物のサイズに合った棚を選ぶことで、スペースを無駄なく活用できます。確認すべき項目は以下の通りです。
棚板の幅・奥行き:保管物が収まるか
棚板間の高さ:保管物の高さに対応できるか
棚全体の高さ:設置場所の天井高に収まるか
棚板の調整ピッチ:細かい高さ調整が必要か
多くのスチールラックは、棚板の高さを25〜50mmピッチで調整可能です。保管物のサイズが変わった際にも柔軟に対応できます。

2. 組み立て方法と設置のしやすさ

工場棚の組み立て方法は主に2種類あります。
ボルト固定式 支柱と棚板をボルトで固定するタイプです。ねじれに強く堅牢な構造ですが、組み立てに時間がかかります。
ボルトレス式 ボルトを使用せず、ハンマー1本で組み立てられるタイプです。組み立て時間が短く、棚板の高さ変更も容易に行えます。レイアウト変更が多い現場に適しています。
大量導入する場合や、レイアウト変更の頻度が高い現場では、ボルトレス式の方が作業効率の面で有利です。

3. 連結・拡張のしやすさ

工場の規模拡大や保管物の増加に対応できるよう、連結・拡張のしやすさも確認しておきましょう。
多くのスチールラックは「単体」と「連結(増連)」タイプに分かれています。連結タイプは支柱を共有して隣の棚と接続できるため、省スペースかつ低コストで棚を増やせます。高さと奥行きが同じであれば、2連・3連と連結可能です。

工場棚で発生しやすい3つのスペースロス

工場棚を導入しても、配置や使い方が不適切だとスペースを有効活用できません。よく見られるスペースロスとその改善策を紹介します。

平面ロス

工場の床面積に対して、棚や物が置かれていないスペースが多い状態です。通路幅が必要以上に広い場合や、フォークリフトの通路を確保しすぎている場合に発生します。
改善策 通路幅を必要最小限に見直し、棚の台数を増やすことで保管効率を高められます。移動式ラック(レール上を移動できる棚)を導入すれば、通路を共有して床面積あたりの収納量を増やすことも可能です。

高さロス(上部空間ロス)

天井までの空間を活用できていない状態です。棚の高さが低い、または棚の上部に何も置いていない場合に発生します。

改善策 棚の高さを上げる、または棚の上部空間を活用できる昇降式の収納を導入することで、限られた床面積でも収納量を増やせます。ただし、高所の物を取り出す際の安全性には配慮が必要です。

山欠けロス

棚板のスペースを十分に活用できていない状態です。保管物の間に無駄な隙間がある、または長尺物を横置きにしているために空きスペースが生じているケースが該当します。
改善策 保管物のサイズに合わせて棚板の間口や段数を調整します。使用頻度の高い物をアクセスしやすい位置に配置し、使用頻度の低い物は奥や上部に配置することで、スペース効率と作業効率を両立できます。

工場棚の安全対策|転倒防止と落下防止

工場では、地震や衝突による棚の転倒・荷物の落下が重大な事故につながる可能性があります。特に製造設備や在庫を多く抱える現場では、従業員の安全確保と事業継続の観点から、棚の安全対策は必須です。

転倒防止対策

アンカーボルトによる床固定 コンクリート床にアンカーボルトを打ち込み、棚を固定する方法です。最も効果が高く、大きな地震でも転倒・移動を防ぐことができます。

転倒防止ベース 棚の支柱に取り付ける金具で、床との接地面積を広げて転倒リスクを軽減します。床に穴を開ける必要がなく、賃貸物件でも導入しやすい点がメリットです。

天つなぎ・棚同士の連結 複数の棚を天井付近で連結し、ひとつのブロックとして安定させる方法です。棚同士が支え合うことで、横揺れによる転倒を防止できます。

落下防止対策

落下防止バー 棚の前面に取り付けるバーで、保管物の飛び出しや落下を防ぎます。ワンタッチで開閉できるタイプなら、出し入れ作業への影響を最小限に抑えられます。

落下防止ベルト 棚板に取り付けるベルトで、荷物を固定します。バーが取り付けられない形状の棚にも対応でき、さまざまなサイズの棚に使用可能です。

レイアウトの工夫

棚の配置を工夫することも安全対策につながります。避難経路を塞がない位置に配置する、重い物は棚の下段に収納して重心を下げる、出入口付近に背の高い棚を置かないなど、万が一に備えた配慮が重要です。

工場棚のレイアウト|効率的な配置の考え方

棚の配置は、作業効率と保管効率のバランスを考えて設計する必要があります。

作業動線を意識した配置

入荷から出荷までの流れが一筆書きになるよう、棚を配置するのが理想です。使用頻度の高い部品や工具は、作業台や出入口に近い位置に配置することで、移動距離を短縮できます。

使用頻度による分類(ABC分析)

  • A(高頻度):アクセスしやすい手前・中段に配置
  • B(中頻度):通路から少し離れた位置に配置
  • C(低頻度):奥や高所に配置

保管効率と作業効率のバランス

保管効率だけを優先して棚を詰め込みすぎると、通路が狭くなり作業効率が低下します。一方、通路を広く取りすぎるとスペースが無駄になります。
保管物の出し入れ頻度に応じて、高頻度エリアは通路を広めに、低頻度エリアは通路を狭くするなど、メリハリをつけた設計が効果的です。

将来の変化への対応

生産品目の変更や物量の増減に備え、レイアウト変更がしやすい棚を選ぶことも重要です。ボルトレス式の棚や、移動式ラックを活用すれば、状況の変化に柔軟に対応できます。

部品・工具の整理整頓|5Sの視点から

工場棚を導入しても、整理整頓が維持できなければ効果は半減します。製造現場で推進される「5S活動」(整理・整頓・清掃・清潔・躾)の視点を取り入れることで、棚の効果を最大限に引き出せます。

定位置管理と形跡管理

工具や部品の「置き場所」を決め、誰でもすぐに見つけ、使用後は必ず戻せる仕組みを作ることが重要です。
形跡管理(姿置き)とは、工具の形に合わせて切り抜いた枠を用意し、その枠に工具を戻す管理方法です。工具がない状態が一目でわかるため、紛失防止や使用状況の把握に効果的です。

ラベリングと色分け

棚や収納ボックスにラベルを貼り、何がどこにあるかを明示します。色分けを併用すれば、カテゴリーや使用頻度による分類がさらに明確になります。

この記事のまとめ

  • 耐荷重は最優先で確認:保管物の重量に対して余裕を持った棚を選定し、均等積載を心がける
  • スペースロスを意識:平面・高さ・山欠けの3つのロスを把握し、棚のサイズや配置を最適化する
  • 安全対策は必須:転倒防止(床固定、天つなぎ、転倒防止ベース)と落下防止(バー、ベルト)を組み合わせる
  • 作業動線を考慮したレイアウト:使用頻度に応じた配置で、移動距離と作業時間を短縮する
  • 5Sの視点で運用:定位置管理・形跡管理・ラベリングで、整理整頓を維持し棚の効果を持続させる

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