ガラスフリットとは
ガラスフリットとは、ガラスを適度な大きさに粉砕した粉末ガラスのことです。
600℃以下程度の低温で軟化・変形・流動する、低融点ガラスのガラスフリットは、電子部品の接合、封着、被覆等の用途に、広く用いられています。 ガラスの組成を調整することにより、焼成時、軟化・流動した後、結晶化させることもでき、高い耐熱性や強度を発現させることもできます。
また、ガラスフリットを樹脂、溶媒などと混練し、ペースト状にしたものはガラスペーストとよばれ、印刷法などで基材に塗布することができ、シート状にしたものは、エレクトロニクス用の低温焼成基板にも使われています。
各種ガラスフリット・ペーストを提供
日本山村硝子ニューガラスカンパニーが提供する各種ガラスフリット・ペースト等の製品は、各種電子部品やセンサー自動車、太陽電池、燃料電池、LEDなど、さまざまな分野で利用され、私たちの快適で豊かな生活を支えています。
特に電子部品においては、MLCC / インダクタ / HIC / チップ抵抗などに使用されており、スマートフォンやパソコンなどの通信機器、家電、自動車、あらゆるものを構成するために、なくてはならない存在となっています。
持続可能な社会の実現を支えるガラス素材技術
各種電子部品・太陽電池
ガラスフリットは、電子部品や太陽電池セルを構成するセラミックスや電極の焼結助剤として使用されます。 使用されてるガラスフリットの粒度や組成は、電子部品や太陽電池の性能を大きく左右します。
真空封止技術
断熱やセンサー等の保護のために、製品や部品内部を真空にして使用されることがあります。真空を封止するためには、微量ガスを透過しない、部材との接着性が優れている、封止材料自体が劣化しない等の機能性が必要です。ガラスはそれらの特性を同時に満たす優れた材料で、様々な製品にご利用いただいています。
各種センサー
内燃機関や環境機器等で使用されるセンサーは、高温 / 高圧の環境下で正確に機能する必要があり、当社の耐熱・高強度封止ガラスは、外部環境から内部の電子部品や素子を保護する重要な役割を担います。
その他、ガスセンサーや測距センサー、照明部品の省エネ化に貢献する各種センサーでも、ガラス素材が使われています。
燃料電池(SOFC)
SOFC(Solid Oxide Fuel Cell)は、「固体酸化物形燃料電池」と呼ばれ、水素などの燃料と酸素の化学反応により電気を生成する発電機で、CO₂排出を大幅に削減するクリーンな発電システムとして利用されています。
SOFCは、一般的には多数のセルを積層して構成され、各セルは燃料と酸化剤を分離し、反応に使用しなかったガスを排出する役割を果たします。このセル間を連結し、反応ガスを外部に漏らさないよう気密封止を行うのがガラスの役割です。 SOFCは高温(700℃~)で稼働するため、封止部のガラス製品は、この高温でも劣化しないことが求められます。
ニューガラスカンパニーが提供する耐熱・高強度封止ガラスは、SOFCの稼働温度で安定した性能を維持し、長期間にわたる発電を可能にしています。
H2インフラ 燃料電池自動車 | SOEC
SOFCの逆反応(水を電気分解して水素を得る技術)を利用した固体酸化物形電解セル(SOEC:Solid Oxide Electrolysis Cell)が注目されています。 カーボンニュートラルをキーワードとする 2050年の世界に貢献する技術として注目される SOECには、前述のSOFCで培った気密封止技術の貢献が期待されています。
ガラスの性能を最大限に引き出す技術力
ガラスの持つ焼結 / 封止 / 接着 / 耐熱等の性能をいかにして引き出し、お客様ニーズにお応えするか。 当カンパニーは、その歴史的積み重ねを背景として、さまざまな用途での市場化経験を有しており、独自の技術とノウハウで、最適な製品・技術をスピーディーかつ的確にご提案することが可能です。
近年においては、電子部品の小型化やセンサー性能の高精度化、精密な環境システムの開発等が進んでおり、ガラスフリットやペーストの果たす役割はますます重要になっています。これらのトレンドを踏まえ、私たちは、ガラスが持つ封止接着性・耐熱性・絶縁性などの機能性を最大限に活かす、先端材料の開発に取り組んでいます。
ガラスフリット・ガラスペースト主要製品
低軟化点~高軟化点、低膨張~高膨張、幅広いラインナップでお客様のニーズにお応えいたします。
焼結助剤⽤ガラス / 封着・接着用ガラス
焼結助剤とは、各種セラミックスや金属の粉末を焼結成形する際に使用する添加剤で、焼結を促進し安定化させることで、セラミックスや金属粉末の製品の性能と信頼性を向上させ、生産効率を高める重要な役割を果たしています。
①セラミックス粉末の焼結助剤
セラミックスは、高温で焼結し硬化させることにより、硬度 / 耐熱耐摩耗性 / 耐蝕性などの優れた特性を持つ材料です。 当カンパニーの提供する焼結助剤用ガラスフリットは、このセラミックスの焼結を促進させ、環境負荷を低減し、エネルギー効率を向上させます。
②⾦属粉末(Ag、Al、Cu等)の焼結助剤
金属粉末もまた、高温で焼結することで硬化し、強度が増す素材で、この焼結促進剤としてガラスフリットが使用されています。粉末の焼結助剤としてだけでなく、板、部品、異種材料間での接着や封着にも利用できるガラスを多数ございます。
当カンパニーでは、お客様の基材の特性や焼成温度に合わせて、最適な組成や形状(粉末 / ペースト / タブレット)のガラスをご提供致します。お気軽にお問い合わせ下さい。
グレーズ / オーバーコート用ガラス
グレーズ / オーバーコート用ガラスは、例えば下記のような用途に使用され、その製品の性能及び信頼性向上に重要な役割を果たしています。
①HIC(Hybrid Integrated Circuit)
HIC(ハイブリッド集積回路)とは、一枚の基板上に、個別に作られたコンデンサや抵抗、トランジスタなどの半導体素子を一つ一つ貼り付け、それらを金属配線で結んで一体化させたものをいいます。このHIC製造過程で、半導体素子の接着や封止、または電子部品の保護などの目的で、これらのガラスが使用されています。
②チップ抵抗
チップ抵抗器とは、面実装抵抗器とも呼ばれる直方体の抵抗器で、小さなセラミック基板上に金属皮膜を抵抗体として形成したものです。この抵抗体を保護する目的でガラスが使用されています。
③サーマルヘッド
サーマルヘッドは、基板上の抵抗体に通電することにより発生するジュール熱で、感熱紙または熱転写リボンなどの熱反応材料を反応させ、記録するためのデバイスです。
このサーマルヘッドの発熱抵抗体は印刷時に非常に高温になります。この発熱抵抗体を保護するために使用されています。
こちらも、フリット、ペーストのどちらでもご提供可能です。
高耐熱結晶化ガラス
所定の温度で焼成すると結晶化し、高耐熱性と強度を持つようになる結晶化ガラス材料です。
その優れた機械的強度や接着性などの特長を活かして、高温稼働が必要になる箇所の封止や接着用途にご好評をいただいており、さまざまな分野で広く利用されています。
当カンパニーでは、電子部品の実装に適した素材として広く使用されているアルミナ基材用をはじめ、SUS等の金属基材用を取り揃え、お客様の用途に応じて、最適なご提案をいたします。ペースト、ガラスタブレットとしても提供可能です。
超低誘電損失LTCC材料
高周波帯域で誘電損失を飛躍的に抑えることのできるLTCC材料として、比誘電率を振った、”SK4”、”BR03”、”FT7”の3種類の材料を開発しています。 LTCC(Low Temperature Co-fired Ceramics)は、低温同時焼成セラミックスのことです。この製造工程で、ガラス材料を加えることにより、従来のセラミックス基板より低温での焼成が可能になり、電気的特性に優れた多層基板が可能になります。
この基板は、高周波特性に有利となり、さらに、基材がセラミックスであるため、耐熱性・耐久性に優れています。 これらの特性から、LTCCは、高周波モジュール、半導体パッケージ用の基板、耐環境性が要求される用途としての基板など広く利用されています。また、5G通信等の高周波帯域で多く使用されています。
その他にも、お求めの特性(誘電特性、強度、熱膨張係数等)に応じて材料を取り揃えておりますのでお気軽にお問い合わせください。
日本山村硝子ニューガラスカンパニーの強み
開発試作から少量生産、量産に至るまできめ細やかな対応でニーズにお応えいたします。
当カンパニーは、少量~量産多品種生産を強みとしています。これにより、市場変化への迅速な対応、多様化する顧客ニーズに対応する新素材の開発等、お客様の取り組みに、最適なガラス製品の提供で貢献いたします。
カスタマイズ対応でお客様と伴走いたします。
お客様のご要望に誠実に耳を傾け、ニーズに的確にお応えできる材料組成のご提案、開発を行います。 ガラスの持つ焼結、封止、接着、耐熱等の性能を、お客様の用途に合わせて最適化した製品・技術をご提案いたします。独自に積み重ねてきた技術とノウハウで、製造のみならず、開発においても、きめ細やかなカスタマイズ対応で、お客様のニーズをカタチにいたします。
均質性の高い、高品質なガラス製品をお届けいたします。
少量~量産多品種生産とも関係しますが、当カンパニーではお客様のご要望に最適なロットサイズでの製造を強みにしております。 お客様のご所望スケールに合わない設備で製造致しますと、ガラスの均質性等の品質が悪化してしまいます。 したがって、当カンパニーでは、お客様のご要望にしっかりと耳を傾け、高品質のガラスを実現し、量産化に際しても、再現性よくスケールアップすることが可能です。
また、製造プロセスにおける品質管理も徹底しており、コンタミネーションの少ない高品質な製品をお届け致します。
一気通貫でサポートします
対応フロー
ニューガラスカンパニーでは、焼結助剤、封着・接着用、グレーズ / オーバーコート用など、想定用途に応じて要求されるガラス特性を最大限に活かした製品の設計、加工、量産まで、お客様と伴走しながらサポートしております。 その他、高耐熱結晶化ガラス、超低誘電損失LTCC材料をはじめ、各種高機能ガラスにつきましても、お気軽にお問い合わせください。
未来を支える私たちの取り組み
サステナブルな社会の実現
近年世界のエネルギー消費量は爆発的に増えており、エネルギー対策は社会の最重要課題のひとつになっています。
日本山村ガラスのコアビジネスであるガラスびんは、3R(Reduce/Reuse/Recycle)すべてに対応し、資源の有効利用と資源循環に最適なモデル素材と言われています。
我々ニューガラスカンパニーも、地球からの贈りものであるガラスの素材特性や機能性を活かし、未来を支える先端材料として、新たな高付加価値ガラスフリット等の開発を通して、環境負荷の少ないエネルギーへの転換を支える素材メーカーとして社会に貢献し、持続可能な社会の実現を目指し取り組んでいます。
100年を越える経験で磨かれた技術を原動力に、これからも私たちはガラスの領域に止まることなく、その技術を活かし、ミクロからナノへ、未来を支える先端材料の開発に取り組んでいきます。ご期待ください。
日本山村硝子株式会社 / ニューガラスカンパニー
透き通る世界を。
青い空と潤う緑のそばで、こどもたちの笑い声が響き合い、澄んだ空気が心地いい。 100年先の未来も、不純物のない透明なガラスがきらめくような世界であってほしい。 1914年創業の日本山村硝子はこれからも技術力と提案力を高め、真摯な姿勢を貫き続けます。 一歩一歩と踏みしめながら。 物事の本質や根本を見失わずに心を込めて。 ものづくり企業の使命として、誰もが快適に安心して暮らせる社会づくりに貢献します。
会社概要
社名(商号) | 日本山村硝子株式会社 |
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本社所在地 | 【関西本社】 〒660-8580 兵庫県尼崎市西向島町15-1 |
創業 | 1914(大正3)年4月5日 |
従業員数 | 737名(2023年3月) |
公式HP |
日本山村硝子株式会社
透き通る世界を。
青い空と潤う緑のそばで、こどもたちの笑い声が響き合い、澄んだ空気が心地いい。
100年先の未来も、不純物のない透明なガラスがきらめくような世界であってほしい。
1914年創業の日本山村硝子はこれからも技術力と提案力を高め、真摯な姿勢を貫き続けます。
一歩一歩と踏みしめながら。
物事の本質や根本を見失わずに心を込めて。
ものづくり企業の使命として、誰もが快適に安心して暮らせる社会づくりに貢献します。
出展団体名 | 日本山村硝子株式会社 |
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所在地 | 〒660-8580兵庫県尼崎市西向島町15-1 |
設立年月 | 1914年04月 |
従業員規模 | 501名以上 |
URL | https://www.yamamura.co.jp/ |