日本アビオニクス株式会社
当社は、 「抵抗溶接」、「レーザ溶接」、「パルスヒートはんだ付け」、「超音波溶接」の4種類の接合工法の製品をラインアップしている精密接合装置の総合メーカです。 溶接形状、サイズ、強度、外観などのご要望に最適な接合工法の提案や、複数の接合工法を組み合わせた複合接合の提案を行うなど、ニーズに合わせた最適な接合ソリューションを提供しています。リチウムイオン電池パックとは、リチウムイオン電池の「セル」を複数接合したものです。充電して繰り返し使うことができます。
リチウムイオン電池パックは、コードレス掃除機・掃除ロボット、電動工具、電動アシスト自転車など身近な製品の電動化に活用されています。
また、データのクラウド化によるデータセンターのバックアップ電源用途(UPS)や、工場や物流センターで稼動している無人搬送車(AGV)などでも使用されています。
リチウムイオン電池パックは、各セルの正極と負極に「電池タブ」と呼ばれる薄い金属板を「抵抗溶接」という方法で溶接して、複数のセルを繋ぎ合わせることによってつくられます。
「抵抗溶接」とは、溶接物を溶接電極で挟み込み加圧しながら電気を流し溶接する工法です。電池タブ溶接の場合は片方向から加圧します。
従来、電池タブにはニッケルが使用されていました。しかし、ニッケルは電気伝導のしやすさである「導電率」が低く、また高価というデメリットがありました。
そこで最近は、ニッケルに代わる電池タブ素材として、「スズメッキ銅合金」が注目されています。
高導電率材である銅合金を使用すれば、本来の電池のポテンシャルを発揮することができます。
これにより、電池タブでのロスが少なくなるため、瞬間的な大電流放電が可能になります。また、充電速度が早くなり、大電流急速充電が可能となります。
導電率の高い銅合金の溶接には、より高い電流値が必要となります。
しかし、0.2mmtまでのニッケルの使用を前提にした従来の「トランジスタ制御式」の電池タブ向け溶接機では、電流と通電時間が不足しているため、溶接強度が規定値を満たすことができません。
銅合金電池タブの溶接には、より高容量の電池タブ向け溶接電源・加圧機構部・電極などが必要です。
SOLUTION
この課題を解決するのが、当社の「インバータ式溶接電源」です。
「インバータ式溶接電源」とは、当社が開発した「インバータ制御式」の溶接電源です。システムヘッドと組み合わせて電池タブの溶接を行います。
FEATURE 01
内部損失低減と高効率トランスの新開発により、これまでの一般的なインバータ式溶接機と比較してより高い電流値を短時間で出力することに成功しました。よって、「インバータ式溶接電源」を使用すれば、銅合金電池タブを溶接することができます。
FEATURE 02
「インバータ式溶接電源」は、操作部や制御部などが分離しているため、トランジスタ制御式と比較して設備のレイアウト自由度が高くなります。溶接機内部コンデンサへの充電工程がないため、ハイサイクル溶接にも対応可能です。
また、1台の電源に最大4台までのトランスを接続できるマルチトランスにも対応しているため、同時加圧、順次通電や異なる2工程の設備搭載も可能です。
さらに、電池タブ溶接のスペシャリストが機械の設定を全てサポートします。
日本アビオニクス株式会社の「インバータ式溶接電源」は、これまで難しいとされてきた銅合金電池タブの溶接を実現しました。
リチウムイオン電池パックの品質向上にご活用ください。