射出成形とは | 特徴・種類・用途例・工程を詳しく解説
射出成形は、溶融したプラスチック材料を型に射入し、冷却して固めることで所望の形状の製品を製造する方法です。このプロセスを実現するために必要な機械が射出成形機であり、高精度で複雑な形状のプラスチック製品を大量に生産することができます。
新潟機械株式会社は、高いコストパフォーマンス性と技術的進化を実現した「電動式射出成形機MDシリーズ」を提供しています。
全電動式横型射出成形機 MD-S8500 カタログ
より高生産、より省エネを持続可能に
金型の複雑化・大型化のニーズにお応えするべくタイバー間隔をキープしながら、さらなる省スペース化を実現しました。型締力アクティブ制御や低圧型締保持などの補助機能により、成形不良を低減し資源の有効活用に寄与します。また、加熱筒放熱の低減とグリース消費量削減により、省エネとランニングコスト低減に貢献します。
全電動式竪型射出成形機 MDVR-S8500 カタログ
高速ターンテーブルで高生産・高精度を実現
複雑かつ大型の金型に柔軟に対応するワイドな型締機構を持つ全電動式竪型射出成形機です。型締力アクティブ制御やツイングループ温度制御などの補助機能により、成形不良を低減し資源の有効活用に寄与します。また、加熱筒放熱の低減とグリース消費量削減により、省エネとランニングコスト低減に貢献します。
射出成形とは?
射出成形とは、プラスチック樹脂を加熱溶融し、金型に射出して成形する最も一般的なプラスチック成形工法の一つです。この方法は、複雑な形状や大量生産に適しており、金型内に加熱溶融させたプラスチックを高圧で射出して成形する工法です。
一般的には射出成形機を使用して行われ、溶かし、充填し、固めるという工程で製品を作ります。この方法は、高い再現性と生産性を有しているため、幅広い製品で利用されています。

射出成形の特徴・メリット
射出成形は、その独特な製造プロセスにより、製造業における多くの課題を解決しています。ここでは、この成形方法が提供する主要な特徴とメリットについて、詳細に掘り下げてみましょう。
量産性
射出成形の最も顕著な利点の一つは、その卓越した量産能力にあります。一度設計し製作された金型を使用することで、一貫した品質と精度を持つ製品を大量に生産することが可能になります。このプロセスは繰り返し行うことができ、一度のセットアップで何千もの製品を連続して生産することができるのです。特に、大規模な生産ラインにおいては、この高い生産効率がコスト削減に大きく貢献し、製品の市場価格を抑える要因となります。短時間での大量生産は、市場の需要に迅速に応えることを可能にし、競争力のあるビジネス運営を実現します。
幅広い用途
射出成形のもう一つの大きな特徴は、その幅広い応用範囲です。この技術は、小さな電子部品から大きな自動車部品まで、様々なサイズや形状の製品を製造することができます。
例えば、日用品から産業用品まで、私たちの身の回りにある多くの製品が射出成形によって作られています。スマートフォンのケース、自動車の内装部品、パソコンのフレーム、さらには家庭用品やおもちゃなど、その応用は非常に広範です。この多様性は、さまざまな材料の特性を活かし、様々なデザインや機能要件を満たす製品を創出することを可能にします。
組み立て手間の省略
射出成形のもう一つの重要なメリットは、製造プロセスにおける効率性の向上です。特に、複数の部品を一つの金型で同時に成形することができるため、後工程での組み立て手間を大幅に削減できます。このことは、製品の生産時間を短縮し、労働コストを低減する効果も意味します。また、部品の一体成形により、製品の強度と品質が向上し、組み立て時の誤差や不具合のリスクを減少させることが可能です。
このように、射出成形は製造プロセス全体の合理化に貢献し、より高品質でコスト効率の良い製品の提供を実現します。
射出成形の用途例

自動車の内装
自動車業界において、射出成形は内装部品の製造に広く利用されています。ダッシュボード、ドアパネル、エアベントなど、多くの内装部品がこの技術によって製造されています。射出成形は、複雑な形状や多機能性を備えた部品の大量生産を可能にします。
パソコンのフレーム
パソコンやその他の電子機器のフレーム製造にも射出成形が用いられます。この技術によって、耐久性と軽量性を兼ね備えたフレームが生産され、電子機器の安定性と携帯性を高めています。また、射出成形によって、スタイリッシュで現代的なデザインの電子機器を製造することができます。
スマートフォンのケース
スマートフォンのケース製造にも射出成形が広く用いられています。耐久性と美観を兼ね備えたスマートフォンケースは、射出成形によって多種多様なデザインや色で生産されます。この技術は、薄型で軽量ながら強度の高いケースを製造するのに特に適しています。器が実現されています。
テレビなどの電化製品のパーツ
テレビや他の電化製品の製造にも射出成形が広く活用されています。この技術により、耐久性がありながら軽量な電化製品のパーツが効率的に生産されます。例えば、テレビのフレームやリモコン、さらには電化製品のボタンやカバーなど、多くの部品が射出成形によって製造されています。
射出成形の工程
成形機を用いた射出成形の工程には、以下のようなステップが含まれます。
1.型締め
製造プロセスにおける最初のステップは、製品の形状に合わせて設計された型を閉じて固定することです。この工程では、射出成形機内で精密に作られた型が、製品の製造に必要な圧力に耐えられるようにしっかりと締められます。型が正確に締められることで、溶融プラスチックが型の隙間から漏れ出ることを防ぎ、製品の寸法精度を保証します。
2.ノズルタッチ
型が固定された後、溶融したプラスチックを射出するためのノズルが型に接続されます。この工程は、溶融プラスチックが均一にかつ効率的に型内に導入されるようにするために不可欠です。ノズルの正確な位置合わせと接続は、射出プロセスの成功に直結します。
3.射出
ノズルを介して、溶融状態のプラスチックが高圧下で型内に射入されます。この射出工程では、適切な圧力と速度で材料を射入することが、製品の品質と外観に大きく影響します。射入されたプラスチックは型の内部を満たし、製品の形状を形成します。
4.可塑化
射出成形機には、プラスチック材料を加熱し、均一に溶融させる可塑化ユニットが備わっています。この工程では、材料が適切な温度に保たれ、射出に適した流動性を持つようになります。可塑化されたプラスチックは、型内での流動と充填を最適化し、製品の品質を高めるために重要です。
5.冷却
型内に射入された後、溶融プラスチックは冷却され、固化します。この冷却工程は、製品の寸法安定性と物理的特性を確保するために必要です。均一な冷却は、表面の仕上がりや構造的な強度にも影響を及ぼします。
6.型開き
製品が冷却され、固化した後、型は開かれます。この工程では、製品が型から安全にかつ効率的に取り出されるように、型の開き方が慎重に設計されています。型が開く速度や角度は、製品の品質に影響を与える可能性があるため、注意深く制御されます。
7.突き出し
最後に、製品は型から取り出されます。この突き出し工程では、射出成形機に組み込まれた突き出し機構が活用され、製品が型から滑り落ちるように力を加えられます。このステップは、製品を傷つけることなく、迅速かつ効率的に型から分離するために最適化されています。
全電動式射出成形機のご紹介
電動射出成形機のパイオニアである新潟機械株式会社の製品をご紹介します。
全電動式横型射出成形機 MD-S8500

金型の複雑化・大型化のニーズにお応えするべくタイバー間隔をキープしながら、さらなる省スペース化を実現しました。型締力アクティブ制御や低圧型締保持などの補助機能により、成形不良を低減し資源の有効活用に寄与します。また、加熱筒放熱の低減とグリース消費量削減により、省エネとランニングコスト低減に貢献します。
全電動式竪型射出成形機 MDVR-S8500

複雑かつ大型の金型に柔軟に対応するワイドな型締機構を持つ全電動式竪型射出成形機です。型締力アクティブ制御やツイングループ温度制御などの補助機能により、成形不良を低減し資源の有効活用に寄与します。テーブル面、機体全高を低減させることで、実現オペレータの負担を低減し安全性と作業効率を向上させました。
全電動式横型射出成形機 MD-S8500 カタログ
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金型の複雑化・大型化のニーズにお応えするべくタイバー間隔をキープしながら、さらなる省スペース化を実現しました。型締力アクティブ制御や低圧型締保持などの補助機能により、成形不良を低減し資源の有効活用に寄与します。また、加熱筒放熱の低減とグリース消費量削減により、省エネとランニングコスト低減に貢献します。
全電動式竪型射出成形機 MDVR-S8500 カタログ
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