労働者を確保するという手段とは別に、人手不足の解決手段となり得る物流ロボットが近年では注目を集めています。この記事では、物流現場の人手不足に貢献する物流ロボットの特徴や、導入メリット、活用事例などをご紹介しています。
このような方におすすめです
・物流ロボットの概要や導入メリットについて知りたい方
・物流ロボットを導入した企業の事例について知りたい方
・倉庫業務の効率化に貢献するおすすめの物流ロボットを探している方
人手不足はほとんどの業界が抱えている課題となっていますが、それは物流業においても例外ではありません。
特に近年ではECサイト等の普及に伴い、顧客の需要が増加・多様化しているため、これまで以上に数多くの労働力が必要とされています。しかし、増加する需要に対して、十分な労働者を供給できていない現状が物流業界では蔓延しています。
今後は少子高齢化の影響もあいまって、労働力の確保がますます難しくなることは想像に難くありません。
そのような背景の中で、労働者を確保するという手段とは別に、人手不足の解決手段となり得る物流ロボットが近年では注目を集めています。
物流ロボットとは、物流における基本的な工程要素である輸送・保管・荷役・放送・流通加工の5つの活動を、人に代替して行ってくれるロボットや機械のことを指します。
一般的な物流ロボットは、単一で業務を自動化するものではなく、人との協働をコンセプトに業務の半自動化するものが普及しています。
というのも、細かな配送分け等、ロボットが行うよりも人が行う方が効率的な工程が物流業にはあるため、ロボットが代替できる部分と代替できない部分を見極めた活用が求められるからです。
倉庫業務に物流ロボットを導入することで、以下のようなメリット・効果を得ることができます。
物流ロボットは、指定された任務を処理する際に、通常の人間の作業速度の3倍から4倍に匹敵すると言われています。そのため、これまで人が担当していた業務をロボットが効率的に処理することで、貴重な人材をコア業務に専念させ、企業の競争力を向上させることができます。
物流ロボットの導入により、材料や商品の移動や、完成品の次工程への運搬などが、ロボットによってスムーズに行われ、倉庫内の無駄を減らすことができるようになるため、倉庫内の作業が効率的になります。
また、人間は通常、1日8時間以上の長時間労働は難しいですが、ロボットは夜間を含めて連続して活動させることが可能です。
ロボットは指示通りに作業を遂行するため、ミスを防いでヒューマンエラーを回避できます。人が関与する作業には、最善の注意を払っていても、時にミスが発生する可能性があります。また、時間とともに疲労が蓄積し、集中力が低下するため、ミスを予防するためにはダブルチェックの仕組みを採用することが必要です。しかし、ダブルチェックには追加の人手が必要であり、手間もかかるため、人手が不足している企業にとっては課題となります。
このような状況において物流ロボットを取り入れると、指示通りのタスクを効率的に実行し、人手を最小限に抑えつつミスを予防できるようになります。
製品名 | 特徴 |
---|---|
製造現場向け自動搬送ロボット「AspinaAMR」 | 簡単に導入可能な、コンパクト設計のAMRです。機能拡張にも柔軟に対応します。小回りが利くため、狭い通路でも走行できます。国産AMRならではのサポート体制により、安心して運用いただけます。 |
自律移動ロボット「Keigan ALI」 | 設定が簡単でカスタマイズ性が高く、さまざまな場面でご利用いただける自律移動ロボットです。 |
工場・倉庫の運搬を変革する「iRAYPLE AMR」 | 高性能なロボットハードウェアと先進的な自動化ソフトウェアを融合させた画期的なAMRソリューションです。 |
AGILOX(アジロックス) | 高い「群知能」を備えた「新世代」の自律走行搬送ロボットです。 |
パレタイザロボット「YZロボット Pシリーズ」 | 省スペースで設置できる汎用性の高い産業用ロボットを用いたパレタイザロボットです。 オールインワンパッケージで手軽に導入が可能で、パワフルな搬送を実現することで、パレタイズ工程の生産性向上を支援します。 |
遠隔サポートつき搬送ロボット「HATSキャリー」 | 台車+遠隔サポート+ガイドレスAGVを搭載した自律走行ロボットと、遠隔オペレーターによるサポートシステムで、倉庫内作業の業務効率化を実現できます。 |
Rtino(アルティノ) | 地図自動作成機能と自律移動機能を連携し、従来の自律移動ロボットの問題点を解決します。利用者はリモコンなどでの操作や地図の作成が不要であり、障害物が生じても自動的に回避します。 |
物流ロボ『CarriRo(キャリロ)』 | ZMPの自動運転技術を用いた倉庫・工場内の搬送シーンを自動化し、省人化と作業効率化を実現する汎用的なソリューションであり、クラウドと連携して生産性向上や複数台の協調制御が可能です。 |
THOUZER サウザー | DOOG製サウザーに、ワンタッチでハンドパレットとの取り外し可能な牽引ユニットを組み合わせたカスタマイズモデル。3つの走行モードを備え、専用治具を使えば牽引ユニットと簡単に連結できます。アプリでの操作も簡単で、カスタマイズも可能。お客様の要望に合わせた対応が可能です。 |
Oasisモバイルロボット | 製造環境での資材輸送用に特別に設計され、AGVの信頼性、コンベア作業の効率、高度なセンサーと人工知能を統合した柔軟な自動化を提供します。固定インフラは必要なく、カスタマイズ可能で、自動充電技術を用いて24時間365日稼働、時速7km以上の速度で走行できます。 |
AGVパッケージ | 『運ぶ』をまかせて、『働く』をイノベーションするために、AGVパッケージが物流倉庫や製造工程で荷物を自動搬送。コース作成から運用まで自動で可能です。 |
CarryBee(キャリビー) | 豊富な自動車生産技術のノウハウを元に開発された無人搬送システムで、工程間の搬送や部品供給、セル生産ラインなどで生産工程の合理化を実現することができます。 |
AMR 自律走行型(協働)搬送ロボット | 単純作業を自動化することで、人々はより高度な作業に集中し、生産性が向上し、コスト効果が高まり、素早い投資回収が可能になります。例えば、アセンブリの為の部品搬送や材料輸送、医療施設内での書類の配布や回収、クリーンルーム内での機材の配送などに活用可能です。 |
ForwardX の AMR | ForwardXの第4世代AMRは、自律走行、柔軟な実行、短期間導入、協同作業が可能であり、業務効率向上とコスト削減を支援するリーダー的存在です。 |
MiRシリーズ | カメラやセンサーを用いて、人や障害物を自動的に回避しながら走行できる自律モバイルロボット(=AMR)です。 |
AspinaAMR は、製造現場向けの自動搬送ロボットです。簡単に導入可能で、機能拡張にも柔軟に対応します。コンパクトな設計で小回りが利くため、狭い通路でも走行できます。国産AMRならではのサポート体制により、安心して運用いただけます。
本体価格のみで1台から導入でき、スモールスタートできます。現場のパソコンで使える操作ソフトウェアは操作も簡単で、すぐに運用可能です。
KeiganALIは、設定の容易さと導入の手軽さが特長の自律移動ロボット(AMR)です。このロボットは、カスタマイズ性が高く、多様なシーンで活用することができます。
主な特徴として、KeiganALIは簡単な設定で一台からの導入が可能な「スモールスタート」方式を採用しており、様々な場面で利用することができます。上部アタッチメントの工夫により、さまざまな場所での使用に対応できるようになっています。
レーザースキャナーと複数の障害物センサを搭載しており、人や障害物を自動で避けながら周囲の環境を認識して自律走行ができます。また、カメラによるライントレース(床面のライン追従)による高精度な走行も可能です。
iRAYPLE AMRは、高性能なロボットハードウェアと自動化を支援するインテリジェントなソフトウェアを併せ持つ製品です。棚搬送型AMRや自動フォークリフトなど、協調制御が可能な多様なロボットを提供しており、どの製品もコストパフォーマンスに優れています。
工場や倉庫の物流を自動化し、効率を大幅に向上することが可能です。
自動搬送ロボットシステム「AGILOX(アジロックス)」は、群知能による分散型の制御原理に従って自らの経路を計画することで、従来のAGVよりもはるかに高い柔軟性を実現します。
加えて、車両のプログラミングやティーチングも大幅に容易となり、保守やアップデートなどを含めて集中制御用ソフトウェアによるプログラムは不要です。
全車両を集中制御システム無しに運用でき、文字通り自律的に生産現場や倉庫内を自在に走行します。
『YZロボット Pシリーズ』は、省スペースで設置できる
汎用性の高い産業用ロボットを用いたパレタイザロボットです。
オールインワンパッケージで手軽に導入が可能で、パワフルな搬送を実現することで、パレタイズ工程の生産性向上を支援します。
HATSキャリーは、台車、遠隔サポート、そしてガイドレスAGVを搭載しており、遠隔オペレーターによるサポートシステムと組み合わせることで、倉庫内の業務効率化を実現できます。
ロボットに異常が発生した場合、遠隔のオペレーターがそれを検知し、一時的にロボットを操作することで、誘導や自己位置の復旧を行い、ロボットを正常な状態に戻すことが可能です。そのため、例外発生時でも作業を止めずに稼働を継続できます。
また、運用開始までの期間が圧倒的に短く、小数台からのレンタルプランも用意されています。そのため、既存のオペレーションを変更することなく、スモールスタートできます。
従来の自律移動ロボットは、利用者があらかじめリモコンなどでロボットを操作して、地図を作成しておく必要がありました。また、ロボットの移動ルートに障害物が生じると、ロボットが動作を停止してしまうという問題点がありました。「Rtino」は地図自動作成機能と自律移動機能を連携させることで、これらの課題を解決していきます。
CarriRo(キャリロ)はZMPの自動運転技術を活用した、倉庫・工場などで行われるあらゆる搬送シーンを無人化するための汎用的なソリューションです。
CarriRo(キャリロ)の活用によって、倉庫内の入荷から出荷までのさまざまなシーンで自動化による省人化と作業の効率化をはかることが可能です。
さらに、CarriRo(キャリロ)はクラウドともつながり、生産性の把握や複数台の機体を協調制御し、シリーズ間の連携をすることができるという特徴があります。
サウザーはライントレース、メモリートレース、追従走行の3つも走行モードがあり、特別な作業は不要で簡単に走行設定が可能です。またハンドパレット側に専用治具を取り付ける事で、ワンタッチで牽引ユニットとのドッキンクおよびアンドッキング可能となっておりので、HP牽引がすぐ対応できます。
その他、ハイウェイ機能とメモリートレース機能を簡単に設定および操作するアプリの対応やAGV上部のカスタマイズなど、お客様の仕様や状況に合わせたカスタマイズも行っております。
Oasisモバイルロボットは、製造環境での資材輸送用に特別に設計されており、コントローラーと統合してエンドツーエンドのソリューションを提供できます。
これらの車両は、AGVの信頼性、コンベア作業の効率、および高度なセンサーと人工知能を用いた意思決定の柔軟性を兼ね備えています。
Oasisは、固定インフラを必要としない柔軟な自動化を提供します。
(ビーコン、テープ、事前に定義されたレーザーパスは不要です。)
時速7km以上で走行でき、施設と積載量のニーズを満たすために、様々なアクセサリをカスタマイズできます。各車両は、自動充電技術を用いて24時間365日稼働することができ、タスク間でも迅速な対応が可能です。
物流倉庫や製造工程で、荷物を無人搬送します。コース作成から運用まで自分でできる、AGVパッケージです。
CarryBee(キャリビー)とは、豊富な自動車生産技術のノウハウより開発された無人搬送システムです。工程間の搬送、生産ラインヘの部品供給、セル生産ライン〈AGV上で組立て〉など様々なシーンで生産工程の合理化を実現することができます。
アセンブリの為の部品搬送、広大な施設内の材料輸送、医療施設内での書類の配布·回収、クリーンルーム内へ機材を届ける等、単純作業の自動化は、人がより高度な作業に集中する事を可能し、生産性向上による対費用効果を高め、素早い投資回収を実現します。
ForwardX の AMRは、第4世代の移動ロボットのリーダーとして企業のコスト削減、業務効率の向上を支援します。
同社製AMRは第4世代と呼ばれる視覚AMRに分類されます。第4世代走行ロボットは第1~第3世代と比べ様々な点で優れております。
『MiRシリーズ』は、磁気テープなどのガイドを使って走行する無人搬送車(AGV)などと異なり、カメラやセンサーを用いて、人や障害物を自動的に回避しながら走行できる自律モバイルロボット(=AMR)です。
物品の搬送はもちろん、コンベアへのワーク投入や、協働ロボットと組み合わせたピッキング作業の自動化など様々な用途で活躍。
特別なプログラミングの知識は不要で、容易に導入可能です。
物流ロボットは、大きく「AGV(無人搬送ロボット)」と「AMR(自律走行ロボット)」の2つに分類されます。
AGVは、磁気テープを読み取ってあらかじめ決められたルートを走行するロボットであり、商品のピッキングや仕分け等の場面で活躍します。一方のAMRは、画像認識の技術を用いて周囲の環境を検知し、目的の場所まで自立で移動できる搬送ロボットです。
AGV(無人搬送ロボット)は、磁気テープを読み取ってあらかじめ決められたルートを走行するロボットであり、商品のピッキングや仕分け等の場面で活躍します。
「決められた地点から決められた地点へモノを運ぶ」ことを正確かつスピーディーに遂行させることが可能なため、作業者の身体的負担を大幅に削減することが可能です。
一方のAMR(自律走行ロボット)は、画像認識の技術を用いて周囲の環境を検知し、目的の場所まで自立で移動できる搬送ロボットです。
AGVがモノの搬送に特化しているのと比較して、AMRは人との協働に特徴を持ったロボットだと言えます。例えば、ロボットが自動でピッキング場所まで向かい、人が棚から商品をロボットに積み込み、積み込まれた商品をロボットが梱包を行う場所まで搬送するといった流れで活用されます。
物流ロボットの活用は、大手企業を中心に普及しつつあります。ここでは「DHL」「Amazon」「Walmart」の3社による物流ロボットの活用事例をご紹介します。
DHLサプライチェーン株式会社は、自社の倉庫管理に倉庫管理システムを導入しており、倉庫内で駆動するロボットを連携させることで24時間365日の入出荷を可能にしています。
また、最大重量600kgに及ぶ棚を自走搬送するロボット活用し、機械にしか任せることのできない業務を代替させています。
ECサイトを運営するAmazon.com Inc.は、倉庫内の棚までを自律走行するAMRタイプのロボットを導入しています。このタイプのロボットは日本国内でも導入が進んでおり、配送ニーズが高まる時期などに活用されています。
Walmart Inc.は、物流システムを活用することで、駐車場で待つ顧客の車まで商品を届けるサービスを実現しています。
「アルファロボット」という物流ロボットが倉庫から商品をピッキングし、その商品をスタッフが梱包するという、人とロボットの協働スタイルが構築されています。
物流業界における人手不足問題への貢献が期待されている物流ロボット。
国内におけるその活用事例はまだ海外と比べて浸透しているとは言えない現状がありますが、今後は更なる技術革新に伴いロボットが今よりも安価になることが予想されるため、導入へのハードルがグッと下がる未来もそう遠くはないでしょう。
物流ロボットには様々な種類があるため、自社の倉庫規模や業務内容に沿って適した物流ロボットを選択する必要があります。