粉砕機には、家庭用の簡単なものから工場に設置される大型のものまで様々な種類が存在するため、自社のニーズに適した粉砕機を適切に選択する必要があります。
そこで今回は、粉砕機の概要や種類、おすすめの関連製品についてご紹介します。粉砕機の導入を検討している方にとって参考になる製品を掲載していますので、ぜひチェックしてみてください。
ポイント
・鉱石 / ガラス / セラミックス / 穀類などの固体材料を小片にする「粉砕機」
・粉砕機な種類は「 一軸破砕機」「二軸破砕機」「ハンマー式粉砕機」「移動式粉砕機」など多岐にわたる
・粉砕機に関連するおすすめ製品をご紹介
粉砕機とは、物質を小片に粉砕するための機械であり、鉱石、ガラス、セラミックス、穀類など、ある大きさの固体材料を小さくするために使用されます。プッシャー式、スクリュー式、一軸式、二軸式などの種類があり、用途に応じて選択します。
プラスチックリサイクルにおいても使用され、粒度を細かくした上で攪拌することで物性を均質にすることが可能です。
「粗砕(そさい)」とは、大きな塊を粗めの形に砕くことを指します。大型の成形品や大きなランナーなどを粉砕する際には、最初に一気に細かく砕くのではなく、まず一定の大きさまで粗砕するのが一般的な方法です。この粗砕の工程は、粉砕の効率を高めたり、かさばる原料の減容を目的として利用されます。
そして、粗砕された原料をさらに細かくするために用いられるのが「粉砕機」です。粉砕機の使われる方法や種類は、粉砕する対象物の大きさによって異なります。
粉砕機の種類は機械の仕組み、用途などに応じて多岐にわたります。ここでは、代表的なものとして以下の4種類についてご紹介します。
一軸破砕機は回転する刃に対象物を押しつけて細かく砕く装置です。その排出口には、スクリーン(穴のあいた鉄板)が取り付けられており、破砕する対象物がスクリーンの穴のサイズより小さい場合にのみ排出されるようになっています。
このスクリーンの穴のサイズを変えることによって、希望の粉砕サイズをある程度設定することが可能であり、目的に合わせて粉砕物を必要な大きさに加工できる便利な装置です。
二軸型破砕機は固定刃が存在せず、2つのローターが並行して設置されています。物品が投入されると、2つのローターの間に巻き込まれて破砕される仕組みです。このタイプの破砕機の長所は、処理速度が速いことですが、短所としては断片が粗く、大きさも不揃いになりやすいという点が挙げられます。
破砕の細かさが求められる場合は一軸型を、処理速度が重要な場合は二軸型を推奨する傾向があります。
ハンマー式破砕機は、高速回転するハンマーを使って硬い対象物を叩き割る方式です。木材、コンクリート、ガラス、瓦、プリント基板などに適していますが、柔らかい素材やゴム、軟質プラスチックなどには向いていません。
この方式の特徴として、高速回転するハンマーによる作業が騒音、振動、粉塵を多く発生させる点が挙げられます。ただし、スクリーンを取り付けることで、破砕後の粒度を調整することも可能です。
移動式破砕機は、戦車のような外見でキャタピラー(履帯)を備えており、リモコンで左右前後に自由に移動することができます。このタイプの破砕機は、十分なパワーを持ちながらも移動が可能で、最終処分場などで広い作業エリアをカバーすることができます。設置後にすぐに稼働できるという利点がありますが、都道府県によっては設置許可を取得するのが難しい場合もあることに留意する必要があります。
化学薬品・医療薬品 | 化学薬品や医薬品の一部は固化しやすく、袋の中で原料が凝固してしまうことがあります。このような場合、破砕機を活用することで袋の中の原料をほぐすことが可能です。ただし、破砕機は粗めの大きさに砕くため、細かく砕きたい場合は粉砕機の使用が適しています。破砕機は主に「袋の中で固化した医薬品や化学薬品をほぐす」際に有効であり、砕いた粒の大きさを揃えるために分級ができる機械も推奨されています。 |
---|---|
樹脂ペレット | 樹脂ペレットはブロッキングしやすく、樹脂同士がくっついて大きな塊になることがあります。特に柔らかい樹脂ペレットはくっつきやすい傾向がありますので、原料投入時に注意が必要です。このような大きな塊状の樹脂ペレットは、ロストルに溜まってしまう可能性もあります。 こうした課題を解決するために、破砕機を使用してくっついた樹脂ペレットをほぐすことが推奨されます。一部の破砕機は袋の厚みを整えながら樹脂ペレットをほぐす機能も備えているため、より効率的な処理が可能です。 |
食品 | 食品は消費者が口にするものであり、袋が破れると品質が損なわれてしまい、廃棄する必要が生じる場合があります。品質を確保するためにも無駄なコストを抑えるためにも、食品を袋からほぐす作業は慎重に行われるべきです。 このような課題を解決するため、破砕機を活用することで袋の中身を効率的にほぐすことが可能です。例えば乾燥野菜や乾燥食品などの処理において、破砕機は袋を破らずに中身をほぐす効果的な手段として活躍します。食品業界ではさまざまな食品のほぐし作業に破砕機を積極的に活用することが推奨されています。 |
製品名 | 特徴 |
---|---|
DRY BURST(ドライバースト) DB-100S | 粉砕室やサイクロン形状の最適化により、従来機種に比べ40%の小粒径化が可能です |
自走式横投入型木材破砕機 MRC-3000 | 4mもの長尺材の破砕が容易で木材の破砕し残しを防止します |
ドライスター®︎SDA | 乾式粉砕でサブミクロンを実現する連続式乾式ビーズミルです |
OMEGA®︎ | 4つのモジュールを組み合わせた新しい概念の分散・乳化機です |
ムゲンフロー®︎ | 高濃度・高粘度スラリー対応の湿式プレミアムビーズミルです |
湿式微粒化装置「STAR BURST(スターバースト)」 | 各種高機能材料の高純度分散・微粒子化を実現する湿式分散装置です |
毎分2万回転で高速回転する2枚のインペラが発生させる気流で原材料同士を対向衝突させ、平均粒径が約5µmのコンタミが少ない粉末を生成できる卓上式の乾式粉砕機です。
気流式サイクロンや捕集ビンも一体化したコンパクト形状で、設置後すぐに粉砕が行えます。
また、AC100V駆動で、グローブボックス内やドラフトチャンバー内など、様々な場所で使用できます。
「環境と共に生きる」という弊社のコーポレートスローガンと、日本の林業に寄与したいというモノ作り企業MOROOKAの強い意志を礎に開発された木材j粉砕機です。
「横入れ式」であることを最大の特徴とする本機は、4mもの長尺材の破砕が容易で、木材の破砕し残しを防止します。カッター回転数や破砕材の送り速度を任意に設定することもできるため、高品質バイオマス燃料に求められる適切なチップサイズでの木材破砕が可能です。国内の特殊自動車用排ガス基準にも適合しており、環境を強く意識したつくりとなっています。
100〜150μm程度の原料を1パスでシングル・サブミクロンまで粉砕する連続式 乾式ビーズミル。
エネルギーコストも他の粉砕機(ボールミルやジェットミル)と比較すると極小に抑え、粒度コントロールも容易なため、効率よくシャープな分布を得ることができます。
また、湿式ビーズミルとの組合せにより、湿式のみでの処理と比較して、省エネでの処理(エコ粉砕)とコンタミネーションを抑制した処理が可能です。
4つのモジュールを組み合わせた新しい概念の分散・乳化機です。
比較的低圧力(70MPa程度)で運転ができるため温度上昇が少なく、構造がシンプルで大量処理に対応します。
さらにメディアレスなため、コンタミの心配がなく、粘度に関係なく幅広い用途にご使用いただけます。
従来機よりも生産効率を飛躍的に向上させた、高機能モデルのビーズミルです。
スラリー配合の常識を覆すほどの高粘度・高濃度のスラリーにも対応し、ナノ・サブミクロン領域まで微細化させることができます。
最高245MPaに加圧した原料同士をマッハ4の相対速度で斜向衝突させることにより、分散・乳化・粉砕・表面改質などを行う湿式微粒化装置です。
原料の加圧には、当社製のスギノポンプを使用。70年にわたって進化を続けている、世界トップクラスを誇るウォータージェットの技術と実績が活かされています。
今回は粉砕機についてご紹介しました。粉砕機の概要や粗粉機との違いについて、粉砕機の種類として「一軸破砕機」「二軸破砕機」「ハンマー式粉砕機」「移動式粉砕機」について、そして、粉砕機の用途例について、それぞれご紹介しています。
evortでは、粉砕機に関連するおすすめ製品を掲載していますので、ぜひご覧になってみてください。