品質管理とは、生産プロセスの中で品質(Quality)・価格(Cost)・納期(Delivery)を実現するために利用する管理技術全般を指します。この記事では品質管理の実現方法とおすすめの品質管理システム製品をご紹介します。
品質管理とは、クライアントから求められている品質(Quality)・価格(Cost)・納期(Delivery)を実現するために利用する管理技術全般を指します。
つまり、品質管理はその技術全般を含むため、最終的に製造される製品だけでなく、そのプロセスも含めての定義です。
品質管理の代表的な手法として「QC7つ道具」が挙げられます。
QC7つ道具は製造工程で収集した統計的データを整理し、相関関係を分析するためのツールです。データを分析することによって、生じた問題の要因を特定したり改善策を講じることができます。
データをそのまま数値として見ても把握がしづらく分析が困難なため、グラフとして全体像を可視化します。グラフを作成することで様々なデータの「比較」がしやすくなります。
グラフには「円グラフ」「棒グラフ」「折れ線グラフ」など様々な種類がありますが、作成した本人以外にも伝わりやすいグラフの種類を考慮して作成することが重要です。
「パレート図は、工程で発生した問題点を件数の大きい順に並べた棒グラフと、累計曲線を併せて図に表したものです。
パレート図を作成することで、優先して着手すべき改善点を分析することが容易になります。
チェックシートは事前に確認事項を抜粋して定めておき、項目ごとに記録をする図表形式のシートです。
複雑な製造環境下において必要となるデータを事前に把握しておくことで、優先度の高いデータの収集漏れを防ぐことができます。
ヒストグラムは、データをある区分けごと集計した棒グラフです。
度数を元にヒストグラムを作成することによって、データの分布状態や平均値を把握することができるため、全体的な傾向を可視化できます。
特性要因図とは、ある問題事項(結果)とその要因だと考えられる事項を可視化した図です。それぞれの事項を矢印で結んで図示することによって、結果と原因の相関関係を把握することができます。
図の形状が魚の骨の形に似ていることから、フィッシュボーン図、あるいはフィッシュボーンチャートとも呼ばれることがあります。
散布図とは2種類のデータを横軸(原因系)と縦軸(結果系)で示した図です。散布図を用いることで、2つのデータの関係性を視覚的に把握することができます。
管理図は、時間別に各工程のデータを折れ線グラフで表した図です。管理図を見ることによって、工程の状態が安定しているか、あるいは何らかの問題が発生しているかを判断することができます。
品質管理の手法の一つにIE(インダストリアルエンジニアリング)があります。IEは、工程・作業方法・作業時間等を科学的に把握することで、生産性を向上させる分析手段です。
どのような作業に・どれくらいの人が・どれくらいの時間をかけているかを可視化し、最適な製造現場の実現を図ります。 IEには数多くの手法がありますが、以下に代表的な「工程分析」「動作分析」「時間分析」の特徴を紹介します。
工程分析とは、工程の各段階におけるモノの流れや人(作業)の流れを一様の記号で図表化する分析手法です。
工程時期や製造状態、作業の内容をあるルール(記号や時間軸など)に基づいて区切ることで、段取りを管理しやすくなるメリットがあります。
動作分析は、作業の内容や手順を細分化する分析手法です。作業内容を標準化することによって、作業を経験したことが無い人でも作業できるようになります。
時間分析は、ある特定の工程を作業時間という観点から分析する手法です。
作業内容を細かく区分し、それぞれにかかる時間を測定することで、作業内容のムダや改善点を洗い出すことができます。
品質管理にPDCAサイクルを取り入れることで、継続的な品質改善に向けたサイクルを製造現場に構築することができます。4つのプロセスは、計画(Plan)・実施(Do)・評価(Check)・改善(Action)に分けられます。
これまでの実績や今後の予測をもとに業務計画を作成
作成した業務計画に沿って業務を実施
計画した業務計画をきちんと実行できているかを確認
計画通りにいかなかった原因を見直し、改善を施す
品質管理に向けた従来の実現方法をご紹介しましたが、近年では品質管理を確実に実現するためにはIT化が重要な要素となっています。
IT化と言うとAIやビックデータ等のキーワードをよく耳にするかと思いますが、製造現場においてはまず生産管理システムの導入が一般的なソリューションです。生産管理システムは工程や生産に関わる様々なデータを一元管理できるため、製造現場の品質管理を促進します。
生産管理システムを提供するメーカーは数多くあるため、自社の業態に適したシステムを選択する必要があります。
製品名 | 特徴 |
---|---|
工程管理支援システムcycleon | 金型製造の工程管理支援システムで、個別受注生産現場においてスムーズで効率的な工程管理を実現します。 |
材料誤投入防止システム | 材料タンク用の誤投入防止装置で、最大8台のタンクを管理でき、電子鍵とQR認証で動作します。ブラケットを使用すると既存のタンクに簡単に取り付けられ、他のロック機構でも使用可能です。 |
現場主導型生産管理システム | 従来のトップダウン型の生産管理システムとは異なり製造現場主導で指示や計画を作成・変更できるシステムとなっており、本当の意味での見える化・生産効率の向上を実現できます。 |
アシストシリーズ(Assist series) | アシストシリーズは、受注生産型金属加工業に最適な生産管理ソフトで、3つのソフトライセンスから組み合わせて導入可能。拡張も可能な優れたソフトです。 |
OthelloConnect(オセロコネクト) | クラウド上で生産管理や販売管理ができる新システム。自社内にサーバーや情報システム部・担当者不要で中小企業でも利用可能です。 |
生産管理システムAPICT | 生産管理システムで、基本モジュールだけでも工程管理可能。生産、販売管理モジュールもあり、オプションとしてPPSもありロット生産への対応が可能。APICT_WEBでタブレットが利用可能です。 |
生産進捗管理システム | IoTによる圧倒的な情報量・低価格の両方を実現しており、作業者の生産性向上に貢献します。データ収集や解析、生産指示など多彩な機能を提供し、業務改善を支援します。 |
Visual Factory(ビジュアルファクトリー) | 工場データを可視化し、品質・コスト・納期・安全性向上に役立つ情報に変換。IoTで取得したデータから気づきを提供し、迅速な意思決定を支援します。 |
生産・販売管理パッケージ「SMART」 | 個々の課題に寄り添い、低価格で豊富なカスタマイズが可能な生産・販売管理パッケージ。ブラウザを利用したWebシステムで、オープンソースの利用や開発標準化により、コストパフォーマンスを高めています。見積受注から出荷まで一連の流れを通して管理可能で、手作業や業務の属人化を省力化できる機能があります。 |
中小企業向けノンカスタマイズ生産管理パッケージ 『Marian®EX』 | 製造業のお客様が抱える生産管理上の問題を解決するパッケージ型システムで、導入実績50業種以上の圧倒的汎用性があります。シンプルで簡単な運用によりコスト削減と短納期導入を実現し、生産現場の見える化と業務の効率化を支援します。 |
cycleonは、工程管理者が携わる一連の業務をスムーズ かつ 効率的 に行うことを目的とした、工程管理支援システムです。 個別受注生産の製造現場において、「無理なく」「現場の実情に合った」工程管理を行うことができます。複雑で経験値を要するため、システム化が難しいとされていた金型製造の工程を効率良く管理します。
電子鍵とQR認証による材料タンク用「誤投入防止」装置。1システムにつき最大8台のタンクを管理できます。また、「無加工」で電子鍵を既存タンクに取り付けるブラケットもご用意。その他のロック機構にも転用可能です。
これまでの生産管理システムは、管理者が一度決めたスケジュールに則って製造現場が動く「管理主導型」でした。それに対し、流動的・変則的な生産活動が求められる現場のために開発されたシステムが「現場主導型生産管理システム」です。
従来のトップダウン型の生産管理システムとは異なり製造現場主導で指示や計画を作成・変更できるシステムとなっており、本当の意味での見える化・生産効率の向上を実現できます。
アシストシリーズ(Assist series)は中小製造業、特に受注生産型金属加工業に最適なシンプルで使い易い 生産管理ソフト です。生産ノウハウをとことん注入し開発したもので、すでに多くの納入実績を持つ優れたソフトです。
OthelloConnecは、中小企業では導入しづらかった、生産管理・販売管理をクラウドで使用できる新しいシステムです。
自社内にサーバーが不要で、情報システム部や専任に担当者が不要で使用可能です。
生産管理システムAPICTは基本モジュール(APICTLight)、生産管理モジュール、販売管理モジュールで構成されており、モジュール単位で“基本モジュール”だけの導入も出来ます。“基本モジュール”には生産スケジューラーFLEXSCHEとリレーショナルデーターベース(SQLExpress)が実装されており、APICTシステムの基本を構成いたします。
IoTによる圧倒的な情報量・低価格の両方を実現!
作業者の目標意識向上による生産性アップに貢献します。また、サーバーの設置で各端末よりデータを自動的に収集し、リアルタイムな情報を集中管理できます。
「ダッシュボード」「データ解析」「生産指示」など豊富な機能により、さらなる業務改善をアシストします。
Visual Factory(ビジュアルファクトリー)は、設備、人、モノなどの工場データを相互に紐づけて可視化する“工場情報基盤”です。
工場データを製造現場が必要とする情報に変換し、品質/コスト/納期/安全性の向上に役立つ情報として可視化。
IoTで取得したデータを単に表示させるだけでは見えなかった、価値ある“気づき”を提供し、製造現場の迅速な意思決定を支援します。
「SMART」は、各企業様の個々の課題に寄り添い、共に成長する「生産・販売管理パッケージ」です。自社製品となりますので、お客様の個々の課題に対して、低価格で豊富なカスタマイズを実現しています。
ブラウザを利用したWebシステムになりますので、通信可能な場所であれば、使用したい時にいつでも利用することが可能です。その為、最近ではコロナの影響もありテレワークの為に導入したいとの引き合いも多く戴いております。
いままでなかった、低価格で簡単な中小企業向けノンカスタマイズ生産管理パッケージです。
従来の生産管理システムのような、複雑な操作や使いきれない機能はありません。
導入実績50業種超の圧倒的汎用性により、幅広い業種に展開可能。
運用をシンプルで簡単にし、コスト削減と短納期導入を実現することで、生産現場の見える化と業務の効率化を支援します。
今回は、品質管理についてご紹介しました。品質管理を実現するための代表的な方法として「QC7つ道具(グラフ・パレート図・チェックシート・ヒストグラム・特性要因図・散布図・管理図)」と「IE :インダストリアルエンジニアリング(工程分析・動作分析・時間分析)」と「PDCAサイクル(計画・実施・評価・改善)」について、そして、近年の主流となっている生産管理システムをはじめとした「ITによる品質管理」について、それぞれご紹介しています。
evortでは、品質管理に関連するおすすめの製品を掲載していますので、ぜひ一度参考にしてみてください。