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ディスペンサーノズルの種類と用途に応じた選び方

ディスペンサーノズルは、塗布パターンや精度に影響する重要な部品です。用途や液剤特性に合わないノズルを選ぶと、塗布品質や作業効率に悪影響を及ぼす可能性があります。

本記事では、ノズルの役割や種類、塗布パターン別・液剤別の選び方について解説します。

ノズルの役割

ディスペンサーにおけるノズルは、液剤を吐出する最終的な出口であり、塗布結果に直接影響を与える部品です。同じディスペンサー本体を使用していても、ノズルの形状や内径が変わるだけで、塗布量、塗布パターン、塗布精度が大きく異なります。

ノズルが担う主な役割は、吐出量の制御、塗布形状の決定、液切れ性能の確保の3つです。吐出量の制御では、ノズル内径によって単位時間あたりに流れる液剤量が変化します。内径が細いほど少量の吐出に適し、太いほど大量吐出が可能です。塗布形状の決定では、ノズル先端の形状によって点塗布、線塗布、面塗布といった異なるパターンを実現できます。液切れ性能の確保では、吐出停止時に液剤が糸を引いたり、垂れたりすることを防ぐ役割を果たします。

このように、ノズルはディスペンサーシステム全体の性能を左右する重要な要素であり、用途に応じた適切な選定が求められます。

ノズルの種類

ディスペンサー用ノズルには、形状や構造によってさまざまな種類があります。代表的なものを紹介します。

ストレートノズル

最も基本的な形状で、先端まで内径が一定のノズルです。構造がシンプルなため、洗浄やメンテナンスがしやすく、幅広い液剤に対応できます。点塗布や線塗布など、汎用的な用途に使用されます。

テーパーノズル

先端に向かって内径が徐々に細くなる形状のノズルです。液剤の流れがスムーズになり、液切れ性能が向上します。微量吐出や精密塗布に適しており、糸引きを抑えたい用途で使用されることが多いです。

ベントノズル(曲がりノズル)

先端部分が一定の角度で曲がった形状のノズルです。ワークの形状や設備のレイアウト上、垂直方向からの塗布が難しい場合に使用します。狭い場所や入り組んだ部位への塗布に効果を発揮します。

マルチノズル

複数の吐出口を持つノズルで、一度の動作で複数箇所に同時塗布できます。生産性を高めたい用途や、均一な間隔で複数点への塗布が必要な場合に選ばれます。

フラットノズル

吐出口がスリット状になっており、液剤を帯状(フラットパターン)に塗布できます。面塗布やコーティング用途で使用され、幅広い範囲を効率よくカバーできます。

塗布パターン別の選び方

塗布作業では、製品の要求仕様に応じてさまざまなパターンが求められます。目的とする塗布パターンに応じたノズル選定のポイントを解説します。

点塗布の場合

点塗布は、基板上の電子部品接合部や、小型ワークの接着など、限定された箇所に液剤を塗布する用途で使用されます。この場合、ストレートノズルまたはテーパーノズルが適しています。塗布量に応じて内径を選定し、微量塗布であれば細径のテーパーノズルを選ぶことで、塗布径のばらつきを抑えられます。液切れを重視する場合は、テーパーノズルが効果的です。

線塗布の場合

線塗布は、シール剤の塗布やガスケット形成など、一定の軌跡に沿って連続的に液剤を塗布する用途です。ストレートノズルが一般的に使用されますが、塗布幅と吐出速度に応じた内径選定が重要です。内径が細すぎると吐出量が不足し、塗布線が途切れる原因となります。逆に太すぎると、塗布幅が広がりすぎてしまいます。

面塗布の場合

面塗布は、コーティングや防湿処理など、広い範囲に均一に液剤を塗布する用途です。フラットノズルが適しており、塗布幅に応じたスリット幅を選定します。塗布対象の面積が大きい場合は、マルチノズルと組み合わせることで、作業効率をさらに向上させることも可能です。

複雑形状への塗布の場合

入り組んだ部位や、垂直に近づけない箇所への塗布では、ベントノズルが有効です。角度は塗布対象の形状や設備配置に合わせて選定します。必要に応じて、複数の角度のベントノズルを用意し、使い分けることも検討します。

液剤別の選び方

液剤の特性によって、適したノズルは異なります。粘度、フィラーの有無、硬化特性などを考慮した選定が必要です。

低粘度液剤の場合

粘度が低い液剤は流動性が高く、糸引きや液垂れが起こりやすい傾向があります。テーパーノズルを使用することで、液切れ性能を高められます。また、内径が太すぎると、吐出停止後に液剤が垂れてしまう可能性があるため、用途に応じた適切な内径を選定することが重要です。

高粘度液剤の場合

粘度が高い液剤は流動性が低いため、十分な吐出圧力と適切な内径の確保が求められます。内径が細すぎると、吐出に時間がかかったり、圧力損失によって塗布量が安定しなかったりする可能性があります。ストレートノズルで内径に余裕を持たせた選定が基本です。また、液剤によっては加温して粘度を下げる方法と併用することもあります。

フィラー入り液剤の場合

フィラー(充填材)を含む液剤では、ノズル内でのフィラーの詰まりに注意が必要です。フィラー粒子径に対して十分な内径を確保することが前提となります。目安として、フィラー最大粒子径の数倍以上の内径が推奨されます。また、先端が極端に細くなるテーパーノズルは詰まりのリスクが高まるため、ストレートノズルが適しています。

速硬化性液剤の場合

硬化が速い液剤は、ノズル先端で液剤が固まり、詰まりを引き起こす可能性があります。内径に余裕を持たせるとともに、ノズルの材質や洗浄のしやすさも考慮します。使い捨てタイプのノズルを採用したり、定期的な交換サイクルを設けたりすることで、安定した塗布品質を維持できます。

この記事のまとめ

  1. ノズルは吐出量、塗布形状、液切れ性能を左右する重要部品であり、ディスペンサーの塗布結果に直接影響する。
  2. ストレート、テーパー、ベント、マルチ、フラットなど、形状によって適した用途が異なる。
  3. 点塗布には細径ノズル、線塗布には適切な内径のストレートノズル、面塗布にはフラットノズルが適している。
  4. 低粘度液剤にはテーパーノズル、高粘度やフィラー入り液剤には内径に余裕を持たせたストレートノズルが効果的。
  5. 液剤特性と塗布パターンの両面からノズルを選定することで、塗布品質と生産効率を向上できる。

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