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スクリューポンプ式ディスペンサーの仕組みと連続吐出の特徴

スクリューポンプ式ディスペンサーは、スクリューの回転で液剤を連続的に押し出す方式です。回転数に応じた精密な流量制御が可能で、連続塗布や高粘度液の吐出に適しています。

本記事では、スクリューポンプの仕組みや特徴、プランジャー式との違いについて解説します。

スクリューポンプとは

スクリューポンプは、らせん状の溝を持つスクリュー(ねじ)を回転させることで液体を移送するポンプの一種です。ディスペンサーにおいては、この原理を応用して接着剤や樹脂などの液剤を定量吐出します。

スクリューポンプ式ディスペンサーの特徴は、スクリューの回転運動によって液剤を連続的に押し出せる点にあります。回転数と吐出量が比例関係にあるため、回転数を制御することで流量を調整できます。また、スクリューの溝に液剤を保持しながら搬送するため、脈動(吐出量の周期的な変動)が少なく、安定した連続吐出が可能です。

産業用ディスペンサーで採用されるスクリューポンプには、主に一軸スクリュー方式があります。一軸スクリュー方式は、1本のスクリューをステーターと呼ばれる弾性体のハウジング内で回転させる構造で、スクリューとステーターの間に形成される密閉空間が液剤を搬送します。この構造により、液剤に過度なせん断力を与えずに移送できるため、せん断に弱い材料の塗布にも適しています。

動作原理

スクリューポンプ式ディスペンサーの動作原理は、スクリューの回転によって液剤を軸方向に移動させる仕組みに基づいています。

液剤の移送メカニズム

スクリューが回転すると、スクリューの溝とステーター(外周のハウジング)の間に密閉された空間が形成されます。この密閉空間は、スクリューの回転に伴って吸入側から吐出側へと移動していきます。液剤はこの移動する密閉空間に閉じ込められた状態で搬送されるため、吸入口から吐出口へと連続的に押し出されます。

一軸スクリュー方式の場合、スクリューの外径とステーターの内径の関係によって密閉性が確保されます。スクリューが回転すると、ステーターとの接触線が軸方向に移動し、この接触線によって区切られた空間が液剤を封じ込めながら移動します。

流量制御の仕組み

スクリューポンプの吐出量は、スクリューの回転数に比例します。1回転あたりの吐出量は、スクリューの溝の容積によって決まる固定値であるため、回転数を変えることで流量を精密に制御できます。

この特性により、モーターの回転数制御だけで吐出量を調整できます。連続的に塗布量を変化させたい用途や、製品ごとに異なる塗布量を設定する用途において、設定変更が容易である点がメリットです。また、回転数と吐出量の関係が明確なため、塗布条件の管理や再現性の確保がしやすいという利点もあります。

連続吐出の特徴

スクリューポンプ式は、スクリューが回転し続ける限り液剤を連続的に吐出できます。これは、往復運動を行うプランジャーポンプ式と異なり、ストロークの切り返しによる吐出の中断がないためです。

連続吐出が可能なことで、長い塗布線を途切れなく描画する用途や、一定速度で移動するワークに対して均一に塗布する用途に適しています。また、脈動が少ないため、塗布ムラの発生を抑えやすいという特徴があります。

プランジャー式との違い

ディスペンサーの容積計量方式には、スクリューポンプ式のほかにプランジャーポンプ式があります。両者は同じ容積計量方式に分類されますが、動作原理や特性に違いがあり、用途に応じた使い分けが求められます。

動作方式の違い

プランジャーポンプ式は、シリンダー内でプランジャー(ピストン)を往復運動させることで液剤を押し出す方式です。吸入行程でシリンダー内に液剤を充填し、吐出行程でプランジャーを前進させて液剤を押し出します。1回の往復動作で決まった量を吐出するため、点塗布や少量の塗布に適しています。

一方、スクリューポンプ式は回転運動によって連続的に液剤を押し出します。回転を続ける限り吐出が継続するため、連続塗布や線塗布に適しています。

吐出パターンの違い

プランジャーポンプ式は、1ショットごとに決まった量を吐出する間欠吐出に向いています。点塗布や、決まった量を繰り返し塗布する用途で高い精度を発揮します。ただし、長い塗布線を描く場合は、複数ショットをつなげる必要があり、つなぎ目の処理が課題となる場合があります。

スクリューポンプ式は、連続的な吐出に向いています。長い塗布線を途切れなく描く用途や、流量を連続的に変化させながら塗布する用途に適しています。また、脈動が少ないため、均一な塗布厚さを維持しやすい特徴があります。

対応可能な液剤の違い

プランジャーポンプ式は、低粘度から中粘度の液剤に広く対応します。構造がシンプルなため、洗浄やメンテナンスが容易である点も特徴です。ただし、フィラー(充填材)を多く含む材料では、プランジャーとシリンダー間のシール部分での摩耗や詰まりが懸念される場合があります。

スクリューポンプ式は、高粘度液やフィラー入り材料への対応力に優れています。スクリューの溝に液剤を保持しながら搬送する構造のため、フィラーが沈降しにくく、高粘度でも安定して吐出できます。また、せん断力が比較的小さいため、せん断に敏感な材料にも適しています。

選定時の考慮点

両方式の選定にあたっては、塗布パターン、液剤の性状、要求精度などを総合的に考慮する必要があります。点塗布が主体で高精度が求められる場合はプランジャーポンプ式、連続塗布や高粘度液の吐出にはスクリューポンプ式が適している傾向にあります。ただし、具体的な用途や条件によって適合性は異なるため、事前の評価やメーカーとの相談が重要です。

適した用途と液剤

スクリューポンプ式ディスペンサーは、その連続吐出性能と高粘度液への対応力を活かして、さまざまな産業分野で使用されています。

適した塗布パターン

スクリューポンプ式は、線状の塗布パターンを描く用途に適しています。シール材の塗布、接着剤のビード塗布(線状に盛り上げて塗布する方法)、ガスケット形成などが代表的な用途です。連続吐出によって途切れのない塗布線を形成できるため、気密性や水密性が求められる部位のシーリングに効果を発揮します。

また、面塗布においても活用されています。一定の流量で吐出しながらノズルを走査することで、均一な厚さの塗膜を形成できます。広い面積に樹脂をコーティングする用途や、複雑な形状の部品に沿って塗布する用途などで採用されています。

対応する液剤の特性

スクリューポンプ式は、高粘度の液剤に対応しやすい方式です。接着剤やシール材、グリースなど、粘度が高く流動性の低い材料の吐出に適しています。スクリューの回転によって強制的に液剤を押し出すため、自重では流れにくい高粘度液でも安定した吐出が可能です。

フィラー入り材料への対応も得意分野です。熱伝導性を高めるためのフィラーを含有した放熱材や、強度向上のための繊維を含む複合材料なども、スクリューポンプ式であれば安定して吐出できます。フィラーの沈降や分離を抑えながら搬送できる点が、この方式の強みです。

一方、極めて低粘度の液剤や、揮発性の高い溶剤を含む材料では、スクリューとステーターの間からの漏れが懸念される場合があります。このような液剤には、他の方式が適している場合もあります。

主な適用分野

スクリューポンプ式ディスペンサーは、自動車産業、電子機器製造、家電製造など幅広い分野で使用されています。

自動車産業では、エンジン部品やトランスミッション部品のシーリング、車体パネルの接合部への接着剤塗布などに採用されています。連続塗布による高い生産効率と、高粘度シール材への対応力が評価されています。

電子機器製造では、基板へのポッティング材の充填や、筐体のシーリングなどに使用されています。精密な流量制御が可能な点と、フィラー入りの放熱材料に対応できる点が、この分野での採用理由となっています。

家電製造では、冷蔵庫やエアコンなどの断熱材充填、洗濯機やモーターのシーリングなどに活用されています。大量生産ラインにおける連続稼働に適している点が、採用のポイントとなっています。

この記事のまとめ

  1. スクリューポンプ式ディスペンサーは、スクリューの回転運動で液剤を連続的に押し出す方式であり、回転数に応じた精密な流量制御が可能です。
  2. 脈動が少なく連続吐出に優れているため、線塗布やシーリング、ビード塗布などの用途に適しています。
  3. プランジャーポンプ式が間欠的な点塗布に向いているのに対し、スクリューポンプ式は連続塗布に強みを持ちます。
  4. 高粘度液やフィラー入り材料への対応力が高く、放熱材やシール材など幅広い液剤を安定して吐出できます。
  5. 自動車、電子機器、家電など多様な産業分野で、シーリングや接着剤塗布の自動化に活用されています。

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