射出成形とは?
射出成形とは、プラスチック樹脂を加熱溶融し、金型に射出して成形する最も一般的なプラスチック成形工法の一つです。この方法は、複雑な形状や大量生産に適しており、金型内に加熱溶融させたプラスチックを高圧で射出して成形する工法です。
一般的には射出成形機を使用して行われ、溶かし、充填し、固めるという工程で製品を作ります。この方法は、高い再現性と生産性を有しているため、幅広い製品で利用されています。
射出成形の特徴・メリット
射出成形は、その独特な製造プロセスにより、製造業における多くの課題を解決しています。ここでは、この成形方法が提供する主要な特徴とメリットについて、詳細に掘り下げてみましょう。
量産性
射出成形の最も顕著な利点の一つは、その卓越した量産能力にあります。一度設計し製作された金型を使用することで、一貫した品質と精度を持つ製品を大量に生産することが可能になります。このプロセスは繰り返し行うことができ、一度のセットアップで何千もの製品を連続して生産することができるのです。
特に、大規模な生産ラインにおいては、この高い生産効率がコスト削減に大きく貢献し、製品の市場価格を抑える要因となります。短時間での大量生産は、市場の需要に迅速に応えることを可能にし、競争力のあるビジネス運営を実現します。
幅広い用途
射出成形のもう一つの大きな特徴は、その幅広い応用範囲です。この技術は、小さな電子部品から大きな自動車部品まで、様々なサイズや形状の製品を製造することができます。
例えば、日用品から産業用品まで、私たちの身の回りにある多くの製品が射出成形によって作られています。スマートフォンのケース、自動車の内装部品、パソコンのフレーム、さらには家庭用品やおもちゃなど、その応用は非常に広範です。
この多様性は、さまざまな材料の特性を活かし、様々なデザインや機能要件を満たす製品を創出することを可能にします。
組み立て手間の省略
射出成形のもう一つの重要なメリットは、製造プロセスにおける効率性の向上です。特に、複数の部品を一つの金型で同時に成形することができるため、後工程での組み立て手間を大幅に削減できます。このことは、製品の生産時間を短縮し、労働コストを低減する効果も意味します。
また、部品の一体成形により、製品の強度と品質が向上し、組み立て時の誤差や不具合のリスクを減少させることが可能です。
このように、射出成形は製造プロセス全体の合理化に貢献し、より高品質でコスト効率の良い製品の提供を実現します。
射出成形の用途例
自動車の内装
自動車業界において、射出成形は内装部品の製造に広く利用されています。ダッシュボード、ドアパネル、エアベントなど、多くの内装部品がこの技術によって製造されています。
射出成形は、複雑な形状や多機能性を備えた部品の大量生産を可能にします。
パソコンのフレーム
パソコンやその他の電子機器のフレーム製造にも射出成形が用いられます。この技術によって、耐久性と軽量性を兼ね備えたフレームが生産され、電子機器の安定性と携帯性を高めています。
また、射出成形によって、スタイリッシュで現代的なデザインの電子機器を製造することができます。
スマートフォンのケース
スマートフォンのケース製造にも射出成形が広く用いられています。耐久性と美観を兼ね備えたスマートフォンケースは、射出成形によって多種多様なデザインや色で生産されます。
この技術は、薄型で軽量ながら強度の高いケースを製造するのに特に適しています。器が実現されています。
テレビなどの電化製品のパーツ
テレビや他の電化製品の製造にも射出成形が広く活用されています。この技術により、耐久性がありながら軽量な電化製品のパーツが効率的に生産されます。
例えば、テレビのフレームやリモコン、さらには電化製品のボタンやカバーなど、多くの部品が射出成形によって製造されています。
射出成形の工程
成形機を用いた射出成形の工程には、以下のようなステップが含まれます。
1.型締め
製造プロセスにおける最初のステップは、製品の形状に合わせて設計された型を閉じて固定することです。この工程では、射出成形機内で精密に作られた型が、製品の製造に必要な圧力に耐えられるようにしっかりと締められます。
型が正確に締められることで、溶融プラスチックが型の隙間から漏れ出ることを防ぎ、製品の寸法精度を保証します。
2.ノズルタッチ
型が固定された後、溶融したプラスチックを射出するためのノズルが型に接続されます。この工程は、溶融プラスチックが均一にかつ効率的に型内に導入されるようにするために不可欠です。
ノズルの正確な位置合わせと接続は、射出プロセスの成功に直結します。
3.射出
ノズルを介して、溶融状態のプラスチックが高圧下で型内に射入されます。この射出工程では、適切な圧力と速度で材料を射入することが、製品の品質と外観に大きく影響します。射入されたプラスチックは型の内部を満たし、製品の形状を形成します。
4.可塑化
射出成形機には、プラスチック材料を加熱し、均一に溶融させる可塑化ユニットが備わっています。この工程では、材料が適切な温度に保たれ、射出に適した流動性を持つようになります。
可塑化されたプラスチックは、型内での流動と充填を最適化し、製品の品質を高めるために重要です。
5.冷却
型内に射入された後、溶融プラスチックは冷却され、固化します。この冷却工程は、製品の寸法安定性と物理的特性を確保するために必要です。
均一な冷却は、表面の仕上がりや構造的な強度にも影響を及ぼします。
6.型開き
製品が冷却され、固化した後、型は開かれます。この工程では、製品が型から安全にかつ効率的に取り出されるように、型の開き方が慎重に設計されています。
型が開く速度や角度は、製品の品質に影響を与える可能性があるため、注意深く制御されます。
7.突き出し
最後に、製品は型から取り出されます。この突き出し工程では、射出成形機に組み込まれた突き出し機構が活用され、製品が型から滑り落ちるように力を加えられます。
このステップは、製品を傷つけることなく、迅速かつ効率的に型から分離するために最適化されています。
新潟機械「電動式射出成形機MDシリーズ」のご紹介
新潟機械が開発製造を行う「電動式射出成形機MDシリーズ」は、業界トップクラスのタイバー間隔と金型取付盤寸法を実現しており、より大きな金型の搭載が可能で、設備導入コストの削減や消費電力量の削減に貢献します。
大型な金型も搭載可能
業界トップクラスのタイバー間隔と金型取付盤寸法により、設備導入コストの低減と消費電力量の削減を実現します。
ノズル温度の高精度制御
特許技術を用いてノズル部の温度勾配を自由に変更でき、品質問題を解消します。
型締力の安定化
タイバーセンサーを全機種標準装備しており、成形品の品質バラツキを減少します。
射出圧力の正確かつ高速制御
ニイガタサーボコントロールシステムにより、高速・高応答の制御を可能にします。
高品質な厚肉成形品の実現
モーターの正逆回転制御により、低速安定性と再現性が高い厚肉成形が可能にします。
型締力分布の均等化
高剛性型盤により、型締力が均等に分布し、品質向上に貢献します。
樹脂の充填制御
樹脂流動制御と圧力制御により、成形品の品質問題を解決します。
MD-S8000
ニイガタマシンテクノ時代に発売し、その後も常に進化を続ける精密電動式射出成形機 MD シリーズの第8世代。機能と価格のバランスにおいて圧倒的なコストパフォーマンスのスタンダードモデルです。
【ラインナップ】 MD50S8000 / MD75S8000 / MD100S8000 / MD130S8000 / MD180S8000 / MD220S8000 / MD280S8000 / MD350S8000
MDV-S8000
常に顧客の生産性・ソリューションを追求し、進化し続ける全電動竪型単動式射出成形機 MDV シリーズの第8世代。多様な自動機取付バリエーションに対応したモデルです。
【ラインナップ】 MDV50S8000 / MDV75S8000
MDVR-S8000
業界 NO.1 クラスの基本性能を誇り、顧客のソリューション提案に柔軟に対応することをコンセプトに開発されたロータリーテーブル付きモデルです。
【ラインナップ】 MDVR50S8000 / MDVR75S8000 / MDVR100S8000 / MDVR150S8000
新潟機械株式会社について
伝統と格式を重んじる世界のマーケットでは、ブランドの基準として「創業百年の企業」をあげています。明治 28(1895)年の創業以来、ニイガタマシンテクノは 1 世紀以上、数々の画期的な技術を実現してきました。その中で培ってきた技術を新潟機械株式会社が承継しました。
従来の油圧式から全電動射出成形機MD10Sを開発して依頼、1996年に堅型成形機の全自動化(MDVR30)及び1998年には大型成形機の全自動化(MD850S - Ⅲ)を世界で初めて商品化して世に送り出すなど、常に業界をリードしています。
地域密着型のサービス体制
全国の主要地点に営業所・サービスセンターを配置。急なトラブル時にはお近くのサービスセンターから熟練スタッフを派遣、素早い診断とともに必要な部品を手配します。
また技術的に難易度の高い応急処置についてもご相談に応じます。
カスタマイズ対応
新潟機械における最大の強みの一つがカスタマイズへの対応力です。お客様の製造現場に最適な仕様を見つけるために一緒に考え、豊富な経験を基に最良の提案を行います。
会社概要
出店団体名 | 新潟機械株式会社 |
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所在地 | 新潟県新潟市東区岡山1300番地 |
設立 | 2022年12月 |
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