パーティクルカウンター(微粒子計測器)とは、液体中・空気中の不純物や、ダストなどの大きさと数を測定するための計測器です。半導体や精密機器を製造するためのクリーンルーム、病院の手術室などで主に使用されています。
この記事では、パーティクルカウンターの原理や、選び方などを詳しくご紹介します。
パーティクルカウンターとは、液体中・空気中・油中に含まれる、目に見えないホコリなどの異物をカウントし、清浄度をチェックするための機器です。
パーティクルカウンターは一般的に、空気中の清浄度を測定する「気中パーティクルカウンター」を指すことがほとんどであるため、ここでは気中パーティクルカウンターについてご説明します。
パーティクルカウンターの先端には、インレットノズルと呼ばれる部分があります。そこから1分間、測定場所の空気を取り込みます。
取り込んだ空気にレーザー光を当てることで、空気に含まれる粒子は散乱光を発します。その散乱光の強さから、粒子の数と大きさを測定します。
パーティクルカウンターの測定結果は、「個/m3」または、「個/cf(キュービックフィート)」で表示されます。
パーティクルカウンターは、一定の期間ごとに、正しく測定ができているかどうかを確認する「校正」と呼ばれる作業が必要です。
校正の結果、必要である場合は機器の修理やメンテナンスを行いましょう。
特に、ハンディタイプのパーティクルカウンターは、ベンチトップタイプに比べて、短いスパンでのメンテナンスが必要です。
粉塵計は粉塵の濃度を測定する機器であり、測定結果は「mg/m3」で示されます。
一般的な建物の室内や屋外で使用され、日常生活を送っている空間内にダストが排出されていないかどうかを調べるものです。
一方、パーティクルカウンターは微粒子の数と大きさを測定する機器です。
例えば、製薬会社のクリーンルームや病院の手術室など、粉塵計で測定する場所よりも、より清潔さが求められる場所で使用されます。
そして、パーティクルカウンターと用途はほぼ同じでありながら、空気中の粒子の数を連続して計測できる機器が、パーティクルセンサーです。
リアルタイムに測定ができるメリットはありますが、パーティクルカウンターと比べ、精度は落ちてしまいます。
パーティクルカウンターには、気中パーティクルカウンターのほかに液中パーティクルカウンター、油中パーティクルカウンターの2つがあります。
液中パーティクルカウンターは、液体中に含まれる粒子の計測や管理のために使用されるものです。薬液を使用する半導体の工場などで、重要な役割を果たしています。
油中パーティクルカウンターは、油の中の微粒子を計測する機器であり、油中微粒子計数器、オイルパーティクルカウンターとも呼ばれます。油圧機器を取り扱う業界で使用されています。
パーティクルカウンターの主なタイプには、以下の2つがあります。
ベンチトップタイプはハンディタイプに比べて吸引流量が大きいため、計測時間の短縮が可能なことがメリットとして挙げられます。大画面で見やすさを追求したモデルもあります。
ハンディタイプは何と言っても持ち運びやすいことがメリットであり、さまざまなポイントでの測定が可能です。ただし、吸引流量はベンチトップタイプに比べて少なくなります。
パーティクルカウンターは、さまざまなタイプのモデルが発売されています。ここでは、パーティクルカウンターを選ぶ際に重要な2つのポイントをご紹介します。
清浄度のクラスは、国際統一規格で定められているものであり、クラス1からクラス9までの、9段階に分かれています。
クラスの数字が小さいほど、粒子の上限濃度(個/㎥)が低く設定されているため、清浄度が高いと言えます。
そして、分野や業種別に求められる清浄度のクラスが異なります。
例えば、微細な粉塵でもトラブルにつながる半導体工場、精密機器を扱う工場では、目安としてクラス3からクラス5の清浄度が求められます。印刷工場や自動車部品工場では、クラス6からクラス8が求められます。
求められているクリーンルームのクラスを確認し、適切なパーティクルカウンターを購入すると良いでしょう。
パーティクルカウンターは、吸引流量と測定可能な粒子の径の種類が異なり、さまざまな組み合わせのモデルが発売されています。
計測可能な粒子の大きさは、0.1 μmから5.0μmまでの8区分のもの、0.3 μmから10μmまでの6区分のものなど幅広いです。
吸引流量は一般的に、ハンドヘルド型では2.83L/min、ポータブル型では28.3L/minです。50L/min、100L/minのモデルも発売されています。
パーティクルカウンターは一般的に「気中パーティクルカウンター」を指し、クリーンルームや手術室などで、空気の清浄度を測定するために使用されています。
さまざまなモデルが発売されているため、分野や業種ごとに用途にあったものを選択すると良いでしょう。