・半導体製造装置とは、そもそも何?
・半導体の製造工程がよく分からない
・投資先としても注目が集まる半導体製造装置メーカーについて知りたい
・半導体製造装置を支えてくれる企業が知りたい
このような疑問や悩みはありませんか。
半導体とは電気を通す「導体」とほとんど通さない「絶縁体」の中間の性質をもつ物質のことです。この性質を生かして私たちに身近なスマートフォン、家電製品、自動車部品などに広く活用されています。
この半導体の製造で欠かせないのが半導体製造装置です。ただ、半導体の製造工程はとても複雑でたくさんの工程を経なければいけません。それぞれの工程で必要な装置を総称して「半導体製造装置」と呼びます。
半導体製造装置は設計用の装置、組み立て用の装置、検査用の装置と細かく分かれていることを最初に押さえておくとイメージしやすくなるでしょう。
本記事ではイメージしづらい半導体製造装置について最低限知りたいポイントを解説します。
半導体製造装置とは、その名の通り半導体を製造するための装置のことです。ただ、半導体の製造工程はとても複雑でたくさんの工程が必要になります。
半導体の材料を洗浄する工程、フォトリソグラフィという回路のパターンを転写する工程、検査をする工程、組み立てる工程など本当に工程が多様です。これらの半導体製造に必要な装置をまとめて「半導体製造装置」と呼んでいます。
半導体メーカーといえば、米国のインテル、韓国のサムスン、台湾のTSMC(台湾セミコンダクター)、日本のキオクシアなどが有名です。これらのメーカーに必要な装置を提供しているのが「半導体製造装置メーカー」ということになります。
半導体業界では、半導体そのものを一貫して開発・設計・組み立て・検査・販売までを手がけるメーカーと半導体メーカーがあり、メーカーに必要な装置を提供してサポートをしている企業があるという構造になっています。
半導体の製造工程はとても複雑です。しかし、大きく分けて3つに分けられます。
・設計 / シリコンウエハ製造工程
・前工程
・後工程
それぞれの3つの工程の概略を確認してみましょう。
シリコンウエハは半導体製品の基盤にあたります。
シリコンの塊をウエハは薄くスライスし円状にしたものがシリコンウエハです。シリコンの原材料の珪石を加工して、金属シリコン、多結晶シリコン、単結晶シリコンへと加工を繰り返します。
また、次の工程に必要な回路の設計とシリコンウエハに回路を転写するフォトマスク作成も行います。
(シリコンウエハのイメージ図)
シリコンウエハ上にチップを作りこむまでの作業を前工程と呼びます。 概ね以下の工程を経てシリコンウエハが作られます。
・洗浄
・フォトリソグラフィ(ウエハ上に設計した回路を転写する)
・エッチング(転写されたパターンに応じて削る)
・成膜
・イオン注入
・平坦化
この一連の動きを何度も繰り返します。洗浄をする装置、フォトリソグラフィをする装置などがこの工程で使われます。これらの工程で必要な装置も全て「半導体製造装置」という枠組みに含まれます。
後工程ではシリコンウエハ上に作られた半導体チップを細かく切り出してチップ完成まで進めます。
・ダイシング(ウエハをチップとして切り出す)
・ダイボンディング(チップをピックアップして支持体に固定する)
・ワイヤボディング(配線)
・モールド(パッケージで保護)
・検査
という工程を経て半導体チップが完成します。ここで上記に挙げた工程でも、ダイシング専門の機械、ダイボンディング専門の機械などが使われます。これらの工程で使われる機械も「半導体製造装置」と呼ばれます。
ここまで細かく半導体の製造工程を見てきましたが、半導体製造のそれぞれの工程は、規模が大きく技術がなければ作れないさまざまな装置に支えられています。
製品名 | 特徴 |
---|---|
フライングプローブテスタ | 業界トップクラスの超高速インサーキットテストが可能な基板検査装置です。 |
リフトオフ装置 | ウエハーの状態に合わせ各工程及び仕様を選定し、装置をカスタマイズします。コストや作業工数の削減を実現します。 |
エッチング(洗浄)装置 | バッチ式、枚葉式いずれにも対応し、 幅広いカスタマイズ設計が可能な装置です。コストダウンに配慮した仕様を提案可能です。 |
LPKF ProtoLaserシリーズ | 社内・研究室でPCBを試作加工し、テクノロジーの未来をかたち創ります。微細加工に最も適したレーザーシステムの提供が可能です。 |
半導体電子部品向けインクジェット塗布装置 | 本格的な実験・試作〜生産まで行えるインクジェット塗布装置です。 |
従来モデルよりプラットフォームが一新され、プローブ移動速度が最大50%アップしていることに加え、コンタクト位置精度が飛躍的に向上しました。
フレキシビリティに富んだ新しい高精度・広範囲測定システムや、画期的なフライングプローブ機構によって、基板品種・生産量を問わず、実装工程における検査コストの削減・品質向上に多大な効力を発揮します。
ウエハーの状態に合わせ、 (剥離しにくい、傷つきやすい、割れやすいなど) 各工程及び仕様を選定し、装置をカスタマイズします。
リフトオフとは、露光後に金属膜を蒸着あるいはスパッタし、その後剥離液によってレジストを除去することで、パターニングした領域のみ金属膜を残す手法です。エッチングなどの工程を省けるため、コストや作業工数の削減につながります。
バッチ式、枚葉式いずれにも対応し、 幅広いカスタマイズ設計が可能な装置です。
長年培った技術を活かし、コストダウンに配慮した仕様を提案可能です。また、バッチ式エッチング装置とスピンエッチング装置はダルトンのテストセンターにてエッチングテストが可能です。
電子部品の開発は、長年にわたり驚くべきペースで進んでいます。集積回路はよりコンパクトになると同時に高周波化、シャープなエッジ、および最小スペースなどプリント基板には大きな要求が課されます。これに対して、標準のFR4材料よりも加工がはるかに難しい新しい基板材料が使用されています。LPKF Laser&Electronicsは、微細加工に最も適したレーザーシステムの提供が可能です!
パターニングから部分・全面コーティングまでこれ1台で対応可能なインクジェット塗布装置です。
●本格的な実験・試作〜生産まで行えるインクジェット塗布装置
●レジストインク、銀インク、接着材料、封止材、SU-8など幅広いインク使用可能
●薄膜(0.05μm)から厚膜(50μm)までのコーティング可能
●インク使用効率は、最大99%
●パターニングはもちろん、部分コート、ライン、ドット形成など自由自在
●CADデータから専用CAD変換ソフトウエアを使ってラクラク印刷パターン作図
●十数点の充実したオプション品から用途に応じた品を選べる実用的モデル
半導体不足の話題を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。コロナ禍に入りリモートワークの普及でパソコン、テレビ、スマートフォンなど半導体が使われる電子機器の需要が拡大しました。2023年の段階で、自動車の需要が高まっていますが半導体不足で納車が遅れることも少なくありません。
また、米中の貿易摩擦、サプライチェーンの混乱など供給面の問題も半導体不足の原因とされています。
しかし、半導体不足の解消のため半導体製造に関連するメーカーは、設備投資を活性化するのではないかという投資家の思惑もあり、半導体製造装置メーカーは製造業担当者だけではなく投資家にも注目されています。
・東京エレクトロン
・アドバンテスト
・レーザーテック
・ディスコ
・東京精密
日本の上場企業で半導体製造装置の分野で有名な企業です。
それぞれ半導体製造装置のメーカーなのですが得意な工程は異なります。東京エレクトロンは半導体製造装置の世界シェアで2021年に3位になった大手企業でフォトリソグラフィや成膜工程に強みがあると言われています。
アドバンステストはウエハ検査の工程、レーザーテックはフォトマスク関連装置、ディスコはウエハの研磨とダイシング、東京精密はウエハ検査に強みがあるなど各社に特徴があります。
日本の半導体装置メーカーは実は世界的にも注目されている企業が多く、日本が世界に誇る業種のひとつと言っても過言ではありません。
・アプライド・マテリアルズ(アメリカ)
・ラムリサーチ(アメリカ)
・ASML(オランダ)
・KLA(アメリカ)
・テラダイン(アメリカ)
世界の半導体製造装置メーカーで売上高の上位はASML以外、アメリカの企業が占めています。
特に有名なのがアプライド・マテリアルズで、多様な半導体製造工程に必要な装置のほぼ全てをカバーしている世界No.1の半導体装置メーカーと言われています。
ラムリサーチは洗浄、エッチング、薄膜堆積が得意。ASMLはフォトリソグラフィ、KLAは検査装置、テラダインは半導体製造の後工程に強みがあるなどの特徴があります。
製造業の方なら世界の半導体製造装置メーカーの動向を追うのも、仕事上何かの参考になるのではないでしょうか。
半導体製造装置について解説しました。
最後に結論をまとめます。
・半導体製造装置とは、半導体の製造工程でそれぞれ必要な装置全般のこと
・半導体の製造工程には①設計・シリコンウエハ製造工程、②前工程(シリコンウエハ上にチップを作りこむまでの作業)、③後工程(半導体チップを細かく切り出してチップ完成まで進める)の3つがある
・半導体需要の増加により設備投資が活発になり、半導体製造装置のメーカーは国内外で投資先としても注目されている。
・半導体製造装置関連の確かな技術をもった会社を探すならエボルトのページも参考になる
半導体製造装置について最低限、おさえておきたいポイントを解説しました。半導体関連の確かな技術をもつ企業を探しているという方はエボルトのページも参考にしてみてください。