プラスチック(樹脂)は私たちの身近でよく利用される素材であり、プラスチックから作られた製品に日常的に触れています。また、バッグ、カーテン、椅子の生地など、見た目ではプラスチックであることが分からない製品も存在します。プラスチックは軽量性、コスト効率の良さ、大量生産が可能であることに加え、加工が比較的容易である特徴を有しており、私たちの暮らしはもちろん、産業社会を支える素材としても欠かせないものとして広く活用されているのです。
今回は、プラスチック加工の特徴(メリット・デメリット)や、加工方法の種類、おすすめ企業による関連技術・サービスをご紹介させていただきます。プラスチックを活用した製品開発等に関心のある企業様は、ぜひ自社に合った技術・サービスがないか探してみてください。
プラスチック(樹脂)は植物から採取できる樹液のことを指しますが、このように自然から採取できるものを天然樹脂と呼び、人工的に生成するものを合成樹脂と呼びます。天然樹脂は水に溶けにくく、アルコール等の有機溶媒に溶けやすい特徴を持ちます。一方、合成樹脂は軽量かつ電気を通さない絶縁体であり、耐薬品性に優れている特徴があります。
プラスチック・樹脂は、成形加工・切削加工・3Dプリント・曲げ加工・接着加工など様々な工法によって加工を施され、幅広い用途で使用されています。
日常生活においては、フライパン・鍋・ラップフィルム・ペットボトル容器等の台所用品類、消しゴム・定規等の文具類、電化製品の一部など、あらゆるシーンでブラスチックが活躍しています。
元来、プラスチックは植物から採取される樹液のことを意味していましたが、近年おいてのプラスチックは一般的に熱硬化性プラスチックと熱可塑性プラスチックに分類されます。
熱可塑性プラスチックは加熱するとやわらかくなり、何度も成形を施すことができる特性を持つプラスチックです。逆に冷やすと固まる特性を持つため、加熱による液体化と冷却による固体化の特性を指し、「チョコレート型」とも呼ばれます。熱可塑性プラスチックは生産性が高く、様々な成形工法を適用できる長所を持つため、日本国内においては熱硬化性と比較して生産量が約10倍にもなっています。
【熱可塑性プラスチックの種類例】
ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ABS、ポリメチルメタクリル、ポリ塩化ビニル等
一方の熱硬化性のプラスチックは加熱しても液体に戻ることはありません。加熱を繰り返すと最初はやわらかくなるものの、段階的に硬くなっていき、熱硬化性プラスチックは一度しか成形ができません。また、熱可塑性プラスチックと比較して強固かつ耐熱性である特徴を持ちます。
プラスチックは様々な加工方法によって、私たちの生活に欠かせない製品へと生成されています。プラスチックの加工は、材料となるプラスチックを溶かし(可塑化)、液状となったプラスチックを型に流し込み(成形)、液状のプラスチックを冷却することで固める(固化)という3つの工程で成り立っています。
今回は具体的な成形・加工方法として、「成形加工」「切削加工」「3Dプリント」「曲げ加工」「接着加工」という5種の特徴をご紹介します。
成形加工は型に液状のプラスチックを流し込み、冷却することで固定化する加工方法です。成形加工で用いる金型は安価ではなく、初期費用が掛かる分、金型が破損するまで成形をすることができるため、大量生産に向いている加工方法と言えます。
成形加工の代表例として、射出成形・ブロー成形・押出成形・圧縮成形等が挙げられます。例えばブロー成形は、ペットボトル容器等の中空製品を大量に生産する際に用いられることが多い加工方法です。
成形加工が金型を用いて加工するのと比較して、切削加工はマシニング等やNC旋盤等の工具を用いて切削する加工方法です。大量生産よりも、細かい仕様変更や複数回の試作が求められるケースなどで重宝されています。
近年、様々なシーンで活用されつつある3Dプリンターですが、プラスチック加工においてもその普及が進んでいます。パソコン内で作成した立体データをデータ通りにプリントできるため、複雑な構造や仕様を生成することが可能です。
プラスチックは加熱することでやわらかくなる特性を持ちます。そのタイミングで力を加えて曲げるのが曲げ加工という加工方法です。曲がった形状が求められる製品に対して有効であり、プラスチック製品に綺麗なカーブ形状を生成することができます。 接着加工は溶剤によって溶かしたプラスチックを一体化させる加工方法です。複雑な構造や綺麗な美観が求められる製品を生成する際に重宝されています。
製品名 | 特徴 |
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ペレット異物選別機 TS-7400シリーズ | 検出と除去の技術で、 原料の高品質化、検査の自動化、樹脂のリサイクルを実現します。 |
不織布成形技術 | 不織布の特徴を最大限に生かし、お客様の求める価値を最大限に創出します。 |
Cora5001・MCReシリーズ | 適切な構造特性の分析が可能なラマン分光計・レオメータをご紹介します。 |
受託粉砕 | 熱可塑性プラスチックや熱硬化性プラスチック、難燃剤や吸水性樹脂などのお客様からお預かりした材料をご希望の粒子径に粉砕・分級しお返しするサービスです。 |
動的粘弾性測定装置 Discovery DMA850 | 正確、精密、用途の広いDMA測定が可能!高剛性材料に最適な粘弾性測定装置です。 |
e-PEP システム | 使用済みプラスチックを自社のエネルギーとして利用し、廃棄物として排出することなく、小型で高効率な設備に接続できます。さらに、排ガス規制基準の1/40のクリーンな排気を実現し、排出抑制や再資源化の新たな選択肢となります。 |
高耐熱PTFE潤滑用添加剤 KTシリーズ | 独自技術で開発したPTFE (4フッ化エチレン樹脂)の微粉末で、合成樹脂の摩擦・摩耗特性の改良剤として広く使用されています。 |
プラスチック射出成形のトータルメーカー | 創業57年を迎えた樹脂の射出成形メーカーです。 |
異種金属接合技術「AKROSE」 | 「冷間圧造技術」を活かした新発想の接合技術です。 |
金属除去Purifier | 脱メタルを目指し、半導体材料向け金属除去製品を幅広くラインナップしております。 |
独自の画像処理技術をシーズとする事で、プラスチックペレットを始め、リサイクル・再生材、海外輸入材料、PETフレーク、破砕品などに混入する異物を、選別機で効率的に除去する事が可能になります。
選別機を使い高品質化させる事で成形不良品が減少し、製品歩留の向上や、リサイクルやコストダウンに繋がります。
これらを実現する為には多くの労力が必要になりますが、異物選別機を使う事で、検査の自動化や、作業の軽労化・省力化も可能になります。
不織布には幅広い分野で活躍できる柔軟性があり、それを大塚産業マテリアルの加工技術によって機能性、デザイン性また独創性を持った製品を創出することができます。さらに連続成形や4方向逆テーパー成形、また深絞り成形といった様々な技術を用いることで、生産性・独自性を合わせ持っております。
この技術を用いて、普段目に見えない自動車や鉄道の内装部品や複雑な形状の梱包材、さらにはバスケットやモバイルバッグなどの目に見える製品といった幅広い分野でこの技術は活用することができます。
プラスチック特有の性質を持たせるには、高度に架橋された分子構造、安定剤、色、添加剤などの処方が必要です。
アントンパールの分析装置を用いれば、適切な構造特性の分析が可能です。
受託粉砕とは、お客様からお預かりした材料をご希望の粒子径に粉砕・分級しお返しするサービスです。主に各種、熱可塑性プラスチックや熱硬化性プラスチック、難燃剤や吸水性樹脂などの化成品の実績がございます。
非接触式で、応力を正確にコントロールするリニアドライブテクノロジーや低摩擦であるエアベアリングなどの先端技術を搭載したDMAです。応力は優れた感度と分解能を提供するオプティカルエンコーダー技術を利用して測定されます。独自の設計を備えた当製品は、複合体を含む高剛性アプリケーションに適しています。幅広い温度範囲で非常に正確かつ再現可能な機械的特性の測定を実現し、これまでになく容易に優れたDMAデータを取得できます。
『e-PEP システム』は、使用済みプラスチックを廃プラとして外部へ排出することなく自社のエネルギーとして利用できます。小型・高効率で既設設備に干渉なく接続が可能。排ガス規制基準の1/40のクリーンな排気を実現。プラスチック資源循環促進法でも掲げられている排出抑制、再資源化の新たな選択肢となります。
KTシリーズは、独自の技術で開発したPTFE (4フッ化エチレン樹脂)の微粉末で、合成樹脂の摩擦・摩耗特性の改良剤として広く使用されています。合成樹脂等にKTシリーズを添加するだけで、PTFE特有の優れた性質を付与できます。
KTシリーズは融点以上でも分解・メルトフローしないため、成形温度400℃以上の樹脂への添加も可能です。さらにKTシリーズは電離放射線による分子量調整が無いため、PFOAなどのPFCAs副成がありません。
三光化成は創業57年を迎えた樹脂の射出成形メーカーです。
大きな特色は、15~850tonの幅広い成形機による対応力、国内10拠点+海外3拠点に展開する生産インフラ、自社の金型工場での技術開発、各分野の品質要求に応える工場体制、金属/樹脂3Dプリンターなど最新機器を積極導入している点です。
異種金属接合技術「AKROSE」は、市場トレンドである2種以上のマルチマテリアル化に対応した、新発想の接合技術です。
・常温環境における1回のプレスで、「所定形状への成形」と「部材同士の接合」を 同時に行うことが可能。
・冷間圧造を応用した技術を用い、工程を単純化。それを通じて、「密着性」と「接合強度」を高水準で両立。
・接合箇所や接合強度を調節することができるため、自由な発想で設計が可能。2種以上のマルチマテリアル化にも適応。
Cobetterでは、新規機能膜の開発やフィルタ構造の最適化により、困難とされてきた強アルカリ水溶液や酸性溶液からの金属除去が高効率で達成可能になるIongardシリーズやリソグラフィ工程に使用される薬液に適したNylonpolarやMGS2Mシリーズ、またガス向けに開発されたGasPuriadv等のラインナップがあり、高効率で高寿命の金属除去を行えます。
プラスチック加工には金属等の加工と比較して、軽くて強度のある製品が作れるメリットがある一方で、耐熱性が低い等のデメリットもあります。
プラスチックは私たちの日常生活で広く普及している通り、優れた特性を持つ材料です。その加工方法は今回ご紹介した通り様々な種類がありますが、プラスチックの特性にまつわるメリット・デメリットを含め、各加工方法の特徴を踏まえた上で、目的に応じた適切な加工方法を選択する必要があります。目的に適した材料選びと加工方法の選択が、プラスチック加工において最も重要な観点です。