圧力測定器・圧力計の基礎
圧力計とは?
圧力計は、気体や液体の圧力を測定するための測定器です。一般的に、密閉された容器内の圧力を導出するために使用されます。工業、製造、化学、医療、エネルギーなどさまざまな分野で使用され、プロセス制御や品質管理などに活用されています。
圧力計の種類
圧力計には、重錘形圧力計、U字管マノメータ、拡散型半導体歪ゲージ、レゾナントセンサ、ブルトン管圧力計などがあり、それぞれ原理や特徴が異なります。
MT300は、シリコンレゾナントセンサを搭載しており、同センサの差圧に対する感度は、半導体技術を利用した圧力計であるピエゾ抵抗センサの約4倍です。これに対し、温度や静圧といった外乱による信号の変化はピエゾ抵抗センサよりも1桁小さく、優れた感度とハイレンジアビリティを有しています。
産業分野における圧力計測の重要性
産業分野における計測は、Precision(精度・正確性)を実現するための重要な手段です。
わたしたちは、100年にわたって様々な計測ソリューションを、研究・開発・製造分野に提供してきました。
その歴史の中で、お客様の製品や技術を最適な解に追い込むための正確で精密な物差しとして、また、さまざまな産業分野のPA(プロセスオートメーション)、FA(ファクトリーオートメーション)などの設備保全・対策ならびに安全管理ツールとして、重要な役割を担う計測器をご提供してきました。
引き続き、EV自動車・燃料電池や高密度バッテリの活用等の新たな計測ニーズや、持続可能社会の実現、WELL-BEINGの実現に向け、次世代の計測ソリューションで貢献いたします。
高確度、高分解能、そして長期にわたる安定圧力計測を実現したMT300
MT300は、横河計測が誇る高精度デジタル圧力計です。微差圧から高圧まで計測可能で、高確度かつ長期安定性を実現し、あらゆる圧力測定ニーズに対応します。
特長1:豊富なラインアップ
MT300は、圧力計3モデル、13レンジをラインアップしています。 豊富なラインアップで、お客様のアプリケーションに応じて、最適な圧力計モデル、レンジをお選びいただけます。
また、医療関係のお客様向けに、生体内圧力計量機器、または血圧計量機器の開発・生産などの用途を目的に、「生体内の圧力の計量」、「血圧の計量」に限定してmmHgやmmH2O、Torr等の法定計量単位として認められている 非SI単位が表示可能なモデルもラインアップしております。
特長2 | 高確度、長期安定
横河独自開発のシリコンレゾナントセンサの採用により、0.01%の高い測定確度を実現しています。 また、長年にわたり蓄積した測定データが裏付ける長期安定性能により、12ヵ月間、測定確度を保証しています。
特長3 | 様々な圧力計測ニーズをサポートする豊富な機能
高精度な測定をサポートする各種機能
①高分解能表示
圧力測定値の表示分解能を上げることで、より高精度の圧力測定が実現できます。 また、校正環境構築においては、校正環境全体の不確かさを下げることが可能です。
②高速測定
圧力の過渡応答状態の観測など、高速な圧力変動を確実にとらえます。アプリケーションに応じて、標準、中速、高速の3つのモードから、選択していただけます。
③同期測定
異なる測定対象を同時に測定する場合、同期機能を使用することで、より高い精度で相関を検証できます。
効率的な作業をサポートする各種機能
①リークテスト
単位時間当たりの圧力変化量(リークレート)を測定します。圧力システム内の密閉性の確認にご利用いただける機能です。
②スケーリング
スケーリング機能を用いて測定値に固有の係数を付与することで、お客様独自の換算値を表示することができます。
③統計処理
連続で取得したデータに統計処理をかけることができます。取得したデータの最大値、最小値、平均値、標準偏差を表示します。
外部機器との連携をサポートする各種機能
①出力機能
測定値のD/A変換信号を外部端子から出力し、測定システムや記録計などへのデータ出力が簡単に行えます。また、上限値・下限値を設定して測定値を判定し、その結果を出力するコンパレータ機能も備えています。これらの機能は、圧力関連製品の製造・検査ラインの自動化などに活用いただけます。
②通信インタフェース
GP-IB、USB、ETHERNETを標準搭載しており、お客様の計測システムの拡張や更新を容易に行っていただけます。
③データストア機能
測定したデータを本体内部ストレージに保存することができます。ストアしたデータは、USBなどの通信機能により容易にPCに取り込むことができ、データの解析や検証、レポート作成などに活用可能です。
フィールド機器の校正業務を支援
電力、ガス、原子力、化学・石油精製・石油化学、薬品など、プロセスオートメーションのフィールドには、圧力、温度、流量などの計測を行う各種のセンサが、大量に使用されています。
これらのセンサは定期的に校正が施され、プラントの生産物などの品質が一定に保たれています。なかでも圧力の測定を行う差圧・圧力伝送器は、その使用数量の多さからフィールドで計装された状態で校正されることが多く、プラントのメンテナンス作業としても作業量が多いため、その作業効率改善が設備稼働率向上などのキーポイントとなっています。
MT300は、トランスデューサなどへの電源供給が可能な24VDC出力、計装信号(1-5V、4-20mA)の測定が可能なDCV、DCA測定、またリチウムイオンバッテリ駆動により、AC電源のない環境に持ちだすことが可能で、その校正業務の効率化に大きく貢献します。
MT300を支えるYOKOGAWAの高性能と信頼性
独自で開発・設計したシリコンレゾナントセンサ
シリコンレゾナントセンサとは
シリコンレゾナントセンサは、 YOKOGAWAが世界で初めて自社開発に成功した、高性能センサです。シリコンレゾナントセンサは、計装の高度化にともなう高精度要求に対応でき、また従来より過酷な環境でも長期に安定した計測を行なうことを可能にしました。
シリコンレゾナントセンサの構造
シリコンウエハ上に半導体プロセス技術で作られた振動子を永久磁石で励振し、Siダイヤフラムに圧力が加えられると振動子に歪が発生し、共振周波数が変化します。
シリコンレゾナントセンサの特長
独自開発のシリコンレゾナントセンサは、安定性・再現性・感度・温度特性など『正確な計測』に要求される条件を満足する優れた特性をもちあわせています。
高い感度と分解能、優れた長期安定性 | 振動子が真空状態に置かれているため、振動エネルギーの放散が減少し、単結晶シリコンの優れた弾性特性との相乗効果で高いQ値を得る事ができます。 |
---|---|
極めて小さい温度依存性 | 2個の振動子を使用し、圧力は2つの固有振動数の差から求める差動方式をとっており、周囲温度のような外部環境の影響を相殺できます。また振動子が真空状態にあり、周囲温度や湿度などの影響を受けません。 |
圧力標準の国際比較用仲介器
シリコンレゾナントセンサのもつ高い性能と長期にわたる安定性の評価結果から、圧力標準の国際比較用仲介器としてYOKOGAWAのデジタル圧力計、圧力センサーが採用されています。
※仲介器(トランスファースタンダード):標準を比較するための仲介用として用いられる標準器
アプリケーション例
CASE1 重錘形圧力天びんによる圧力校正 | 大気圧の揺動を排除した測定を実現
重錘形圧力天びんを用いて校正をする場合、圧力計を接続し、校正された値が正しく発生されているかをモニターにて確認する必要がありますが、発生された圧力値については大気圧の変化が影響するため、環境測定も重要なポイントになります。 MT300絶対圧モデルは、環境測定として大気圧を高精度に監視、測定することで、重錘型圧力天びんの発生した値に対し、大気圧の揺動を排除した結果を出すために効果を発揮します。
CASE2 エアコンの冷暖房・除湿能力測定 | 圧力変化を迅速にキャッチ
エアコンの冷暖房能力は、風量測定ノズルの前後の圧力差と空気の温度・湿度から性能を算出します。この評価試験は、平衡状態(気圧内圧と外気圧が等しい状態)で行う必要があるため、あわせて内圧と外圧を測定する必要があります。/F1オプションにより、空気層内圧を迅速に確認できます。
CASE3 人工呼吸器の内蔵デバイスの検査
風洞試験装置の基準となる風速は、ピトー管を介して得られる 全圧(Pt)と静圧(Ps)を精度の高い差圧計を用いて測定でき ます。 また、気象測器である風速計は、検定時に風速の比較検査が 行われております。MT300は豊富なレンジラインアップにより、様々な風速に対応が可能ですので、基準風速の測定用として公的機関に採用されています。
CASE4 風洞試験装置におけるピトー管を用いた風速測定
風洞試験装置の基準となる風速は、ピトー管を介して得られる全圧(Pt)と静圧(Ps)を精度の高い差圧計を用いて測定できます。
また、気象測器である風速計は、検定時に風速の比較検査が行われております。
MT300は豊富なレンジラインアップにより、様々な風速に対応が可能ですので、基準風速の測定用として公的機関に採用されています。
横河計測株式会社
100年以上の歴史と実績を持つ計測機器メーカー
横河計測は、YOKOGAWAグループにおいて産業のマザーツールである測定器ビジネスを展開してきました。
長年にわたり高精度計測技術と品質第一の精神を培うことで、他社には真似できない唯一無二の信頼性と技術力を獲得しています。
また、当社が扱う計測事業は、YOKOGAWAグループの主力3事業の内の一つ。世界的に知られたYOKOGAWAブランドの計測事業における技術的中核を担う企業として、大きな責任と影響力を有しています。
世界トップクラスの市場シェア
当社製品の半分以上は海外向けに輸出されており、北米など世界中で当社の製品が使われています。 横河計測は、世界トップクラスのシェアを誇る計測機器メーカーです。
会社概要
出展団体名 | 横河計測株式会社 |
---|---|
所在地 | 〒192-8566 東京都 八王子市明神町四丁目9番8号 京王八王子明神町ビル |
設立年月 | 1954年07月 |
従業員規模 | 101名-500名 |
URL |
横河計測株式会社
PRECISION MAKING
Precisionの心は正確に、誠実にものづくりに取り組むことだと私たちは考えます。
製品や技術の最適解を導き出すためには、どんな小さな変化でも評価、検証できるような正確で精密な物差しが必要です。
Precisionとは高い精度と確かな再現性を兼ね備えたものであり、すべてのお客様のご期待にお応えできる品質とサービスを提供し続けたいという気持ちが込められています。
出展団体名 | 横河計測株式会社 |
---|---|
所在地 | 〒192-8566東京都八王子市明神町四丁目9番8号京王八王子明神町ビル |
設立年月 | 1954年07月 |
従業員規模 | 101名-500名 |
URL | https://tmi.yokogawa.com/jp/ |