X線検査装置とは | 機器の原理・活用分野・導入メリットを解説

X線検査装置とは？

X線検査装置は、X線を利用して物体の内部を非破壊で検査する装置です。X線は電磁波の一種で、物体を透過する性質を持ち、密度の高い物質（例えば金属や骨など）は透過せず、密度の低い物質（例えば紙や皮膚など）は透過します。

この特性を利用して、物体の内部構造や異物の有無を確認することができます。

X線検査装置の活用分野

X線検査装置は製品の品質管理、安全性確保、研究開発の効率化に大きく貢献しています。

X線検査装置のメリット

検査品質の向上

X線検査装置を使用することで、人間の目視では気づきにくい微細な欠陥も確実に発見することができます。例えば、微小な亀裂や異物の混入、内部の気泡など、目視では確認できない欠陥を高解像度の画像によって検出できます。

さらに、装置による自動判定機能により、検査基準に従った均一な品質検査が可能となり、検査結果の信頼性が向上します。

非破壊検査が可能

X線の透過性を利用することで、製品を破壊することなく内部の構造や異物の混入状況を詳しく調べることができます。製品を傷つけることなく検査が行えるため、検査後もそのまま製品として出荷することが可能です。

特に、医療機器や航空宇宙部品など、高い信頼性が求められる分野での品質保証に大きなメリットがあります。

人的コストの削減

X線検査装置の導入により、従来は多数の人手が必要だった検査工程を自動化することができます。人件費の削減が図れるだけでなく、検査員の負担軽減にも繋がります。

また、装置による検査は一貫した精度で行われるため、従業員のスキル差による検査品質のばらつきを抑えることができます。
さらに、急な欠員や人手不足の問題も回避できるため、安定した生産体制を維持することができます。

多様な検査が可能

X線検査装置は、異物検出に加えて、形状検査、個数検査、質量検査など、様々な検査項目に対応しています。1台の装置で多種多様な検査ニーズを満たすことが可能です。

例えば、食品業界では異物混入のチェックに、製造業では部品の形状や内部構造の確認に活用できます。多機能な検査装置を導入することで、設備投資のコストパフォーマンスも向上します。

生産性の向上

自動化されたX線検査装置を導入することで、検査にかかる時間を短縮させ、検査速度が大幅に向上し、生産ラインのスループットを高めることができます。製品の市場投入までのリードタイムを短縮することができるため、生産効率が向上します。

また、人的ミスが減ることで、品質が安定し、全体的な生産品質の向上にも寄与します。 

安全性の確保

X線検査装置は、適切な使用と法規制の遵守により、安全に使用することが可能です。装置には安全機構が備わっており、作業者が誤って被曝しないように設計されています。また、定期的なメンテナンスと法定検査を行うことで、装置の安全性と信頼性を維持することができます。

高精度な検査を行いながらも、作業者の健康と安全を確保することができます。

X線検査装置の種類と選び方

X線検査装置には主に以下のような種類があり、検査対象の大きさ、材質、求められる検出精度などに応じて選択されます。また、X線出力や検出器の性能、画像処理技術などによっても性能が異なります。

標準モデル

一般的な食品や工業製品の検査に使用される基本的なX線検査装置です。このモデルは異物検出や形状検査などの基本的な機能を備えており、幅広い用途に対応できます。使いやすいインターフェースと迅速な検査結果を提供するため、多くの生産現場で標準装備として採用されています。

デュアルエナジーセンサー搭載モデル

2種類のセンサーで異なるエネルギーのX線を測定することにより、より鮮明に異物を検出できる高性能モデルです。この技術により、特に低密度の異物の検出が容易になり、食品や医薬品などの品質管理において高い信頼性を提供します。異物の種類や材質に応じて適切な検出が可能です。

大箱・大袋向けモデル

大型の製品や包装を検査するために設計されたX線検査装置です。検査可能な製品サイズが大きく、工場や倉庫で使用される大箱や大袋入りの製品の品質管理に最適です。高いスループットを実現し、大量生産ラインでも効率的に検査を行うことができます。

CT検査装置

X線を使って対象物の3D画像を作成し、内部構造をより詳細に分析できる高度な装置です。CT（コンピュータ断層撮影）技術により、複雑な内部構造の精密な検査が可能で、工業製品や医療機器の開発・製造プロセスで不可欠なツールです。欠陥の早期発見や製品の品質向上に寄与します。

ポータブル型装置

移動可能な小型のX線検査装置で、現場での検査や大型の固定物の検査に使用されます。この装置は持ち運びが容易で、建設現場や船舶、航空機のメンテナンスなど、従来の固定式装置では対応が難しい場所での使用に最適です。迅速なセットアップと操作性に優れています。

食品専用モデル

食品業界向けに最適化されたX線検査装置で、異物検出だけでなく、欠品や形状不良なども検出できます。食品の安全性と品質管理を強化するために設計されており、さまざまな食品の特性に合わせた高度な検査機能を備えています。高感度のセンサーと精密な検出アルゴリズムにより、消費者の信頼を確保しま
す。

工業用高精度モデル

電子機器や精密部品などの検査に使用される高精度なX線検査装置です。このモデルは微小な欠陥や内部構造の詳細な分析が可能で、高い精度を要求される製品の検査に適しています。非破壊検査技術により、製品の品質を保ちながら迅速に欠陥を発見し、製造プロセスの効率化とコスト削減を実現します。

システムスクエア「X線検査装置」のご紹介

システムスクエアは、食品や医薬品などの異物検査に特化したX線検査装置を提供しています。

システムスクエアのX線検査装置は、食品業界や医薬品業界など、高い品質管理が求められる分野で広く活用されています。異物検出の精度が高く、多機能性と柔軟性を兼ね備えた製品ラインナップが特徴です。