ネジ締め機・ネジ締めロボットとは、従来、人が行なってきたネジ締め業務を代替することができる機械です。近年では、ハンディタイプに代わり、ロボットタイプの台頭が注視されています。この記事では、ネジ締めロボットのメリット、導入時の確認事項などを解説するとともに、おすすめネジ締め機・ネジ締めロボットの紹介をします。
ネジ締め機・ネジ締めロボットとは、従来人が行なってきたネジ締め業務を代替することができる機械です。これらを導入することによって、ネジ締めの工程が自動化・半自動化することができます。これまではハンディタイプのネジ締め機が人に代わる代替手法としては主流だったのが、近年ではロボットタイプのものも台頭してきています。
ハンディタイプであってもロボットタイプであっても、それぞれにメリット・デメリットがありますが、ロボットタイプの方がよりネジ締め工程の自動化に貢献できる特徴を持ちます。
ネジ締めロボットとは、ネジを供給する機器、ネジ締めを行う電動ドライバー、そしてその駆動を実現するロボット・コントローラーによって構成されているのが一般的です。ネジ締めロボットには多くの種類がありますが、直交座標ロボットや、二つのアームを有する双腕ネジ締めロボットや、駆動しやすい多関節のスカラロボットなどが用いられることが多いです。
一般的にロボットをネジ締め工程に活用する際は、ロボットのアームの先端に電動ドライバーを取り付けます。そして、ロボットによる位置情報機能と電動ドライバーによるトルクコントロール機能によって正確なネジ締めを実現します。
製品名 | 特徴 |
---|---|
自動ねじ締め機 | ねじ締め工程の自動化とエラー検知により品質向上を実現します。 |
TMロボット | ロボットとカメラ・ビジョン機能が統合された、簡単操作の革新的なユーザーインターフェース搭載の、国際安全規格を取得した協働ロボットです。 |
協働ロボット/ MoMoCo | このロボットはサーボモーターを使用しており、安全柵は必要なく、力と圧力の制限についてもISO/TS 15066に準拠しています。リスクアセスメントによって安全性が確認されれば、安全教育は不要で協働ロボットとして使用できます。産業用ロボットからは除外されます。 |
ヒト型ロボット「NEXTAGE」 | 製造現場の安全性確保と生産性向上を目的に開発された汎用性の高いヒト型ロボットです。2009年以来、幅広い業界に導入され、作業の自動化を実現。2018年にはモデルチェンジし、基本性能の向上やオプションラインナップの充実などが実現されました。 |
COBOTTA | 人にやさしいフォルムで持ち運びしやすく、専門知識不要で簡単に作業を自動化できる産業用人協働ロボットです。人手不足を解消し、創造的な仕事を促進します。 |
本締め・仮締め・緩め・仮入れ・仮入れねじの本締めなど
各種のねじ締め工程の自動化を容易に実現。
各種エラー検知により生産品質を向上させます。
TMロボットは、「SMART・SIMPLE・SAFE」のコンセプトで作られたロボットです。【SMART】ロボットとカメラ・ビジョン機能が統合された・【SIMPLE】簡単操作の革新的なユーザーインターフェース搭載の・【SAFE】国際安全規格を取得した協働ロボットです。
モータ定格80W以下のサーボモータを使用しておりますので 産業用ロボット からは除外され JIS B8433-1/2:2015(ISO 10218-1/2)の対象にならず、安全柵の規制はありませんが(厚生労働省告示第51号)、安全柵を必用とする産業用ロボットを協働ロボットとして使用する場合に要求している項目のうち、Method4:Power and force limiting(力と圧力の制限)においても 技術仕様書ISO/TS 15066に準拠させています。
NEXTAGEは、「人と一緒に働くヒト型ロボット」というコンセプトのもと、製造現場の安全性確保と生産性の向上を目的に開発されました。
頭部と両腕にカメラを持ち、周囲の環境や作業対象を認識しながら作業することが可能な汎用性の高いロボットです。
人にやさしいフォルムに、持ち運びしやすい小さな体。どこでも自由に連れて行き、すぐに作業を自動化する。しかも、専門知識を持たずとも、驚くほど簡単に。人手が足りないからちょっと手伝ってほしい、単純作業はロボットに任せてもっと創造的な仕事をしたい等、ユーザのニーズや使い方次第で、どこまでも無限に可能性を広げる製品です。
ネジ締め機・ネジ締めロボットを導入するメリットは数多くありますが、ここでは「精度の向上」・「自動化による生産量の増加」・「品質改善」の3つのメリットをご紹介します。
ネジ締め業務の中でよく挙げられる課題感として、正確性とスピードの両立があります。つまり、作業効率を上げながらネジ締めの精度を保つということに課題を感じている製造現場が多いということです。そこで、ネジ締め機・ネジ締めロボットを導入することによって、ネジ締めトルクを精密に管理できるようになるため、ネジ締め精度の安定化を見込むことができます。
また、トルクを一定に保てることによって、安定的な連続したネジ締めができるようになるため、ネジ締め工程を自動化することができ、結果的に全体の生産量の増加を見込むことができます。自動化のポイントは脱属人化にありますが、ネジ締め工程を機械に代替することで、精度の向上と生産量増加の両立を実現可能です。
近年では、ネジ浮き・ネジ空転・ネジ穴つぶれ・ネジの詰まり・ネジ供給エラーなど、各種エラーを検知できる機能を有したロボットも多く、品質向上を期待することができます。
ネジ締め機・ネジ締めロボットを活用することで、ネジ締め工程にまつわる様々な課題点を解決することができます。
しかし、専門のネジ締め機を導入するのではなく、ロボットを導入する際は注意が必要です。というのも、ロボットの場合はカスタマイズをしてネジ締めの駆動を実現させるように構築するのが一般的なため、どのロボットが自社のネジ締め工程に適しているかをしっかりと見極める必要があるからです。多関節に特徴を持つロボットが良いのか、あるいは双腕タイプのロボットが良いのかなど、克服したい課題感とロボットの特徴がマッチしているかを必ず確認するようにしましょう。
工場の製造ラインにネジ締めロボットを導入すると、ネジ締めの工程を自動化することができ、「締め付け精度の向上」「生産量の増加」「品質改善」の効果をもたらします。近年ではセンサーが付属しているタイプのものも登場しており、品質向上により一層貢献ができる手段としてますます期待を集めています。
ネジ締め工程における課題点を抱えている企業は、ぜひ一度、ネジ締めロボットの導入を検討してみてはいかがでしょうか?