産業用ロボットとは、人の代わりに製造ラインでの組立作業などを行う機械(ロボット)のことを指します。この記事では、産業用ロボットの種類別特徴や、おすすめ製品をご紹介しています。
産業用ロボットとは、人の代わりに製造ラインでの組立作業などを行う機械(ロボット)のことを指します。
使用用途は様々ではあるものの、自動車製造や電子部品製造が行われる工場で使用されることが多いです。例えば、自動車部品の溶接・組立・塗装など、あらかじめ決められた作業の場合はロボットで代替できるケースが多いと言えます。また、物流倉庫でのピッキングやパレタイジングなどでも活用されています。
産業用ロボットとは別に、サービスロボットと呼ばれる非工業向けのロボットがあります。
例えば、受付ロボット・掃除ロボット・レスキューロボット・医療支援ロボット・ペットロボットなどがサービスロボットに挙げられます。産業用ロボットは人の作業を「代替」するのに比べて、サービスロボットは人の作業を「支援」するものであると言われています。
製品名 | 特徴 |
---|---|
マシンテンディング・パッケージ | 協働ロボットが、ヒトにかわって加工機(NC、旋盤、プレス機、EDMなど)へのワーク投入、取り出しを行います。 |
カメラ搭載塗布用ロボット | 高精度・高剛性の卓上型ロボットに専用ソフトを搭載し、精密塗布にも対応したカメラ搭載塗布用ロボットです。高速かつ安定的な軌跡性能です。 |
RobotFit(ロボットフィット) | 協働ロボットを使用する様々な環境で使用できるロボット保護カバーです。より清潔に、より安心してロボットを使用でき、ロボット本体の長寿命化につながります。 |
キタガワ製ロボットハンド | チャックメーカーならではの高い精度と耐水・耐久性を兼ね備えています。切粉対策を強化し、メンテナンス性の向上も実現しています。 |
ロボットに関わるトータルサービス | 【 ロボットシステム製作事業 】と【 ロボットリユース事業 】のコラボレーションにより、新規はもちろんリユースをセレクトすることも可能。他社にはできない提案を実現します。 |
自動ねじ締め機 | ねじ締め工程の自動化とエラー検知により品質向上を実現します。 |
OnRobot(オンロボット) | デンマークの革新的なメーカーが、協働ロボット用のグリッパーやハンド、カメラ、センサーなどの付属品を幅広く提供し、ツールチェンジャーによる交換が容易にできるため、ほぼ全てのロボットブランドと互換性があり、簡単にプログラミングができます。 |
ヒト型ロボット「NEXTAGE」 | 製造現場の安全性確保と生産性向上を目的に開発された汎用性の高いヒト型ロボットです。2009年以来、幅広い業界に導入され、作業の自動化を実現。2018年にはモデルチェンジし、基本性能の向上やオプションラインナップの充実などが実現されました。 |
TMロボット | ロボットとカメラ・ビジョン機能が統合された、簡単操作の革新的なユーザーインターフェース搭載の、国際安全規格を取得した協働ロボットです。 |
協働ロボットが、ヒトにかわって加工機*へのワーク投入、取り出しを行います。
*NC、旋盤、プレス機、EDMなど
マシンテンディングに必要なハードウェア、ソフトウェアをワンパックにしてお届けしますので、お客様は機器を選定する必要がなく、面倒な設定も不要です。
協働ロボットに搭載されたカメラは、ワーク位置が変わっても自動制御で追随して動作します。
高精度・高剛性の卓上型ロボットに専用ソフトを搭載し、精密塗布にも対応したカメラ搭載塗布用ロボットです。
高速かつ正確に、長時間安定した軌跡性能を実現します。
塗装、食品加工、組立、搬送、研磨、成型など協働ロボットを使用する様々な環境、シーンで使用でき、ロボットを保護します。『RobotFit(ロボットフィット)』でより清潔に、より安心してロボットを使用でき、ロボット本体の長寿命化につながります。
キタガワ製ロボットハンドの特徴は、チャックメーカーならではの高い精度と耐水・耐久性。
切粉対策を強化し、メンテナンス性の向上も実現しています。
ロボットに関わるトータルサービスを提供してきた松栄テクノサービスだからこそ、【 ロボットシステム製作事業 】と【 ロボットリユース事業 】のコラボレーション提案ができます。
新規はもちろんリユースをセレクト出来る為、他社にはできない提案が可能です。
本締め・仮締め・緩め・仮入れ・仮入れねじの本締めなど
各種のねじ締め工程の自動化を容易に実現。
各種エラー検知により生産品質を向上させます。
「協働型アプリケーションのワン・ストップ・ショップ」であるために・・・
様々なグリッパー、電動チャック・真空ポンプ付ハンド等の交換が容易なツールチェンジャー、カメラ、トルクセンサーなど付属品のラインナップを用意。
ほぼ全てのロボットブランドとソフト・ハード面で互換性をもたせ、プログラミングも簡単に行うことが可能になります。
NEXTAGEは、「人と一緒に働くヒト型ロボット」というコンセプトのもと、製造現場の安全性確保と生産性の向上を目的に開発されました。
頭部と両腕にカメラを持ち、周囲の環境や作業対象を認識しながら作業することが可能な汎用性の高いロボットです。
TMロボットは、「SMART・SIMPLE・SAFE」のコンセプトで作られたロボットです。【SMART】ロボットとカメラ・ビジョン機能が統合された・【SIMPLE】簡単操作の革新的なユーザーインターフェース搭載の・【SAFE】国際安全規格を取得した協働ロボットです。
産業用ロボットには多くの種類があり、軸の数や取り付けるアームによって得意な作業がそれぞれ異なります。代表的なものとして「水平多関節ロボット」「垂直多関節ロボット」「直角座標ロボット」「パラレルリンクロボット」のそれぞれの特徴を以下にご紹介します。
関節の回転軸が全て垂直に揃い、水平方向にアームが動作するロボットを「水平多関節ロボット」と呼びます。
水平多関節ロボットは他の関節ロボットに比べてシンプルな構造をもったロボットで、三次元の動きは苦手なものの、平面的な動き(特に押し込む動作など)を正確かつ早く行えます。用途例としては、組立作業に活用されることが多いロボットです。
軸の数が多く肘や手首のような関節があり、複雑な動きを稼働させるのに向いているのが「垂直多関節ロボット」です。
これまでは4軸・5軸・6軸のものが一般的でしたが、近年では7軸以上を持つロボットも販売されるようになっています。人の腕の構造と似ていることが最も大きな特徴で、人の作業の代替に活用することが向いているロボットです。用途例としては、溶接や塗装などに多く活用されています。
回転ではなく、3軸が直行するスライド軸によって構成されているのが「直角座標ロボット」です。
クレーンゲームのような動きをイメージすると分かりやすいかもしれません。単純な動きの分、制御が非常にしやすい特徴があります。用途例としては、重量物の搬送などに用いられることが多いロボットです。
パラレルは平行ではなく並列を意味するのが「パラレルリンクロボット」です。パラレルメカニズムと呼ばれる、複数の並列なリンクを介して一点の動きを制御する方法を用いた産業用ロボットを指します。
高精度な動きを実現する反面、人の腕との構造の違いにより、人間の作業を代替する役割よりも他の多関節ロボットが苦手な分野を任せることに向いています。用途例としては、プレス加工などに用いられることが多いです。
製造業は他の業種と比較しても、人手不足が深刻化している現状があります。そのため、人の代わりに業務を行える産業用ロボットを導入し、生産活動の一部を自動化することによって、不足する労働力を補うことが可能です。
産業用ロボットを導入すると初期費用がかかってしまいますが、その分、作業者を手配するコストを削減できることはもちろん、生産効率の改善により生産に関わるコスト全般を削減することが可能です。
人が作業を行ううえでは作業者の技術力に依存をせざるを得ず、ある程度の品質のバラツキは避けることができません。しかし、ロボットに作業を代替させることで、高スピードで同じ作業を繰り返し行なわせることが可能となるため、ミスを削減して品質を均一化することができます。
一方、産業用ロボットを導入する際には注意すべきポイントもあります。これらの要素を考慮しないで導入をしてしまうと、むしろ生産性へのマイナス要因となる可能性もあるため、自社の環境と照らし合わせた上で導入を検討するようにしましょう。
産業用ロボットの導入に掛かるイニシャルコストは、一般的な機器と比較しても負担が大きいと言えます。ロボットそのものに掛かる費用はもちろんのこと、周辺部品やロボットを実稼働させるための技術者の採用費、外注委託費などが必要です。
産業用ロボットを実稼働させるためには「ティーチング」と呼ばれるプログラミングを行う必要があります。ロボットの導入が初めての場合、これまでのノウハウを活用することはできないため、正しい知識を有している専門家を招くなどして、ロボットを操作するための技術者を育成しなければいけません。
産業用ロボットを導入しても上手くいかないパターンとして一番多いのが、事前のシミュレーション不足によるトラブルです。既存の生産ラインとのレイアウト調整や、既存設備の稼働状況を踏まえた生産の割り振り、オペレーション人材の手配など、事前に検討する項目は多岐にわたります。近年では、3Dによるシミュレーションツールなど新しいサービスも普及しているため、これらを上手く活用しながら入念な事前検討を行いましょう。
産業用ロボットの活用事例を業界別にご紹介します。
産業用ロボットが最も活用されている業界は自動車産業です。溶接・組み立て・塗装などのあらゆる部品製造工程で活用されます。前述したように各産業用ロボットの種類には得意な駆動があるため、製造ラインにそれぞれのロボットを配置することで、溶接・塗装・取り付けなどの工程を自動化することが可能です。
テレビやパソコン、スマートフォンなどに組み込まれている半導体の製造にも産業用ロボットが活用されています。半導体の製造には円盤状のシリコンウエハを加工していく工程がありますが、産業用ロボットは製造装置にシリコンウエハを搬送するのに活用されるケースが多いです。
自動車部品の製造と同様で、食品業界でも各工程に適したそれぞれの種類の産業用ロボットが活用されています。また、食品の製造だけでなく、段ボールへの箱詰め、ラベル貼り付け、積荷など、出荷に向けた工程でも産業用ロボットが活用します。
倉庫内の仕分けや段ボール搬送などで、産業用ロボットのハンドリングロボットが活用されています。段ボールの積み荷や荷下ろしは動きが限定的かつ肉体的にも負荷のかかる作業のため、ロボットの活用が向いています。また、人間では搬送が不可能な重量のものをロボットに運ばせることができるため、物流業界でのロボットの需要は年々高まっています。
2013年、労働安全衛生規則の改定により、ロボットの導入に伴う安全策の設置が必須ではなくなりました。
この規制緩和を契機に登場したのが、「協働ロボット」です。人とロボットが共に働くことを目的に開発された協働ロボットは、製造現場の半自動化の推進が期待されている技術です。近年では協働ロボットの価格が下がってきている傾向にあるため、中小規模の工場でも導入の検討が進んでいます。
今回は産業用ロボットの特徴を「水平多関節ロボット」「垂直多関節ロボット」「直角座標ロボット」「パラレルリンクロボット」の種類別にご紹介しました。産業用ロボットを製造現場のラインに導入することで、省人化・生産性の向上・品質の安定化などのメリットをもたらしてくれます。
また、工場にロボットを設置する際に求められていた柵設置の規制が緩和されたことにより、協働ロボットという新しいソリューションも生まれています。産業用ロボット・協働ロボットは種類ごとに特徴が大きく異なるため、ロボットに行わせたい作業を基に各ロボットメーカーの製品を検討してみてください。