世界で唯一、銅アンモニア法で生産される再生セルロース
旭化成株式会社 ベンベルグ事業部
旭化成株式会社 ベンベルグ事業部
私達は1931年より、銅アンモニア法で生産される再生セルロース繊維の製造・販売をしています。不織布や中空糸、微粒子といった様々な商品バリエーションを展開してきました。 このような賦形技術だけでなく、様々な機能付与ができる、世界で唯一、旭化成のみが生産している再生セルロースです。 その主な特長は以下の通りです。
★吸尽性
★生分解性
・耐溶剤性
・保湿性
・低熱膨張率
・耐熱~200℃程度
★丸断面(繊維)
・繊維径約10μm
・高セルロース純度
この中から特に重要な特長(★)をご紹介いたします。
非晶領域が多い為、分子の大きい染料や樹脂でも吸尽速度が速く、濃く浸透します。この構造を活かし、機能性材料(MOFやナノ粒子など)との複合化や、特定の分子との化学修飾も可能です。
繊維断面が真円に近く、表面が他素材と比べてなめらかです。
セルロースからなるキュプラは様々な条件下で生分解します。また国際認証であるOK biodegradable 認証(OK compost INDUSTRIAL、OK compost HOME、OK biodegradable SOIL)を取得しています。
※これらの認証は長繊維不織布ベンリーゼで取得しています。
メディカル用途 |
長繊維不織布によるピュアリティーの高さや、多孔膜・中空糸など様々な形状に加工できる特長を生かし、メディカル用途で幅広く活用されています。 (例)医療用ガーゼ、消毒用ウェットワイパー、止血材、創傷面被覆材、製薬プロセス用ウイルス除去膜、イムノクロマト診断発色剤など ![]() |
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農業資材 |
生分解性を活かし、河川法面保護工事や緑化用資材として、また省力化用農業資材としても活用されています。 (例)植生工事用ネットや播種用シードテープなど ![]() |
工業・産業資材 |
高セルロース純度と耐溶剤性、吸尽性等を活かし、それぞれの業界にあった商品を提供しています。 (例)工業・産業用クリーンルームワイパー、吸着剤など ![]() |
私達は製造過程において、環境に配慮した取り組みを続けています。
例えば延岡のベンベルグ工場では、産業廃棄物を出さない「ゼロ・エミッション化」に取り組んでおり、繊維くずは工場の発電に再利用するなどして徹底した結果、2016年度のゼロエミッション率は99.8%を達成しました。
同時に自社発電設備での水力発電・バイオマス発電などによる再生可能エネルギーも4割に上っており、今後も自社発電設備の能力増強を予定しています。
旭化成は、グループ理念に「世界の人びとの “いのち”と“くらし”に貢献します」を掲げ、社会課題の解決への貢献を重ねています。
社会貢献への取り組みの一例として、ベンベルグ®のインドでの活動をあげます。
ベンベルグ®は、サリーやデュパタなどの高級な民族衣装用繊維として、インドで40年以上親しまれています。ベンベルグ®の原料であるコットンリンターは、綿実油を生産するオイル工場から購入しています。
インドは世界有数の綿花の生産国でありながらコットンリンターを製造する設備を所有するオイル工場は少なく、また品質管理技術も十分ではありませんでした。
結果として綿実油には多くの不純物が含まれ、品質も劣り、また適切な設備があれば得られるはずの、コットンリンターや殻という貴重な副産物が活用されていないという状況でした。
そこでインドの複数のオイル工場に対して、旭化成からコットンリンターの製造に必要な設備や分析機器を無償貸与し、技術指導も行いました。
この取り組みを開始した2010年から2019年の間に、旭化成がインドから購入するコットンリンターの量は約3倍となっただけではなく、インドのオイル工場では純度の高い綿実油生産が可能となり、収益増と技術力向上に貢献しました。また同時にコットンリンターなどの販売という、新たな収入源の開拓にもつながりました。
さらに生地生産者への技術支援や、学生教育支援を行い、これらの活動が評価され、2016年からは国連開発計画(UNDP)が主導するビジネス行動要請(BCtA)に参加しました。
今後も旭化成のセルロースが展開する様々な業界において、それぞれに求められる社会貢献を行っていきます。
旭化成のセルロースは様々な製品に形を変え、人びとの“いのち”と“くらし”に貢献することで、発展してきました。今後も再生セルロースの新たな可能性を開拓し、より良い持続可能な社会につなげていきたいと思っています。
現在は、銅アンモニア法再生セルロースの特長を活かし、MOF(金属有機構造体)やナノ粒子との複合体、マイクロファイバーなどの研究開発を進めており、既存の商流・用途に捕らわれない、新たなニーズを模索しています。
副産物から生まれ、土に還る特長をもち、サステナビリティの観点からも需要が高い再生セルロースとして、これからもアパレルや医療など既存の領域に留まらず、さらに幅広い分野で、新たな製品はもちろん、新たな社会貢献の扉も開いていきます。
Creating for Tomorrow
昨日まで世界になかったものを
出展団体名 | 旭化成株式会社 ベンベルグ事業部 |
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所在地 | 〒100-0006 東京都 千代田区有楽町 1丁目1番2号 日比谷三井タワー |
設立年月 | 1931年05月 |
URL | https://www.asahi-kasei.com/jp/ |